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森崎夢叶の18きっぷ  作者: おじぃ
組立

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恋愛はハイエナのほうがラク?

「3ヶ月ぶりくらいだね、元気にしてた?」


 紅茶片手に問うと、涼子ちゃんが「元気元気! めっちゃ元気でしたよ!」と、わたしの隣に座った。


 じぇ、JKが、わたしの隣に座った……!


 わたしにもまだ、人権があったんだ!


「夢叶さんも、前に会ったときより少しイキイキしてるっていうか、なんかシュッとしてるっていうか、えーと、なんていうんだろう? なんかいい感じの雰囲気になりましたよ!」


「そっ、そっ、そっ、そうかなぁ……」


 17歳に褒められてモジモジする三十路、森崎夢叶。


「もしかして、彼氏でもできました?」


 照れて俯き加減のわたしにニヤリと微笑みかける涼子ちゃんと、JKに弄ばれる三十路、森崎夢叶。


「あ、それは〜、できてないです……」


 いっしょにいて心地よい人が、親友に取られそうになっているかもしれません。


「うむ、好きな人はいるけど、美人の友だちに取られそうで引っ込み思案になっている。差し詰めそんなところですな?」


「な、なんでわかるの!?」


「夢叶さんわかりやす過ぎです。顔にそう書いてあるんだもん」


「詐欺師や地面師には向いていないと、常々思っているところです」


「詐欺師ってすごいですよね〜。対象の行動パターンとか把握したうえで電話かけてきたりするらしいですよ」


「もはや探偵だね」


「その知恵をいいことに使えとかは思いませんけど、合法的なビジネスでも成功できるんじゃないかとは思います」


「きっとそれよりラクに稼げるんだろうね」


「そっかぁ、ハイエナのほうがラクか〜」


 それ以上、涼子ちゃんは言わなかった。


 つまりこういうことだ。わたしが好きになる人なら、やさしくて良識や節度を持ち併せた人である可能性が高い。しかしそんな人を1から探すのは大変だし、そういう人のフリをしたモラハラ男なんて気色悪いほどウジャウジャいる。


 なら、取っちゃえばいいんだ。


 そう思うのは、人間の自然な感情である。


 わたしが逆の立場だとして、それが過ぎらないかといえば嘘になる。しかし実行に移す勇気はない。それは大切な友との亀裂を生むから。ミスチルの『Tomorrow never knows』みたいなことは、わたしにはできない。


 舞ちゃんは、どうかな?


 そんなことを考えていたら、お腹が空いてきた。

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