護衛の増員
アレンは今日もアリスを連れて街を歩いていた。
アリスはアレンの護衛である。
街中を歩くだけなら、特に問題はない。
アリスは周囲を警戒しながら歩き、アレンの死角にも気を配っている。
だが、アレンはふと足を止めた。
「……一人じゃ足りないな」
「どうしました?」
「もし暗殺者が複数人で襲ってきたらどうする?」
アリスは少し考える。
「一人なら対応できます」
「一人なら、だろ?」
「……」
アレンの言いたいことは分かった。
正面から一人が襲ってくるなら、アリス一人でも対応できる。
しかし、左右や背後から同時に襲われれば、一人ではすべてを防ぐことはできない。
「護衛は一人ではなく、複数いたほうがいい」
「確かにそうですね」
アリスも納得した。
アレンは貴族として領地を持っている。
立場が上がれば、それだけ敵も増える。
普段から警戒しておくに越したことはない。
「屋敷に戻ったら、もう一人探そう」
「分かりました」
アレンはそのまま屋敷へ戻ると、奴隷商人を呼ぶことにした。
今回も前回と同じ条件で候補者を探してもらう。
しばらくして、何人かの候補者が屋敷へ連れてこられた。
その中に、一人の少女がいた。
「リサと申します」
少女は緊張した様子で頭を下げた。
アレンはリサを観察する。
今回求めているのは護衛として使える人材だ。
アリスとは違う役割を任せられる人間なら、さらに都合がいい。
「何ができる?」
「剣を扱えます。それと、後方からの援護もできます」
リサはそう答えた。
アレンは頷いた。
前衛を担当するアリスと、後方から援護するリサ。
二人を組ませれば、一人だけで護衛するよりも対応できる状況が増える。
「分かった。リサを買おう」
「ありがとうございます」
リサは深く頭を下げた。
こうして、アレンには新しい護衛が加わることになった。
屋敷の中で、アレンは二人に向き合う。
「これから二人で俺を護衛してくれ」
「はい」
「分かりました」
「アリスは今まで通り前に出てくれ。リサは少し後ろから周囲を警戒して、必要なら援護してほしい」
「了解しました」
アリスが答える。
リサも頷いた。
二人が並んで立つ姿を見て、アレンは満足した。
これなら一人よりはかなり安心できる。
正面をアリスが守り、リサが後方を警戒する。
もし敵が複数で襲ってきても、一人で全方向を警戒するより対応しやすい。
「これで少しは安心だな」
アレンはそう呟いた。




