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森崎夢叶の18きっぷ  作者: おじぃ
3月、江ノ島お出かけ

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社交辞令?

 拍手と歓声に轟く会場。約15分のイルカショーが終了した。


 人間のもとへ寄ってくるイルカ、輪をくぐるイルカ、ジャンプするイルカ、波をつくるイルカ。遠目で見ても圧巻な海洋生物とのコミュニケーション。


 ヒトとヒトより、ヒトとイルカのほうが深く分かり合えるかもしれない。


 ぞろぞろと席を立つ、子連れやカップルを中心とした観客たち。


 僕はある程度人が捌けてから立つつもりだが、どうしたものか。隣に森崎さんとその友人が二人。


「猫島くんは、これからどこ行くの?」


 森崎さんが問うてきた。


「僕はこれから、江ノ島を散歩する予定だよ」


 水族館を見て、江ノ島を一周したら電車で帰るつもりなので、素直にそう答えた。さすがに帰りは歩きたくない。


「わたしたちもこれから江ノ島に行く予定だけど、もし良かったらいっしょに行かない?」


 森崎さんからの誘い。社交辞令か、友人二人が僕のほうを見て微笑んでいる。


「ご友人方がよろしければ……」


 コミュ力の低い僕は、硬直してボソリ返すのが精一杯だった。


「私は大歓迎ですよー!」


「私も、夢叶ちゃんのお友だちならぜひ」


 ショートヘアの活発そうな女性がニカッと、ロングヘアのお淑やかな女性が母性を孕んだ笑みで歓迎の意を示した。


 単純な僕はそれを真に受けかけるも、社交辞令である可能性があることも忘れない。


 初対面の人たちではあるが、森崎さんの友人なら悪人ではないだろう。きっと。


 緊張と恐縮で少しハラハラしつつ、予定とは少し違った江ノ島散歩が始まった。

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