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変わりゆく時代の中で
鴨せいろそばとビネガー和えそばに出汁巻き玉子を追加して、会計約5千円。
「ごちそうさまでした!」
お店を出て、わたしに深々とお辞儀をする涼子ちゃん。
「いえいえ〜、涼子ちゃんと会えてうれしかったから」
「私も夢叶さんと会えてうれしいです! これで益々音楽頑張れるぞー!」
辻堂へ続く通りを東へ歩き、次の交差点で涼子ちゃんと別れた。
わたしもあのくらいハキハキとできれば苦労は少し少なく済むのかもしれない。
引き続き、辻堂へ続く鉄砲道の歩道をとぼとぼ歩く。悲しいことがなくてもとぼとぼがわたしのデフォルトである。
青い自転車通行帯を隔て、辻堂駅南口始発のバスと擦れ違った。最近は橙をベースにした横縞模様のカラーから赤をベースにした縦縞模様のバスに置き換えられつつある。いま擦れ違ったのは後者。
時代が、変わってゆく。
ガワはわかりやすく、内は気が付けばいつの間に。
次々とアップデートされてゆく価値観の中に置いて行かれないようにしなければと、女子高校生といっしょに過ごして意識に留める、春風吹き抜ける午後のひととき。




