第80話 条件が、揃った。
異世界に落ちた。帰れないアラフォーパパが、異世界で戦う。
とりあえず、腹が減ったので魔物を焼いた。
面白いと思ったら、評価やブックマークをもらえると
ヨーヘイより先に作者が泣きます。
◆ 条件が、見えない
地下の空洞は、どこまでも、暗かった。
鉱脈が、ところどころ、ぼうっと、燐光を放っている。緑がかった、冷たい光だ。その光が届く範囲だけ、岩肌が、うっすらと、浮かび上がる。それ以外は、墨を流したような、闇だった。
ヨーヘイたちは、その闇の中を、一歩ずつ、奥へ進んでいた。
昨日、地上の湿った森から、この乾いた地下へ降りた。上層は、もう、抜けた。今は、さらに、下へ。解析が「目的の魔物」を捉えたのは、この、もっと底のほうだった。
ヨーヘイ:(……解析さん。条件って、まだ、わからないか)
解析:「……申し訳、ありません。感知に、ムラがあります。……深く潜るほど、像が、途切れます」
声が、途切れ途切れだった。鉱山の下層で、解析が届かなくなったとき以来の、あの感覚に近い。岩と、闇と、何かが、解析の出力を、削いでいる。
わかっているのは、たった二つ。奥に、何かがいる。そして、それは、条件を満たさないと、出てこない。
その条件が、わからない。
ルカ:「なあ、ヨーヘイ。ほんまに、こんな奥に、おるんか? なんも、おらんやん」
ルカの声が、闇に、吸われた。このごろ、すぐに息が上がる体で、それでも、ルカは、ついてきている。声には、まだ、張りがあった。前を向くだけの理由が、その先にあるからだ。
ヨーヘイ:「いる。解析さんが、いると言ったなら、いる」
ヨーヘイは、短く、答えた。
リリアは、何も言わず、静かに、ついてくる。王都を発ってから、この子は、よけいなことを、一切、口にしなくなった。ただ、行く先を、迷わない。
とっ、と先を行くフィンが、足を止めた。
闇の奥へ、鼻先を、向ける。背の毛が、低く、波立った。喉の奥で、唸るでもない、低い音を、鳴らす。何かを、嗅ぎ取っている。だが、姿は、見えない。フィンも、確信が、持てないでいる。
ヨーヘイ:(……いるな。だが、出てこない)
追っ手の気配は、地上に出る縦穴を降りたあたりで、ふっつりと、途切れていた。岩の下までは、たどれないらしい。それだけが、今は、ありがたかった。
◆ 匂いで、来る
最奥の、手前だった。
空洞が、すこし、広くなる。天井が、高い。正面の岩壁の、根元に、黒い亀裂が、走っていた。人が、二人も三人も、並んで入れそうな、横穴だ。その奥から、生臭い、獣の匂いが、漂ってくる。
巣穴だ。
フィンが、その亀裂の前で、ぴたりと、伏せた。ここから先へは、進まない。
そのとき、途切れがちだった解析が、その一点にだけ、ぐっと、像を結んだ。
解析:「……見えました。奥に、一体。大型の、獣型です。……ヨーヘイさん。これは、目が、ありません」
ヨーヘイ:(目が、ない?)
