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異世界の魔物肉、全部うまい。帰れないアラフォーパパ、冒険者しながら焼肉屋はじめました  作者: きりざく
2章

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第17話−2 ひとつ目の頂上 ― 弱点が、見えた

◆ 東縁・深部への道



 ギルドを出たとき、空は曇っていた。


 光が薄い。それでも東縁の入口まで来ると、木々の間から差し込む緑がかった明かりが、昨日とは少し違う色に見えた。気のせいかもしれない。気のせいじゃないかもしれない。依頼票に書いてあった「深部」という文字が、まだ頭の中にある。


 ヨーヘイは腰の蒼魔鉄中剣に一度だけ手を当てた。鞘越しに、冷たさが指に返ってくる。


ヨーヘイ:(解析さん。追っ手の反応は)


解析の声:「周囲1キロメートル以内に対象の反応はありません。東縁内の魔物反応は複数ありますが、いずれも遠距離です」


 ヨーヘイは息を一つ吐いた。


 リリアが左隣を歩いている。槍を右手に、穂先を上向きに持って、時々握り直す。指の力加減を確かめているような動作だ。フィンは2人より三歩先で、鼻をひくつかせながら地面すれすれのところを歩いていた。草の露が鼻先に当たっても、立ち止まらない。


リリア:「……深部というのは、どのあたりになりますか」


ヨーヘイ:「依頼票には、東縁中央の大岩を過ぎた先と書いてありました。行ったことはないですが、解析さんが案内してくれます」


 リリアが頷く。それだけで前を向いた。会話を続けない。でも不安な顔でもない。ただ、集中している顔だ。


ヨーヘイ:(この人の静かさは、俺とは違う種類の静かさだ。俺は外面を冷静に保っているだけだが、リリさんはもう少し内側から落ち着いている気がする)


 大岩が見えてきたのは、東縁に入って十分ほど経った頃のことだ。ヨーヘイの背丈の三倍はある。苔が厚く張っていて、上の方に鳥の巣の残骸がある。岩の右側を回り込むと、木の密度が変わった。間隔が広くなって、代わりに地面の根が張り出している。草の背が高くなって、フィンの頭が埋まりそうだ。


ヨーヘイ:(深部だ。空気が変わった。気のせいじゃない。Gランクの依頼エリアと、明らかに違う)


 フィンの耳がぴんと立った。体が止まる。



◆ 深部・薬草採取



 依頼票の薬草から先に片付けることにした。深部エリア指定の採取依頼だ。フィンが鼻を動かしながら低い草の間を歩き、カイフクソウを見つける。ヨーヘイが採取へらで根元からそっと抜く。リリアが周囲を見ながら立っている。手順が言葉なしで回るようになっていた。


 カイフクソウが3束、ゲドクソウが2束。深部でも種類はそう変わらない。密度が少し高い分、効率は悪くない。


 4束目に手を伸ばしたとき、解析さんが反応した。


解析の声:「……少し待ってください。この植物、記録します」


 ヨーヘイは手を止めた。


 茎が一本、まっすぐ伸びている。膝の下あたりまでの高さで、先端に小さな白い花が房状に咲いている。薄紫が混じっていて、周りの薬草の中に並ぶと、ひどく地味に見える。それなのに、何かが引っかかった。鼻の奥に、ほんの少しだけ何かが来ている気がした。


ヨーヘイ:「……なんか、匂わないですか」


解析の声:「……あなたの記憶を参照しました。『にんにく』と同種の香気成分が検出されました。濃度は——元いた世界の基準で言えば、約5倍と推定します」


 止まった。


 頭の中で、何かが止まった。ヨーヘイはしゃがんだまま、茎を見ている。普通の顔をしている。たぶん。


ヨーヘイ:(5倍。今、5倍と言ったか)


解析の声:「……はい。目や粘膜への刺激が強い可能性があります。取り扱いに注意してください」


 ヨーヘイは採取へらを持つ。球根の周りの土を、そっとほぐす。少し掘る。


 その瞬間だった。


 鼻の奥を、何かが突き抜けた。目の縁がじわっとした。喉の奥に、あの匂いが直接届いた——居酒屋の厨房から漏れてくる匂いだ。焼肉屋のバックヤードで業務用の袋を開けた瞬間の匂いだ。美咲が「また使いすぎ」と笑いながら餃子を包んでいた夜の匂いだ。


