16話
ユニはエレベーターの上の矢印のマークの形のスイッチを押すと、もうすでにその階で待機していたのかすぐ扉は開く。中は扉の割には広く貨物を載せることを前提で作られているようだった。
「さて、乗り込もうか」
「あ、ああ…」
二人は乗り込むと扉が閉まり、エレベーターは上へ…上へと上がっていく。
「……って深っ!!どんだけあるんだよ!?」
「このアジトは地下5000メートル近くの地下ある。地上まであと5分ぐらいかな?」
「ど、どんだけ深いんだよ…そんな広さの土地はこの都市のどこにあるんだ?…って話すのを忘れてた。ユニの能力は特殊系なんだよな?」
「そうだ。『肉体強化系』、『性質強化系』、『万物操作系』にも属さない能力…それが『特殊系』だ。その能力の物と物を融合する私の能力によって動物や虫と融合された人間のことを怪人と言う。」
「なるほど…じゃあ俺は?何と融合されてるんだ?」
「君は『蟻』だよ。」
そのユニの言葉のエレベーター内は静寂に包まれた。
その静寂を破ったのはハンイの素っ頓狂な言葉だった。
「ア、アリ!?の、能力は?」
「身体能力2倍と生命力が高くなる。」
「それだけ?」
「それだけだが?」
「えぇ……」
不服そうである。
「おいおい…蟻の力をなめるなよ?ついでに他には脚力高くなる『飛蝗』に防御力が高い『団子虫』などある。」
「アリ弱くないか?それだったらロマンがあるバッタで飛び蹴りを放ちたかったよ。」
「どっかのバイクに乗る正義のヒーローか。常識的に考えれば身体能力が2倍も十分強いと思うが…鍛えれば鍛えるほど強くなるじゃないか。」
「そ、そうかなぁ?」
「その力が馴染んだらもしかしたら、違う虫に変えるかも知れないから、楽しみにしておけ?」
「そ、そうか…わかった。」
「ん?君はなかなか適応力が高いんだな?普通の人間だったらパニックに陥っていると思うぞ?」
「いや、なんかふっきれたっていうか諦めたっていうか…そうしたら、普通に受け入れることが出来て…なんでだろう?」
「昨日までただの学生だったが、いきなり怪人に改造され、悪の組織で働くことになった…同情はするよ。まぁガンバレ。」
「元凶はお前らだよ!!ニヤニヤ笑うな!!!」




