逃した獲物は…? 考え様によっては凄く黒い
「さて、もうこれで無理なら諦めるしかない状態にしてきましたが…多分大丈夫でしょう、使うルアーもさっきと同じメタルジグで、後はもう祈るだけですね」
「釣りの場合何に祈ればいいんだろうね」
「んー…実際の所何に祈るのが正しいんでしょうね?良く分かりません」
恵里香さんは先程と同じメタルジグを選択したので私はちょっとだけ変更、メタルブルーからゴールド、重さも30から20グラムに、底まで沈めなくてもある程度深くなると向こうから上がってきて食いに来ることが分かったので多少軽くても大丈夫。
ただ食いつくと直ぐに底まで潜るので、出来るだけ上がってくるぎりぎりの深さを攻めるためにちょっと軽めに、多分意味無いだろうけどね。
「今度はもう強引に巻けるだけ巻いて浮き上がらせてみましょうかね、それでリーダーが切れたら慎重に行く感じで」
「こっちは250に200だから切れるとしたらもう相当だね、表層と中層にいるのは間違いなく一気に引き抜けるけど」
「暴れられる前に一気に引き上げる青物、そんな感じでやってみましょう」
道具を変更してから1時間ほど経過するも、底に着く前に表層と中層で食いつかれて底に居る魚まで未だ届かず、やっぱり重めのジグの方が良いかなぁこれは…
恵里香さんも底までは届かず、表層や中層で掛かる魚を一気に引き抜いては直ぐに針を外してリリースを繰り返しているし…場所を変えた方が良いかな?
道具を一旦片付けて場所移動開始、出来るだけ表層や中層に魚の姿が見えない所を探し、ついでに現在地も確認、桟橋のある浜辺から大体…1キロ位か…水深も約100メーターで…水深はもうこれ以上深くならないっぽい…かな?
今いる場所の周辺は表層と中層に魚の姿はほぼ無く、多分底の方に居ついているような気がするのでここで再開、まだわからないけど、多分居るんじゃないかなぁ…?
「結構深いですねぇ…ここから引きずり出すとなると結構大変そうです」
「レイクトラウトなら水深60メーターとか有る所に居る事もあるし、そんな物じゃない?」
「あっちはまだ普通の魚、こっちは見た目はレインボーやブラウンっぽくても完全に別物、絶対トラウトの皮を被った何かですよ、一応スピニングの方は300メーターは巻いてますが、そっち足ります?」
「マーメイディアだから130メーターあるけどぎりぎり、30メーターくらいしか余裕がないからもうリーダーがぎりぎり切れない位までドラグを最初から締めてる、それでも持って行かれるようならドラグを締めてリーダーを切る方向かな?」
「ドラグを思いっきり締めててもマグロが走ったくらいじゃ切れない位強いんですけど、どうなんでしょうね?先程の感じだと150lbでもういけそうな気がしないでもないですけど」
「うちの屋敷にある湖と同じだとすると、中心部に行けばいくほど強く大きくなっていくからねぇ…ここはまだ中心部ではないけど、最悪ボートが引きずられるのは覚悟した方が良いかも?」
「ハプニング映像なんて物じゃ済まない物が撮れそうですね…しっかり踏ん張れるように足場を作っておかないと…」
まだ同じかどうかは分からないけど、しっかり踏ん張れるよう、持って行かれないように足場をしっかりと作り、それから何度目かになる挑戦を開始、ただ深いので投げずに足元に落とすだけのジギング。
しかし…糸足りるかなぁ…
「これどうあがいても無理ですわ、はい、ではおつかれっしたぁ!」
「こっちも無理だね」
深い所に居る物ほど泳ぐ力が強く、かなり重いので250lbでも引きずり出せず糸は出て行く一方、元々余裕がほぼ無いので早々にドラグを締めてリーダーから切断、こっちで無理な物を更に弱い糸で上げれるわけも無く、恵里香さんもドラグを思いっきり締めてリーダーから切って諦め。
この感じからするとあれだね…
「これもう浜辺とかその辺りにいるのは稚魚だよ、稚魚の時点で雄雌の色がはっきり分かれているのは珍しいけど、それなら白子も卵巣も無いのは納得できる」
「うへぇ…それだと白子や卵を食べる場合はこの底に居る奴を引きずり出さないと駄目って事ですか…
竿とリールは早々に諦めたのでガタは来ていませんけど、無理に続けようとしていたら多分マーメイディアとはいえ折れていただろうし、リールもぶっ壊れていたでしょうね…100キロ超えてるマグロでも平気なのに…
一応切れたラインと一緒に映像を送っておきましょうかね、世の中にはこれでも無理なとんでもないのが潜んでいるってことで、そもそも星が違いますけど」
「結び目じゃなくてリーダーが伸びきって中心から切れてるのね、私は結び目から切れるようにして置いたけど」
「完全結びって言われている強いやつですね、それの強度を更に上げた結び目からじゃな、伸びきったリーダーの中心から切れる奴です、通常の完全結びですと98%前後、こっちは100%をちょっと超えるラインの限界を引き出せる奴です。