ヨーヘイ:「あっ」


 声が出た。


ヨーヘイ:「あっ、あっ、あった!!」


 誰もいない森の中で、声が出た。止められなかった。


ヨーヘイ:「にんにくだ!! 異世界ににんにくがあった!! しかも5倍って何だ!! 5倍のにんにくって何だ!! 凶器じゃないか!!」


ヨーヘイ:「でも最高だ!!!」


 目の縁が滲んだ。にんにくで泣いている。44歳が、異世界の森でにんにくで泣いている。


 フィンが隣で「キュッ」と鳴く。それから一歩、二歩、後退した。鼻に前足を当てている。鼻先から遠ざかろうとしている。


ヨーヘイ:(お前には強すぎるか。俺でも目に来る。でもこれは宝だ)


 球根を両手で引き抜いた。こぶし大の塊が出てきた。皮が薄い紫がかった白で、現代のにんにくより一回り大きい。重い。密度がある。引き抜いた瞬間に匂いがまた一段上がって、今度は目だけじゃなく鼻の奥が痛い。痛いのに、口に唾が溜まった。


ヨーヘイ:「タレだ」


 声に出た。声に出してから、もう一度思った。


ヨーヘイ:「タレが作れる。にんにくがあればタレが作れる。発酵液はある。これがあれば土台になる。異世界で焼肉のタレが——」


 リリアが隣にしゃがんでいた。いつの間にか来ていた。目が少し丸くなっている。顔を、球根から少し離したところに保っている。


リリア:「……目、赤くなってますよ」


ヨーヘイ:「故郷にある食材に、よく似た植物です。料理に絶対必要なやつです」


 リリアが球根を見た。それから、そっと顔を離した。


リリア:「……故郷のものが見つかって、よかったですね」


 その一言が、思ったより深く来た。報告ではなかった。ただ、そう思って言ったのだと分かった。


ヨーヘイ:(そうだ。よかった。本当に、よかった)


 解析さんに確認した。


ヨーヘイ:(解析さん。この辺にまだありますか)


解析の声:「……半径20メートル以内に4株確認しています」


ヨーヘイ:(全部採ります)


解析の声:「……業務の範囲内です」


ヨーヘイ:(今日一番の業務です。間違いなく)


 採取へらを持ち直した。フィンはまだ前足で鼻を押さえている。


ヨーヘイ:「お前は離れてていい。後で焼いたら呼ぶ」


フィン:「キューン」


 5株、全部採った。収納に入れた瞬間、匂いが消える。森の空気が戻ってきた。フィンが恐る恐る近づいてきて、鼻をひくつかせる。また止まった。


ヨーヘイ:(収納に入ってるから匂わないぞ)


フィン:「キュッ」


ヨーヘイ:(分かってて確認しに来たのか。お前の食い意地はどこまで広いんだ)


 その時、解析さんが補足してきた。


解析の声:「先ほどの植物ですが、村の市場でも取り扱いがある可能性があります。流通名は『ガルニク草』です」


ヨーヘイ:(ガルニク草。市場で買える。つまり継続して手に入る。タレの素材として使い続けられる)


 頭の中で何かが静かに動いた。まだ遠い話だ。甘みが足りない。酒もない。でも、一つ動いた。



◆ トリアシ討伐・1体目



 ガルニク草を収納してから、討伐に向かった。


 フィンが耳をぴんと立てたまま、足を止めた。草の揺れ方が変わった。どこかで枝が折れる音がした。小さな音だが、方向がある。


ヨーヘイ:(解析さん)


解析の声:「前方15メートル。Eグレード下位の反応が1つ。……トリアシです」


 草の向こうから、暗緑色の羽毛が見えた。人と同じ背丈の鳥型魔物だ。頭の上に鹿の角に似た鶏冠がある。こちらを認識した瞬間に、その鶏冠がゆっくりと広がった。威嚇の動作だ。目が合った。


ヨーヘイ:(解析さん。弱点を)


