17話
「そういえば、君はこの都市出身なのか?」
「ん?ああ、俺は純粋なサンブルース都市出身の人間だけど?…あっ!!か、家族構成までは教えないぞ?」
「両親は二人とも事故で他界、今は父親の姉である叔母と妹の三人暮らし…だろ?」
「な、なんで知って…」
「調べるのは当たり前だろ?叔母の働き先から家の場所まで把握してるよ?」
「お前の場合、人質に取りそうだな…」
「ハハッ!!そんな非人道的なことは仲間にしないさ?」
「そ、そうか…(仲間に…か)」
ある意味、脅しである。
ずっと上っていたエレベーターはやっと止まり、チンッと音とともに稼働を停止する。
「着いたみたいだぞ?ちょっと待っていてくれ?」
特別に作られているのかカギを差し込み回してボタンを押して…などいろいろガチャガチャしているとやっと扉は開いた。警戒のためだろう…
開いた扉の先は建物と建物の間の裏路地に繋がっており、外はすでに日が暮れ真っ暗になっていた。
「って暗っ!!今、何時だ?」
「今は夜の七時だな。」
ユニは腕に付けた時計を確認すると答える。
「クノーさん…心配してるかな…早く帰らないと。」
「それじゃあこの鍵をあげるよ。」
ユニは白衣のポケットから鍵を取り出すとハンイに手渡す。急に渡されたハンイは首を傾げた。
「これはなんの鍵なんだ?」
「このエレベーターの鍵だ。この鍵をそこの鍵穴に差し込めばエレベーターが開く仕組みだ。明日はあの長い通路に椅子を用意しておくからそこに座っていてくれたまえ。」
「わ、わかった…」
「あっ!!そうそう…カバンの中に入っている君の携帯に私とルシの連絡先を登録しておいたから気軽に連絡したまえ?」
「いや!!勝手に人の携帯に何やってんの!?」
「クックック…これからよろしくな?今日の君の冴えわたるツッコミ…楽しかったぞ?また明日な。」
「なっ!??今日の全部演…」
言い返そうとするハンイを尻目に笑顔で手を振るユニを乗せたエレベーターの扉は閉まり、再び地下へと戻っていった。
固まったハンイを残して…
「なんなんだ?あいつは…」
そう一人、ハンイは呟くのであった…




