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フラグは立てます。別の人で

フラグは折るのでは無く、立てます。

ヒロイン以外の人物に。

一応、関係者になるかもしれない、と思いシオンナリスやレオアニスとアリアも呼び、デニスロード達は執務室でナビ子爵令嬢を待っていた。


ナビ子爵令嬢はジークハルトと共に執務室に現れ、緊張した顔で彼らを見つめる。


「先程、医務室の前での会話の意味を聞きたい」


前置きも無く、デニスロードが問い掛ければナビ子爵令嬢ははっ、と息を飲み頷いた。


ナビ子爵令嬢は自分には前世の記憶があり、から話を始めゲーム内容を伝えた。

前世で使っていたゲームやヤンデレなどの言葉を説明し、セレナ・コール男爵令嬢が言っていた逆ハーの事を話すと、当然のようにデニスロード達の眉間にシワが寄った。


「説明、ありがとう。腹立たしさが増したが、あの女の目論見が分かった事で対策が取れる」


デニスロードの言葉に、ナビ子爵令嬢が深く頭を下げた。


「それで、対策はどの様にしますか?」


ジークハルトが側近らしい態度でデニスロードを見る。


「フラグ?と言うものをへし折れば問題無い筈だ」


15個もあるフラグを全部へし折るのはかなり大変だろうが、デニスロードはチラッとレオアニス達を見る。


望まない未来を確実に消すには、多少の労力は致し方ない。

その方法が多少強引であっても、彼らならどうとでも出来る権力がある。


「ナビ子爵令嬢様、少しお聞きしても良いですか?」


メモ帳を見ながらアリアが質問してきた。


「セレナ・コール男爵令嬢が、望む未来を手にする為にフラグ?を立てなければならない、のは理解しましたが、いくつまで失敗しても良いのですか?」


思っても見なかったアリアの言葉に、男性陣は目を丸くした。


「8個以上失敗すると、強制的に修道院へ飛ばされます」


それはヒロインざまぁエンドの1つで、かなり緩いざまぁエンドだ、とナビ子爵令嬢は言う。


「でしたら、彼女に8個失敗させればいいのですね」


アリアが書き出したフラグ条件を見せ、いくつかにバツを付けていく。

レオアニスとの廊下でのフラグ、シオンナリスとの噴水でのフラグ等。

簡単に阻止出来るフラグは5個で、皆で協力すれば8個などあっという間に潰せた。


「ナビ子爵令嬢にも手伝って貰えば、ほぼ全部潰せますわね」


カサンドラも軽く身を乗り出してメモ帳を見て、微笑んだ。


「凄い。ならばフラグを別の人で立てれば、もっと効果的に潰せますね」


ナビ子爵令嬢も興奮しながら、メモ帳を見詰めた。


「面白そうだな。まぁ、試験の学年一位の件はアリアが潰してくれるだろうから、それ以外を考えてみませんか?」


ジークハルトが機嫌良く提案し、その場に居る全員が頷いた。

8個もミスが許されるって、ゆるいゲームだよね。

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