解析の声:「首の付け根、鎖骨相当の骨が薄い部分です。そこへの集中攻撃が有効です」


 リリアが槍を構えた。ヨーヘイは蒼魔鉄中剣の柄に手をかけた。


 トリアシが跳んだ。上から来る。開幕の跳び蹴りだ。両脚を揃えて、真上から落としてくる。


 《瞬歩》を使った。景色が横にずれた。蹴りが空を切る音がした。


 着地の瞬間を狙った。トリアシの両脚が地面に触れた瞬間、体重が下に集中する。そこに蒼魔鉄中剣を首の付け根に向けて踏み込んだ。


 切れた。


 支給品の短剣とは、手ごたえが全然違う。刃が通る感触がはっきりある。止まらずに入っていく感触だ。


ヨーヘイ:(これだ。この感触が蒼魔鉄だ)


 トリアシが倒れる。動かない。


ヨーヘイ:「……1体」


 リリアが少し息を吐く。槍を構えたまま、前を見ている。少し間があって、ヨーヘイを見た。


リリア:「……速かったですね」


ヨーヘイ:「《瞬歩》を使いました。MP消費があるので、多用はできないですが」


 フィンが倒れたトリアシに近づく。「キュッ」と鳴く。鼻が動いている。


ヨーヘイ:(お前はもう解体待ちか。早い)


 その時、解析さんが来た。


解析の声:「……1つ、接近中です。距離15メートル。こちらへ向かっています」


ヨーヘイ:(来る。まだ来る)


 リリアが振り向く。目が合った。ヨーヘイは指を左に向けた。リリアが頷いて槍を構え直す。言葉がいらない。


ヨーヘイ:(1体目を仕留めてすぐ2体目か。息を整える暇がない。MPを温存したい。できれば《瞬歩》を使わずに済ませたい)


 フィンが「キュウッ!」と鳴いた。耳が左を向いている。



◆ トリアシ討伐・2体目・連携初成立



 左の茂みから羽音がした。


 1体目と同じ動きで跳んでくる。上から、真っ直ぐ。


 ヨーヘイが《瞬歩》を使おうとした。


 その前に、リリアが動いた。槍を横に薙いだ。穂先がトリアシの翼に当たった。軌道がずれた。跳び蹴りが、斜め上に外れた。


ヨーヘイ:(リリさんが——)


 体が先に動いていた。軌道がずれたトリアシの着地点を踏んで、首の付け根へ踏み込む。


 届かなかった。


 トリアシが着地の瞬間に体を回した。くちばしが横から来た。速い。頭を下げた。風が耳元をかすめた。


ヨーヘイ:(速い——!)


 くちばしの先が頬を掠めた。切れてはいない。でも当たった。薄く熱い感触が残る。


ヨーヘイ:(まずい。距離が近すぎる。でも下がれない。下がったら次のくちばしが来る)


 踏み込んだ。くちばしのリーチより内側に入る。トリアシの首が目の前にある。付け根が、すぐそこにある。


 蒼魔鉄中剣を、そこへ。


 切れた。


 2体目が倒れる。


 ヨーヘイは息を吐く。頬に手を当てた。傷はない。掠めただけだ。でも手が少し震えているのに気づいた。剣を握り直す。


ヨーヘイ:(当たりかけた。1体目を綺麗に仕留めたから気が緩んだ。Eグレードを甘く見たら死ぬ。次は気をつける)


ヨーヘイ:(解析さん。追加の反応は)


解析の声:「周囲に反応はありません。2体で終わりです」


ヨーヘイ:(よかった。……本当によかった)


 少し間があった。風が草を揺らしている。


 リリアが槍を下ろして、自分の手を見ていた。指を開いて、閉じて、もう一度開く。確かめるような動作だ。それからヨーヘイの方を見た。


リリア:「……次も、できます」


 言い切った。小さい声だったが、迷いがなかった。今日、槍を出した。その手ごたえが、まだ指に残っているような言い方だった。


ヨーヘイ:「助かりました。あの牽制がなかったら、《瞬歩》を使っていました」


 リリアは答えなかった。ただ前を向いた。目元が、少し緩んでいる。


ヨーヘイ:(あの日、震えながらギルドカードを差し出した人が、今日は槍で軌道を変えた。同じ人だ。でも今日の足の置き方は、違う場所にある)