解析:「退化しています。生まれてからずっと、この闇の中にいる個体です。……目の代わりに、匂いと、空気の揺れで、獲物を捉えます」
ヨーヘイの頭の中で、いくつかの像が、つながった。地面の振動で獲物を読む、鉱山の主がいた。顎の下で熱を感じる、川の底の魔物もいた。だが、これは、そのどちらでもない。
解析:「この個体は、嗅覚で、狩ります。……そして、用心深い。獲物が、近くにいても、すぐには、出ません」
解析:「出てくるのは、三つが、揃ったときだけです。……一つ、光がないこと。二つ、新しい肉の、匂いがあること。三つ、その獲物が、動いていないこと」
闇。匂い。静けさ。
無防備な獲物が、目の前に転がっているとき、この獣は、初めて、巣穴から、這い出てくる。
ルカ:「……三つも、揃わんと、出てこんのか。そんなん、どうやって——」
ルカが、言いかけて、口を、つぐんだ。
ヨーヘイは、答えなかった。代わりに、横穴から漂う、獣の匂いを、もう一度、嗅いだ。それから、自分の腰の、収納に、手を当てた。
料理人の頭が、ひとりでに、動いていた。
ヨーヘイ:(……匂いで、来るのか)
ヨーヘイ:(だったら、こっちから、匂いで、呼べばいい)
◆ 闇で、肉を焼く
ヨーヘイは、収納から、昨日の蛙の、後ろ脚を、一本、取り出した。野営で焼いた残りの、生のままの一本だ。
それを見て、ルカが、目を、丸くした。
ルカ:「ちょ、ヨーヘイ、まさか……それ、焼くんか? こんなとこで?」
ヨーヘイ:「ああ」
ヨーヘイ:「あいつは、闇と、肉の匂いと、静けさで、出てくる。なら、その三つを、こっちで、揃えてやる。焼けた肉の匂いで、誘き出す」
囮だ。
いつも、腹を空かせたやつに、出してきた一皿。それと、同じ手で。今は、化け物を、呼ぶ。
ヨーヘイ:(……火を熾して、肉を焼く。それで腹を満たすはずの手が、今は、こいつを、呼んでる。それでも、やることは、同じだ)
ヨーヘイは、巣穴から、少し離れた、岩の窪みに、小さく、火を熾した。燐光すら、岩の陰で、遮る。光を、極限まで、絞る。闇を、作る。
鉄串に、蛙の脚を、刺す。火に、かざす。
じ、じ、と、脂の少ない肉が、焼ける音を、立てた。香りが、立つ。焼けた肉の、匂いが、冷たい地下の空気に、ゆっくりと、ほどけて、横穴のほうへ、流れていく。
あとは、静けさだ。
ヨーヘイ:(みんな、息を殺せ。動くな)
誰も、動かなかった。ルカが、槍を、握り直す、その手も、止めた。リリアが、杖を、胸の前で、構えたまま、息を、詰める。
とっ、とフィンが、焼ける肉に、つられて、鼻を、近づけかけた。ヨーヘイは、その鼻先に、手のひらを、そっと、当てた。
ヨーヘイ:(……お前のは、後だ。今は、動くな)
フィンが、ぴたりと、止まる。
三つが、揃った。
闇。肉の匂い。静寂。
横穴の、奥の、暗がりで。
何かが、ずる、と、身じろぎ、した。
暗闇に対峙して、ヨーヘイの頭の隅を、一瞬、子供の顔が、よぎった。こういう、真っ暗で、得体の知れないものが出てくる場所を——蓮は、嫌いだったな、と。
◆ 目を、使わない
それは、音もなく、出てきた。
巨大な、影だった。燐光の届かぬ闇の中で、その輪郭は、ほとんど、見えない。ただ、空気が、重く、押された。床を伝う、重い気配。獣の、生臭い匂いが、濃くなる。
解析:「出ました。……大きいです。体長、優に、人の三倍。前足の、一撃が、来ます」
姿が、見えない。
ヨーヘイの目には、ただ、闇の濃淡しか、映らない。どこにいるのか、わからない。
だが、フィンには、見えていた。
フィンが、低く、唸りながら、体を、右へ、向けた。鼻先が、闇の一点を、指す。喉の音が、その方向を、伝える。フィンの鼻が、ヨーヘイの目に、なった。
ヨーヘイ:(……右、か)
その、巨体が、囮の肉へ、頭を、下げた。匂いに、つられて。
