VTuberのお部屋
僕、森崎さん、舞さん、美奈さんの順でシャワーを浴び、どこで仕入れたのかわからない鉄道会社のロゴマークが入った浴衣を着て絨毯で雑魚寝。起きたら16時だった。4月の住宅地なのでまだ夕暮れの気配はない。森林ならもう薄暗くなっている。それが4月の16時。
学生みたいなことをしてしまった。
「おはよう」
身を起こした僕に前屈みで微笑みかけているのは、舞さんだった。森崎さんと美奈さんは気持ち良さそうに眠っている。
「おはようございます」
V字に開いた胸元に本能的に視線が行って、パッと逸らす。
「美奈ちゃんが起きないと、何もできないね」
舞さんが絨毯に腰を下ろして体育座りをした。女の子座りだと骨格が歪むからだろうか。
「よっと、おはよう!」
美奈さんがひょこっと起き上がった。
「夢叶はまだ寝てるね」
「起きました……」
「よーし全員揃ったところで社会科見学にごあんな〜い」
僕らは窓を向いて左側の部屋へ通された。
こちらも厚手のカーテンで閉め切られ暗い。外の光が微かに漏れている。
美奈さんがリモコンで灯りを点けた。一般的な白い照明だ。
「装置を起動するときはカーテンを開けるわけには行かないからね」
ゲーミングチェア、デスクにCPU、キーボード、カメラ付きモニター、マイクスタンド。意外と簡素だ。
「意外と簡素だって思ったでしょ」
「どうしてわかった!?」
と狼狽したのは森崎さんだった。
「凝ろうと思えばもっともっとやりようがあるんだけど、なにぶんお金がね」
あはは〜と美奈さんは苦笑した。
「それじゃ、やってみましょうか、松風美波」
美奈さんは慣れた手つきでモニターやキーボードを操作してソフトを立ち上げた。