リーダーの再利用したいなら強度の弱い結び方の方が良いですね、こっちはもうリーダーが駄目になりますので、そもそも釣り上げる気満々だったのでこれにしたんですけどね…まあテストとしてはいい結果が出たんじゃないですか?これでも糸が完全に伸びきって切られる、というのが分かりましたし。
ドラグを緩めたら緩めたで300メーター全部持って行かれてアウトでしたしね…」
「取り敢えず戻ろうか、それで帰りに70センチくらいの奴を夕食用に釣って持って帰ろう」
「そうですね、底に居る奴をまともに釣り上げようとしたら、テストPEラインの10号、ラインキャパも1000メートルは欲しいですね、多分これなら時間はかかりますが間違いなく底から引きずり出せると思います、後船は…まだ一度も使ってないクルーザーですね、それにファイティングチェアを取り付ければ何とか…?」
「10号あったっけ?」
「無いですねぇ、今使っている道具だと水深20メーターに潜んでいるのが何とかってくらいな気がします、それでもまだ…」
「ぎりぎり成魚って所じゃない?表層中層に稚魚とか幼魚が集まってて釣り難いけど」
「難しい所ですねぇ…」
帰る途中に浜辺から大体200メーター地点で幼魚を釣り、2匹ほどお持ち帰り、まだ推定だけどそれでも70センチは軽く超えていて重さも10キロ前後、見た目太っているわけでもないんだけどねぇ…
まあ食べるだけなら浜辺から釣れる分だけでも十分だし、暫くは稚魚とか幼魚でいいや。
「それでクルーザーの改造をしてるんですか」
「ファイティングチェアの取り付け位だけどね、いつぞやに作ったやつだけど、こういう時に使う方が良いかなーって」
「そんなのありましたねぇ…しかし釣り上げれるような道具が無いのでは?」
「ないねぇ…撮影しないならウルカンが作ったのを使えばいいけど、撮影有りだから現状はどうにもならないね、昨日撮影した無編集のデータをテストラインを作った所とか、マキシマとかワールドに今ルシフが持って行ってるから、ひょっとしたらトローリング用の道具が届く…?」
「バックトローリングではなく割と本気のトローリングですか…」
「水面を引くようなやつじゃなくて、レイクトラウトを釣る様な感じの奴だけどね、でも姿は一度も見てないから大きさは分からないんだよねぇ…
ただやたらと重くて泳ぐ力がとてつもなく強いと言う事しかわかってない、そもそも食いついて来てるのが30グラムとかのメタルジグだからね、小魚を主食にしているからかもしれないけど」
「まあ、挑戦するのは恵里香さんが釣ってからにして置きます、今の所は浜辺から釣れるのでもかなり手ごたえが有るので」
「はいはい、行きたくなったら自由にボートに乗っていっていいからねー、でも100メーターくらい先に言った時点でもうPEを使った方が良いかも?」
「普通のトラウトならPEは必要ないんですけどね…」
船の改造も終わったので、ルシフの帰りを待ちつつ釣り道具の整備と針の追加、ほぼ一瞬とは言えかなり竿をリールに負荷がかかっていたので隅々まで確認、リールはスピニングとベイト共に問題なし、竿も大丈夫…だね、内部に亀裂が入っている感じも無し。
針は石鯛用の17号で丁度良さそうだったので10本ほど返しを削って追加は終わり、メタルジグの追加はどうしようかな…今どれくらい残ってたっけ…
どれだけ残っていたか確かめるためにボックスを開けて確認、20が4に30が1…うーん…30を追加しておかないと駄目だねぇこれは…
メタルジグ用の材料を取り出し適当に小分け、材料は鉄とタングステンの2種類を用意、それと糸を結んだり針をつけたりするアイを作るための硬質ステンレス線も用意。
まずは作るメタルジグの長さに合わせたアイを作成、30グラムの物がまだ1個残っているのでそれを参考に、次に鉄を粘土のように捏ねてメタルジグの形作り、出来上がったらタングステンの物も同じ様に。
大雑把な形が出来たら次は水の抵抗を考えた細かい調整、巻いた時に浮きやすいか浮きにくいか、頭から沈むかお尻から沈むかの調整、調整が終われば次はピカピカに磨き上げてクリアカラーで一度塗装、ホログラムシートを張るほうが手間が掛からなくていいけど、単色にするのでシートは無し、それに磨き上げたメタルジグはホログラムシートが必要ない位には輝いている、クリアカラーで防水加工するだけでも十分な気がしないでもない…
ロストしたメタルブルーにレッド、イエロー、グリーンを追加してロスト分の補充は完了、恵里香さん曰く5つ揃っていてこその釣れるんジャーらしい、色と個数から休日にある戦隊物風の名前にしてみたとかなんとか…餌木ほどではないけどたまにロストするので割と欠員が出るのが泣き所とも言っていたけど。
レッドはリーダーで特別な存在だからタングステンとも言っていたようなそうでないような…まあどっちでも良いや、最後に独特な形をした目をつけたら完成、後はもう道具が届くのを待つだけ…かな?
