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多分、おそらくおやつ 諦めも大事

「ボートで沖の方に行ってくるねー」

「あー、私も行きます、ちょっと急いで準備をするので待っててください」

 今日は沖の方で他の魚がいないか、卵を持っている雌のトラウトがいないかを探すついでにのんびりと釣りをする予定だったが、恵里香さんもついてくるという事で直ぐには出発せず、ボートの上で食べる予定だったおやつの追加、フルーツサンドはおやつじゃないと言う人も居るかもしれないけど…パンが3に対して生クリームと果物が7だから多分おやつ…のはず。

 ラップでくるんで収納したらおやつの追加は完了、後は恵里香さんの準備が終わるのを待つだけ、道具を取りに行くだけにしては時間がかかっているような気もするけど、何を準備してるんだろうか…?


「お待たせしました、さぁ、さっさとボートに乗って沖まで行ってしまいましょう」

「結構時間がかかってたみたいだけど何か有った?」

「有ったというか見つからなかっただけですね、受け取った荷物を雑に放り込んでいたのでライフジャケットがなかなか見つからなくて、浜から釣ったりする程度なら別に無くても良いんですけどね」

「なるほど、取り敢えず行こうか、沖に出るとは言っても大体100メーター刻みで水深とか、釣れる魚が変わるかどうか確かめながらで」

「はいはい、撮影準備もバッチリできてますので適当に撮影しながらやりましょー」

「撮影するための機材もこっちに持ってきてたのね」

「秘境の変わった魚程度で通じるので大丈夫ですって、浜から釣れるのは色が違うだけで見た目でトラウトというのは分かりますし、環境が違うからこうなっただけって言えば…多分騙せる?」

「んー…いいのかなぁ…?」

「止められてはいないので良いんじゃないですか?多分色が違ったりする程度な気がします」

「まあ釣って見ない事には何ともだね、それじゃ行こうか」

 道具の積み込みも終わり、ライフジャケットを着用した所で出発、まずは大体浜辺から100メーターくらい離れた何もない所から、魚探は積んでいないのでまずは適当に水深から確認しないとね。


「浜辺の有る所は遠浅で20メーターくらい進んでも水深1メーターくらいで、そこか緩やかに水深が深くなっていく感じでしたが、大体100メーター離れても水深3メーターくらいで結構浅い方ですね、見た限りでは泳いでる魚も浜辺から釣れるのと変わらないみたいですし」

「まあ、一応釣るだけ釣ってみようか、出来れば地味な雌を中心に、卵を抱えているかどうか確認したいし」

「浜から釣ったのは1匹も卵を抱えてませんでしたからねぇ…雄も白子がありませんでしたし、食事の幅を広げる意味でも白子や卵は欲しい所ですね」

 浜辺から釣れる物と少し離れただけの所で何か違いはないか確かめるための釣りを開始、浜から釣れるトラウトと同じくスプーンが目の前を通るだけで食いついてくるので釣るのは簡単、何だけども…

「これライトタックルだとちょっと辛いかも…覗き込んでみた限り大きさは変わらないっぽいけど、6lbだとドラグ締めたら多分直ぐ切られる、浜にいるのよりかなり力が強い」

「んーむ…浜と何が違うんだろうね…?」

 こちらも糸を切られそうなのでドラグを締めるに締めれない、時間をかければそのうち上がってくるだろうけど、気分的にはトラウトを釣りに来たら青物が掛かったような感じ…これを釣り上げたら一旦道具を取りに戻った方が良いな…


「努力の甲斐も無く、糸を切られてしまいましたね…結び目から切れるようにしてあるのでほぼ影響はないでしょうけど…そっちは良く釣り上げられましたね」

「まあ、何とか?でも4lbで釣る様な物じゃないのは確かだね、後触ってみた感じ身がちょっと硬い、かなり締まっている感じ、大きさは60位だけど7キロあるよこいつ」

「お腹がぼっこり出ているわけでもなく、シュッとしていてカッコいい位なんですけどねぇ…どういう構造をしてるんでしょうか…」

「取り敢えずこいつはお持ち帰りして捌いてみないとね、後トラウト用のライトタックルじゃなくて、最低でも糸は20lbで竿はMHは必要だね…ドラグがほぼフリーに近い状態だったから針は伸びてないけど、無理に寄せると間違いなく伸びるだろうから針も頑丈なのにしないと駄目だね」