 フィンが2体のトリアシを交互に見て、「キュッ」と鳴いた。


ヨーヘイ:(分かってる。今から解体する)


 風が草を揺らしている。路地ではなく、森の風だ。



◆ 解体・《解体》Lv2取得



 2体分の解体を始めた。1体目から順番に。蒼魔鉄中剣の切れ味は解体でも生きる。前回より手順が早い。体が覚えてきている。


ヨーヘイ:(慣れてきた。初めてトリアシを解体した時とは、手の動き方が違う)


 2体目の解体に入った。胸肉を分けて、砂肝に手をかけた瞬間だった。


 音がした。


 聞いたことのある音ではない。頭の中で、何かが切り替わる感触があった。通知音のような、でも音楽じゃない、何かが変わったという感触だけが来た。


解析の声:「《解体》がLv2になりました」


ヨーヘイ:(来た)


 手が止まる。砂肝を持ったまま、動けない。


解析の声:「以後、対象の弱点部位が解析結果に自動追記されます。クリティカル発生率が上昇します」


 ヨーヘイはもう一度、手元の砂肝を見た。同じ砂肝だ。同じトリアシのものだ。でも今この瞬間から、次に同じ魔物を解体したとき、見える情報が変わる。今日の解体で、ここが変わった。


ヨーヘイ:(解体が戦いにつながる。弱点が分かれば、最初から狙って切れる。この感触は——)


 フィンが砂肝に顔を突っ込もうとした。


ヨーヘイ:「ダメだ。後で焼く」


フィン:「キューン」


ヨーヘイ:(Lv2取得の瞬間を、お前の食欲が上書きした。でも今日は気分がいいから許す)


 リリアが隣にしゃがんで、解体の手順を静かに見ていた。ヨーヘイが顔を上げると、目が合った。


リリア:「……スキルが上がったんですか」


ヨーヘイ:「《解体》がLv2になりました。弱点部位が見えるようになります」


 リリアが少し考えるような間を置いた。


リリア:「……解体で、弱点が見えるようになる」


ヨーヘイ:「解体と討伐はつながってるみたいです。どこを切り分けるかが分かると、どこを狙えばいいかも分かる」


 リリアが頷いた。ゆっくりと、一度だけ。それから、言葉を選ぶように少し間を置いた。


リリア:「……ヨーヘイさんは、料理も解体も、戦いも、全部同じ場所から出てくるんですね」


ヨーヘイ:(同じ場所。……そうかもしれない。食うために戦う。戦ったものを食う。切り分けていたつもりはなかった。全部、同じ方向を向いていた)


ヨーヘイ:「食うために戦って、戦ったものを食う。それだけです」


 リリアが少し笑った。声には出なかったが、目元が柔らかくなった。


リリア:「……それだけ、って言える人が、どれだけいるか」


ヨーヘイ:(どれだけいるかは分からない。でも少なくとも俺はそうだ。それだけは確かだ)



◆ 帰り道



 東縁を出た頃には、空の光が少し傾いていた。


 ヨーヘイは歩きながら、ガルニク草を引き抜いた瞬間の匂いを思い出していた。収納に入れると匂いは止まる。でも鼻の奥には、まだ残っている。あれがタレになる。なれるかどうかじゃない。なる。


 リリアが隣を歩いている。槍を右手に、穂先を上向きに持っている。来た時より、少し背が伸びているように見える。気のせいかもしれない。でも今日の帰り道の歩き方は、来た時とは違う。


 フィンが前を歩いている。時々振り返って「キュッ」と鳴く。早く帰って焼いてくれという声だ。


ヨーヘイ:「分かってる。今日はお前の分も焼く」


フィン:「キュッ」


 ファスト村の入口が見えてきた。


 歩きながら、鼻の奥にまだガルニク草の匂いが残っていた。


ヨーヘイ:(蓮。ガルニク草、見つけたぞ。にんにくの匂いがした。泣いた。44歳が異世界の森でにんにくで泣いた。笑ってくれていい)


ヨーヘイ:(解析さん。帰り道、追っ手の気配は)


解析の声:「……2つ。村の外縁部に反応があります。今日は動いていません」


ヨーヘイ:(いる。今日は来なかった。でも、いる)