大きな顎が、串ごと、肉を、咥える。そして、地面に、頭を、つけた、その、一瞬。
解析:「今です。……顎が、止まりました。延髄が、出ます」
ヨーヘイが、踏み込もうとした、その刹那。
獣の鼻が、ぴくり、と、跳ねた。囮の肉ではない、別の匂い——人の匂いを、嗅ぎ分けた。巨体が、囮を捨てて、こちらへ、反転する。
ルカ:「っ、ヨーヘイ……!」
ルカの声が、裏返った。そして、ルカは、自分の口を、押さえた。
ルカ:「……っ、いま、なんか……『退け』って……声が、頭の中で……!」
ルカの耳が、何かを、拾っていた。戦いの、生死の、際で。
ヨーヘイ:(……解析さん)
解析:「……業務の、範囲内です。それより、退いてください。来ます」
ヨーヘイは、認めなかった。今は、それどころでは、なかった。
反転した巨体が、ヨーヘイを、押し潰そうと、迫る。その、鼻先で。
リリア:「――聖よ」
リリアの杖から、淡い光が、弾けた。盲目の獣に、光は、見えない。だが、その光は、獣のまとう、血の匂いと、追跡の糸を、一拍、散らした。獣の鼻が、人の匂いを、見失う。どこを、襲えばいいのか、一瞬、わからなくなって、巨体が、宙で、つんのめった。
その、一拍。
ルカ:「――頭、押さえる……っ!」
ルカが、横から、槍を、突き入れ、下がろうとする頭を、地に、縫い止めた。
ヨーヘイは、闇を、蹴った。
ヨーヘイ:「――ふッ」
《瞬歩》。獣の、死角へ、回り込む。目のない獣には、死角という概念すら、ないはずだった。だが、匂いを、リリアが散らした、今だけは。
《二刀流》。二本の刃が、太い首の、付け根を——延髄を、深く、断った。
巨体が、びくり、と、震えた。前足が、一度、宙を、掻いて。
どう、と、闇の中に、崩れ落ちた。
地面が、揺れた。砂塵が、燐光の中で、舞った。
しん、と、静寂が、戻る。
ルカ:「……は……っ、はあ……。か、勝った……んか?」
解析:「討伐を、確認しました。……正面からでは、あの装甲と巨体は、まず、崩せませんでした。匂いで誘き出し、動きを止めた、一瞬だけが、唯一の、隙でした」
力で、ねじ伏せたのでは、ない。条件を、突いた。それだけだった。
◆ 揃った
問題は、いつだって、ここからだ。
ヨーヘイは、崩れた巨体の、脇に、しゃがみ込んだ。腕まくりをして、ナイフを、抜く。
間近で見る、その獣は、熊に、似ていた。だが、毛は、闇の色に、沈んだ、濃い灰。落ち窪んだ眼窩は、洞のように、ぽっかりと、暗い。本当に、目が、ないのだ。
ヨーヘイ:(……洞穴の、熊か。ウログマ、とでも、呼ぶか)
ルカ:「うわ……でか……。これ、ほんまに、捌くんか? こんなん、絶対、臭いやろ」
ヨーヘイ:「臭い。そのままじゃ、食えたもんじゃない。……だが、やりようは、ある」
まず、太い頸動脈に、刃を入れ、血を、抜く。地面に、黒い血が、流れ出す。獣肉の臭みの、大半は、この血だ。これを、残さず、抜ききる。何度も、押して、絞り出す。
次に、厚い毛皮に、刃を、入れる。熊の皮は、硬い。脂と、皮の間に、刃を、滑り込ませて、引き剥がしていく。めり、めり、と、皮下の脂が、糸を、引く。分厚い、白い脂の層が、現れた。
この、脂が、鍵だった。
獣くさいのは、この脂に染みた、血と、古い体臭だ。だから、表面の、酸化して黄ばんだ脂は、惜しまず、削ぎ落とす。内側の、白く、澄んだ脂だけを、残す。臭みの強い、筋と、腺を、丁寧に、外していく。
腹を、開く。内臓を、傷つけないよう、引き出す。胃や、腸は、臭みのもとだから、肉に、触れさせない。手早く、分ける。
その、解体の途中だった。
解析:「……待ってください、ヨーヘイさん。それ、です」
解析の声が、急に、鋭く、なった。
解析:「その、肝の、奥。胆嚢の、脇にある、小さな、黒い、臓器。……それは、要ります。とても、貴重な、ものです」
ヨーヘイ:(これが?)