「これが次の世代ですか、前のと違って…ちょっと浮きやすい?」
「ある程度の水深を保って引くとなると結構速く巻かないと駄目だから、そこそこゆっくり巻いても保ってくれるようにね」
「結構速めに巻いても食いついてくるには食いついて来てましたけど、船で引くとなると多少ゆっくりくらいの方が良いと言えばいいですね」
「30グラムのメタルジグでトローリングとか珍しいよね」
「やったとしてもテクトロでしょうね、ジグはほぼ垂直になりますけど」
「クルーザーの方の改造は終わったから、後はルシフ待ちだね」
「それじゃあ待っている間に編集でもしましょうかね」
「私は昨日香草に付けておいた物をスモークして来ようかな、そろそろ丁度いい位の香りになっているはず」
「香りが濃すぎてもスモークの良さが消えますし、薄すぎても微妙ですからね」
「出来上がったら後でこっちに持ってくるねー」
「レモンとかチーズを添えてお願いします」
「チーズは無いなぁ…」
軽く香草に付けておいたトラウトを冷蔵庫から取り出し、香草を丁寧に取り除いたら燻製機の中に入れ、チップはリンゴとサクラのブレンドで、後は蓋を閉じでスイッチを入れるだけで簡単スモーク、煙も出ないから室内で使えるのが便利よねぇ…鍛冶組から買っておいてよかった。
出来上がるのを待つ間に畑でレモンを3つほど収穫、ついでに玉ねぎを1玉収穫、アボカドも無くはないけど…今回は見送りで、青臭さが全くないから何にでも合うと言えば合うんだけどねぇ、今回はレモンと玉ねぎで。
台所に戻り、レモンを軽く洗って薄くスライス、外の皮まで美味しく抱長けるように改良してあるのでこのまま、玉ねぎも薄くスライスしたら軽く水にさらすだけ、トラウトのスモークが完成次第、トラウトも薄く切って盛り付ければ完成、んー…時間はかかるけど簡単でよきかな…
玉ねぎを水にさらしている間にスモークが終わったのでトラウトを薄く切り、レモンと交互にお皿に並べ、水にさらしておいた玉ねぎを真ん中に盛り付け、仕上げに粗挽き胡椒と塩を添えて出来上がり、無くても十分美味しいけどもう少し強い香りやピリッとした刺激、塩味が欲しい時に少しかける感じで。
出来上がったばかりのスモークトラウトを湖上のロッジに運び込み皆で試食、ルシフはまだ帰ってきてないので小皿に取り分けて収納、サーモンより味が濃かったので香りのみで下味はつけてないけど、どんな感じかねぇ?
釣れるんジャー
メタリックなレッド、ブルー、イエロー、グリーン、ピンクカラーで5種類ある、装着している目は戦隊物によくある独特な形をした黒いアイマスク風、メタルジグの宿命なのか、欠員は大体皆水の底に沈んでいる
でも後日ちゃんと回収しているのでガレージにレッド1代目とかブルー5代目とか番号を振って飾ってある、使わず飾ってあるのは一度退場して次代の隊員が加入したからか…?ロスト率ナンバーワンは何時も先陣を切るリーダーのレッド
スモークトラウト
サーモンがトラウトに置き換わっただけ
スモークチップはブレンドして使うも良し、ブレンドせず単体でシンプルにするも良し