「なんにせよ一旦戻らないと駄目ですね、ナイロンよりPEの3号とか5号を巻いてきた方が良いような気がします」


 釣り上げたトラウトは生け簀に放り込んでロッジまで帰り、道具を積み替える前に台所で絞めて血抜き等の処理を済ませたら三枚下し、しかしなんというか…凄いしっかりした身だなぁ…結構ずっしりくるというか、密度が凄いと言うか…厚切りにすると恵里香さんが噛み切れないかもしれないので薄く切って味見。

「ん、んー…浜から釣ったトラウトより味が濃い?後思ったより硬くはないですね」

「そのままスモークにするだけでも美味しいだろうねぇこれ、厚切りもコリコリしてて中々、ずっしりくるから厚切りはフグみたいにゴムっぽくなると思ったらそうでもなかった」

「釣ったばかりのブリとかカンパチとかその辺りの食感と変わりませんね」

「まあ、こいつも白子を抱えてなかったんだけどね…この感じだと雌も抱えてい無さそう」

「取り敢えず全部お刺身にしたら冷蔵庫に入れて、道具を積み替えてもう一度ですね」

「だねぇ、それとスプーンに付けてる針も付け替えないとね、今のままだと間違いなく折れるか曲がる」

「既製品の辛い所ですよねぇ…どうしても強度に限界が…手作りの切れない折れない曲がらないは楽でいいと言えばいいんですけどね、動画の撮影にはちょっと使えませんからね、撮影していないのであれば普通に使いますけどね、釣果がその日の食事に直結しますし」

「じゃあ何で撮影してるのさ…」

「これもお仕事みたいなものですからねぇ、1円も入って来ませんけど仕事と言えば仕事です」

「それはただの道楽というのでは…」


「それじゃまた出かけてくるねー、冷蔵庫にトラウトのお刺身を入れておいたから、お昼までに帰ってこなかったら勝手に食べちゃってねー?」

「よっし、スピニングはPE3号、ベイトは5号を巻いて竿もMからXXHまで揃えて、スプーンも針を従来のマス針ではなく、返しを削った石鯛用の17号に変えておきました、これで針が伸ばされる事は無いはずです」

「バランスが崩れそうな気もするけど…大丈夫かな?」

「そこまで重い針ではないので大丈夫でしょう、さ、行きますよー」

 道具の積み替えが終わった所で再び出発、今度は200メーターくらい進んだ場所から…かな?


「水深約5メーター、沈んでいる岩もはっきり見えるくらい澄んでいますし、まだあまり変わらないような気もしますね」

「じゃあここは飛ばして一気に500メーターくらい先まで移動で」

 目に見える範囲では大きさも特に変わらず、泳いでいる魚も変わらなかったので一気に移動、何か目に見える変化が欲しい所だけど、どうだろうねぇ…

 浜から大体500メーターくらい進んだ地点で三度調査開始、今度の水深は…一気に深くなって25メーターくらい、底の方は薄暗くてよく見えないけど何かがいるのは確か、比較的浅い所にいるのは先程釣ったのと多分変わらない、狙うなら底…かな?

「さて、どれにしようか…」

「軽いと落としている途中に食われて底まで着きませんからねぇ、スプーンは何グラムまで有りましたっけ?」

「5グラムまでだね、基本的には3グラムが多め、それ以上は用意してないなぁ…ちょこちょこ行ってる管理釣り場だと3グラムが上限だし」

「んー…メタルジグが有りますので、針をメタルジグに付け替えてやってみます?」

「ジグは何グラム?」

「30ですね、トラウトをジギングで釣る!でいいんじゃないですかね、反応が良すぎてスプーンだと確実に底に着く前に食われますよ」

「だね、そっちのメタルブルーの頂戴」

「はいどうぞ、針は自分で付け替えてくださいねー」

 色はシンプルにメタルブルーの単色を選択、針はトレブルを外して石鯛用の17号に付け替え、アシストフックは…要らないか、後はリーダーに結んで準備完了、足元に落とすだけにするか投げるか…投げた方が良いか、足元は落としてる間に食いつかれて底まで着きそうにないや、投げても大して変わらない気がしないでもないけど、この辺りはもう気分だね。


「いやー、これは中々やべぇですね、さっきの所と比べ物にならない位走るわ力が強いわ、ナイロンだったらもう切れてますよこれ、PE3号でも結構危ない感じがしてますけど…」