解析:「はい。手に入る機会は、まず、ありません。……必ず、潰さずに、取ってください」
ヨーヘイは、言われたとおり、その、小指の先ほどの、黒い臓器を、慎重に、切り離した。何に使うのかは、わからない。だが、解析が「要る」と言うものを、ヨーヘイは、これまで、外したことがない。布に、丁寧に、包んで、収納に、しまった。
ヨーヘイ:(……薬になる、何かか。ヴェルナさんに、見せれば、わかるかもしれんな)
それだけ、思った。それ以上は、考えなかった。
解体を、終える。むき出しになった、内側の、澄んだ脂を、まとった、赤身。さっきまでの、闇色の化け物が、嘘のようだった。
火を、熾す。脂の乗った、肩の肉を、薄く、切る。塩を、ひとつまみ。強い火で、脂の面から、炙る。
脂が、ちりちりと、爆ぜた。澄んだ、甘い、獣脂の匂いが、立つ。さっきの、生臭さは、もう、どこにもなかった。
焼けた一切れを、ルカに、差し出す。ルカは、おそるおそる、口に、運んだ。
噛んだ。
ルカ:「……っ、う、うま……。なんやこれ……。脂が、こんな、甘いんか……」
目を、見開いた。
ルカ:「あんな、臭い化け物が……。なんで、こんな……」
ヨーヘイ:「血と、臭い脂を、抜いたからだ。残すとこを、間違えなきゃ、ちゃんと、うまい」
リリアも、ひと口、食べて、こくり、と、頷いた。言葉は、ないが、頬が、ほどけていた。フィンが、待ちかねたように、自分の皿を、平らげていく。
倒した相手を、皿に、変える。場所が、地上だろうが、こんな、地下の闇の底だろうが。ヨーヘイに、できることは、それだけは、変わらない。
◆
腹が、満ちた。
解析:「……目当てのものは、確保しました」
ヨーヘイは、収納の、布包みを、そっと、押さえた。これで、ヴェルナの言っていた、薬の支度に、また一つ、近づいたはずだ。残るは、ただ一つ。
ヨーヘイ:(……あとは、世界樹の露だけだ)
遠い、森の国に、あるという、最後の一片。
ルカが、立ち上がって、上を、見上げた。
ずっと、頭上に、地上へと続く、縦穴が、伸びている。その、はるか先の、ちいさな、ちいさな出口に、白い光が、にじんでいた。地下の闇に慣れた目には、まぶしいほどの、外の光だった。
ルカが、その光を、しばらく、見ていた。
ルカ:「……早よ、行こ」
ヨーヘイは、頷いた。だが、出口の白い光を見上げる胸の奥に、冷たいものが、ひとつ、残っていた。
この縦穴を、登りきれば、また、地上だ。岩が断ち切ってくれていた、あの気配が、まだ、待っている場所へ、戻ることになる。
ヨーヘイ内心:(……まだ、終わっちゃ、いない)
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【第80話 リザルト&ステータス】
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▼ ヨーヘイのステータス(本話終了時点)
Lv:31(条件を突いての撃破・力押しではないため据え置き) HP:504/504 MP:244/244
スキル熟練度(本話で動いたものだけ記載):
・解体:16 → 17(初めて捌く大型の熊系・血抜きと脂の処理を徹底した本格解体)
・料理:98 → 99(熊系の脂を活かした炙り・新しい食材の一皿)
・瞬歩:26 → 27(闇の中、死角への回り込み)
・二刀流:34 → 35(延髄への一撃)
▼ 本話の収支
・収入:なし(深層ダンジョン・野営につき屋台売上なし)
・支出:なし(野営につき宿代なし)
・本話終了時手持ち:15,821枚(銅貨)
▼ 収納アイテム(前話からの変動分のみ)