 足を止めなかった。前を向いたまま歩いた。リリアも、フィンも、止まらない。村の灯りが近づいてくる。入口を過ぎた。


ヨーヘイ:(明日も来る。東縁にはまだ先がある。あいつらの準備が整う前に、俺も整える)



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【第17話−2 リザルト&ステータス】

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▼ ヨーヘイのステータス(17-2終了時点)

Lv:4 HP:133/135 MP:57/60(《瞬歩》×1回使用・3消費)

※頬へのかすり傷(くちばし掠り):HP-2・出血なし・戦闘継続に支障なし


スキル熟練度:

・《解析》Lv1 熟練度 72/100(+2)

・《収納》Lv1 熟練度 30/100(+2)

・《採取》Lv1 熟練度 52/100(+6)★深部採取

・《解体》Lv2 熟練度 0/100(Lv2到達・リセット)★

・《料理》Lv1 熟練度 19/100

・《従魔契約》Lv1 熟練度 14/100(+1)

・《瞬歩》Lv1 熟練度 7/100(+2)

・《二刀流》Lv1 熟練度 0/100


▼ 本話の収支

・収支なし(依頼報酬はギルド報告後・次話受け取り)

・17-2終了時手持ち 87枚(17-1から変わらず)


▼ 新規採取アイテム

・ガルニク草×5株(香気成分:にんにく同種・元いた世界の基準で強度5倍・収納保管中)

・カイフクソウ×3束・ゲドクソウ×2束(依頼②分)


▼ 討伐結果

・トリアシ×2体(依頼①達成)

・魔石:E(小)×2

・素材:羽・骨・嘴×各2体分

・肉:胸肉・もも肉・ぼんじり・せせり・ヤゲン軟骨・砂肝×2体分


▼ 本話の出来事

・初Fランク依頼:東縁深部へ(Gランク時代より奥のエリア)

・ガルニク草発見(にんにく同種・元いた世界の基準で5倍強度)→タレ素材第一歩

・解析さん:市場での流通名「ガルニク草」を確認

・トリアシ討伐1体目:蒼魔鉄中剣の手ごたえを実感(《瞬歩》×1使用)

・トリアシ討伐2体目:リリアの槍牽制→ヨーヘイがとどめ★連携初成立

・くちばしに頬を掠められる(HP-2)→次話で自然回復

・《解体》Lv2取得:弱点部位自動追記・クリティカル発生率上昇

・フィンがLv2取得の瞬間を砂肝で上書き(Dタイプ笑い)

・帰り道:村外縁部に追っ手2名の反応(今日は動かず)


▼ インベントリ(17-2終了時)

・蒼魔鉄中剣×1

・短剣×1(予備)

・包丁×1

・採取へら×1

・冒険者証(Fランク)

・ポーション×1

・解毒薬×1

・トリアシ肉×2体分(今話討伐分)+残分

・ガルニク草×5株(収納保管)

・リリア所持:木製柄+鉄穂先の槍×1


▼ ヨーヘイの考察


 解析さん、記録します。


 Fランクの初依頼が終わりました。東縁の深部に初めて入りました。Gランクの時に踏んでいた場所より、空気が違いました。気のせいじゃなかったです。


 ガルニク草を見つけました。元いた世界のにんにくと同種の香気成分で、強度は5倍とのことです。目に来ました。泣きました。にんにくで泣いたのは人生で初めてです。でも後悔はないです。タレの土台が一つ揃いました。


 トリアシを2体討伐しました。2体目でリリさんが槍で軌道を変えてくれました。頬を掠められましたが、傷はないです。次は気をつけます。


 《解体》がLv2になりました。弱点が見えるようになります。解体と討伐がつながってきた気がします。フィンが砂肝でその瞬間を上書きしましたが、今日は許しました。


 以上、記録終わり。

【第17話-2】ひとつ目の頂上 ― 弱点が、見えた

「44歳が異世界の森でにんにくで泣いた。笑ってくれていい」

ガルニク草を見つけた日のことです。タレに必要なものが、異世界の森にあった。

《解体》がLv2になった回でもあります。見えなかったものが見えるようになる——スキルの上がり方を、この形で書きたかった。

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