「リーダーの方は持ちそう?」

「40lbにしてますのでまだ何とか、でもドラグをこれ以上締めたら多分アウトですね、リーダーにしている糸が伸びきって切れます、取り込む時はもう強引にギリギリを攻めますので、リーダーはどの道もう交換しないと駄目ですね」

「適当にお茶を入れながら待ってるから頑張って」

 掛かってから30分ほど経つも未だに浮き上がってこず、スプールの中もほぼ空に近い状態まで走られているので、このままだと間違いなく糸を全部持って行かれて終了、まあ、掛っている魚を追って船を走らせればその分巻き取れるから無くなる事は無いと思うけど…

「フルーツサンド食べたーい、でも魚が泳ぐのを止めなーい…もういいや、糸が全部持って行かれる前にドラグを締めてリーダーから切っちゃおう…多分船で追いかけても尋常じゃない位のスタミナが有りますから、絶対に上がってこないですねこれ…」

「そう…まあ仕方ないね」

「悔しいですけどどうしようもないですからね、さらばメタルジグ、今度は適性を見極めて使うから許しておくれ…」

 ドラグを締めるとリーダーに使用しているナイロンラインが限界を迎えたのか一瞬で切れ、30分少々にわたる戦いは終了、ほぼすっからかんになっている糸を巻き取って回収し、暫しの休憩。

「あー、フルーツサンドとお茶が美味しい…それにしても底に岩なんかは沈んでいても、木が沈んでなくて潜り込まれたりしない分粘ったのが駄目でしたね…一応何だかんだで20キロのヒラマサとか余裕行けるんですけどねこれ…」

「PE5号とXXHだといけそう?」

「どうでしょうね…リーダーなしだとPEが引きちぎられていたと思いますし、5号でも…うーん…リーダーに60lbを使用していますが駄目そうな気がしますね…」

「もう一回道具を変えに戻る?」

「そうですね、手を休めたらまた戻って、まだ市販されていない一番強いPEに変えてきましょうか…あれなら3号でも150lb有りますし、10000番スプールにたっぷり巻けば多分何とか…リーダーも試作中のナイロン10号で行きましょう、あれも100lbまで行けたはずです」

「そんなのあったっけ?」

「旅行に行っている間に送られてきたテスト品ですよ、PEは1号で50、2で100と50刻みで分かり易く、ナイロンも1号で10lbと、今のPEの半分くらいの強度まで上げてきてます、滅茶苦茶伸びるのでかなり切れにくいです、伸びきった時が悲惨ですが。

まあ細い割に頑丈すぎるので、普通の竿とかリールで使うと大きい物が掛かった場合そっちがぶっ壊れます、以前送られてきた試作品の改良版みたいなものですね」

「そう言えば以前も何か有ったねぇ…既存の物より強くしたPEが…」

「あれも結局一般販売はしませんでしたけどね、コストがかかりすぎるって事で主にマグロとかカジキを延縄なんかで狙う漁師の人に一時卸されたくらいです。

今回のはコストカットに成功しつつ強度が更に上がった感じですね、たしかガレージに置いていたと思うのでルシフさんに取ってきて貰いましょう」

「ふむ、それじゃもう一回帰ろうか」


 何も釣れず坊主で帰還した後、ルシフにガレージにあるというPEとナイロンのテストラインを持ってきて貰い、糸はまだ新品同様なので空のスプールと入れ替え、新しいスプールにテストラインを限界近くまで巻き、竿はスピニングもXXHに変更。

 スピニングは150lbに100lbのリーダー、ベイトは250lbに200lbのリーダー、今度こそきっと釣れる…はず?マグロでも余裕で釣り上げる事が可能な強度があるし、きっと大丈夫…きっと…

「よくよく考えると100キロあるマグロもぶっこ抜ける糸を使って何を釣ろうとしてるんでしょうね…」

「推定同種のトラウト?ひょっとしたらうちの屋敷で釣れるトラウトより凄いのがいるかも」

「なら適正…なんでしょうかねぇ?いや、あれより凄いとか、下手したら500キロ超えてるのがいるじゃないですか」

「まだわからないけどね、さて、それじゃあ3度目行って見ましょうかね」

「流石に屋敷にいるようなやばいのが釣れたら全カットですね…せめてキングサーモンくらいのサイズであることを願います…」

フルーツサンド

スポンジケーキで挟めば普通にフルールケーキ、食パンで挟めばフルールサンド

果たして食事に入るのかおやつに入るのか…多分人次第

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