・大型の熊系の魔石(D)・厚い毛皮を新たに確保(換金/活用待ち)
・解析が「要る・貴重」と告げた小さな黒い臓器を一つ確保(用途は不明・布に包んで保持)
・肩の脂の乗った肉の一部を一皿に使用(残りの各部位は保持)
・昨日の蛙の後ろ脚一本を囮に使用
・大型両生類の魔石(E)・厚い皮・ツノヒツジの各部位・羊毛・C魔石・装甲・各換金待ちの品は継続保持。レア鉱石はドンネ預かり
▼ 本話の出来事
・深層ダンジョンの最奥手前。解析が捉えた「目的の魔物」は、条件を満たさないと出てこない。一行は燐光の鉱脈を頼りに、暗い空洞を奥へ進む
・地下に潜ると、地上で再びたどれていた追っ手の気配は途切れる
・最奥手前で解析が条件の像を結ぶ。目的の魔物は盲目で、目の代わりに匂いと空気の揺れで狩る。出てくるのは「闇・新しい肉の匂い・静けさ」の三つが揃ったときだけ
・ヨーヘイは料理人の頭で逆転させる。「匂いで来るなら、匂いで呼べばいい」。昨日の蛙の脚を囮に、最奥の闇で火を絞って肉を焼き、皆が息を殺す=三条件を自ら揃えて誘き出す
・盲目の巨体が囮へ。姿の見えない闇の中、フィンの鼻と唸りが位置を伝え、ヨーヘイの目になる。囮へ食らいついた一瞬を解析が読むが、獣が人の匂いを嗅ぎ分けて反転
・生死の際、ルカの耳が頭の中の短い声を拾う(発生源は不明のまま)。リリアが聖光で獣の嗅覚追跡を一拍散らし、ルカが槍で頭を縫い止め、ヨーヘイが《瞬歩》で死角へ回り《二刀流》で延髄を断つ=撃破
・撃破後、本格的な解体。血を抜き、臭みの強い表面の脂と筋を外し、内側の澄んだ脂だけを残す。熊系の獣肉が、脂の甘い一皿に変わる。引いていたルカとリリアの顔が変わる
・解体の途中、解析が肝の奥の小さな黒い臓器を「要る・貴重」と指す。ヨーヘイは用途も分からぬまま、潰さず取って布に包む
・末尾:解析「目当てのものは、確保しました」→ヨーヘイ(あとは、世界樹の露だけだ)→ルカが地上への縦穴の光を見上げ「早よ、行こ」→だがヨーヘイの胸に冷たいものが残る=岩が断っていた追っ手の気配が、地上に戻れば再び待っている→(まだ、終わっちゃ、いない)=不穏で切る
▼ ヨーヘイの考察
解析さん、記録します。
地下の、いちばん奥で、でかいやつを、倒しました。目のない、熊みたいな獣でした。闇と、肉の匂いと、静けさが揃わないと、出てこない。用心深いやつでした。
正面からじゃ、あの図体は、崩せなかった。だから、匂いで、呼びました。腹を空かせたやつに、いつも出してる一皿の、匂いで。化け物を呼ぶのに、料理を使う日が来るとは、思いませんでした。
目が見えない相手と、こっちも見えない闇で、やり合うのは、こわかった。フィンの鼻と、唸りだけが、頼りでした。あいつがいなけりゃ、勝てなかった。リリアの光と、ルカの槍も。みんなで、一瞬の隙を、こじ開けた感じです。
倒したやつは、ちゃんと、捌けば、うまい。血を抜いて、臭い脂を落とせば、内側の脂は、甘い。ルカもリリアも、最初は引いてましたが、食ったら、顔が変わりました。……どこへ行っても、おれのやることは、同じです。
解析さんが「要る」と言った、黒いのも、取りました。何に使うのかは、わかりません。でも、あなたが言うなら、要るんでしょう。ヴェルナさんに、見せてみます。
これで、あとは、世界樹の露だけ、だそうです。遠い森の国に、あると。ルカが、上の光を、ずっと見てました。……行きます。記録、お願いします。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
感想・評価・ブックマーク、どれでも嬉しいです。
星ひとつでも、ヨーヘイの飯がうまくなります。
また次話でお会いしましょう。




