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『詩忍にくちなし』~文字で戦う世界のお嬢様と勇者執事~  作者: ふるなゆ☆


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55.太陽支配・黒点衝撃──プロミネンス・ブラックネス──

「見習い共。お前らは下がってろ。手は出すなよ。」


 私達は彼の言葉に押され、その場から少し離れた。



 竜牙兵(りゅうがへい)の骨の腕が振り下ろされる。ダイセナの攻撃で均衡状態となった。二人の強さはほぼ互角。いや、ダイセナの方が若干押されてるような感じだ。


「うざってぇんだよっ!」


 見事なアクロバットで攻撃を与えて、骨に亀裂(きれつ)を作る。……も倒しきれない。

 そこに骸骨騎士が横入りする。


「ちっ。くそっ。数が多すぎる。アルマジロ、てめぇ、ちゃんとタンクしろよ。」


「そんな事、言われたって数が多すぎて耐えるので精一杯ですよ。」


 四体の骸骨騎士の攻撃を受けているアルマジロはその場から動けそうにもない。


「こればかりは仕方ねぇだろ。倒しても復活するんだしな。」


 ダイセナが破壊する二体の骸骨騎士。

 そこに竜牙兵が不思議な波動を送ると、瞬く間に骸骨騎士が復活した。


「骸骨騎士を倒したところで意味はねぇ。あの竜牙兵を倒しきらんことにはなぁ。」


 ピューリの元へと骸骨騎士がゾロゾロと進行する。銃で応戦するも倒しきれずに進行を抑えきれない。


 ついに、骸骨騎士に(おそ)われ、地面に()いつくばった。


 このままじゃ彼が死んでしまう。


「行かなきゃ――!」



「待てよ、見習い共。お前らが来ると、見習い任されてんのに、頼りにしなきゃいけねぇなんて、うちらがみっともなくなるだろうがっ。そこまで落ちぶれてたまるかよっ!」


 銃声――。


 骸骨騎士が吹き飛ばされる。

 何とか立ち上がるピューリ。


「おい、骸骨共。お前らタイマン最強の人間って知ってるか? 俺はなぁ、タイマン最強の弟子(・・)なんだよ。師匠に恥はかかせられねぇんでなぁ。死んでくれっ!」


 ダ、ダンッ!


 放たれる銃弾。それが骸骨を吹き飛ばす。


「けど、さっきは効かなかったのに、どうして威力が出るようになったの?」


「同時撃ちをやめて、時差撃ちにしてるっぽいよ。一つ目の銃弾が当たった所に二つ目の銃弾が追い討ちをかけてるんだよ。ほら、骨で止まった銃弾に二つ目の銃弾が当たって火花が見えてる。」


 正直、火花が出てるかどうか全く分からなかった。


「マユダ、よく分かったね。」


「当然っ!」



 しかし、形勢逆転にはならず、ただその場(しの)ぎをしているだけ。


「ベルル。出し惜しみなく頼む!」


「ようやく私の出番だねっ! 必ず当てるから応援してねっ!」


 少し笑って矢を取り出す。そして、弓にかけて、

【ベノム――!】

 矢は毒を()びた。


「じゃあねっ――。」



 ヒュンッ!


 

 グサッ。



 毒矢はダイセナの体を貫いた。

 動きを止めた彼女に襲いかかる骸骨騎士。何とか致命的攻撃は防ぎ応戦するものの、相当な劣等的立ち位置に立たされる。


「おまっ。何をしてるんだっ! ベルルっ!」


「えへっ。けど、毒矢を受けてまだ戦えるなんて……射手座のケイローンもビックリだよ!」


【ベノム】


 弓矢がピューリを狙う。


「君も死のっか!」



【アイアン!】甲羅の鋼鉄化。



 ピューリの近くの穴から飛び出てきたアルマジロが自慢の甲羅で毒矢から彼を守った。


「流石に意味が分からないよ。俺だって、パーティーに不満はあったよ。けど、仲間を殺す理由にはならないだろっ!」


「私はパーティーに不満はなかったけど?」


「は? じゃ、なんで?」


「そりゃあ、アンチギルドのスパイだからに決まってるじゃん。」



 その言葉に絶望が走る――。


 

 ピューリは骸骨騎士の攻撃を()き分けて、ダイセナの元へと駆け寄り、彼女を連れて戻る。


「見習い共っ! 撤退だっ!」


 その言葉を受けて、マユダは一足先にさっと帰りの道へと進んでいく。どこか楽しそうな雰囲気。絶対にそんな状況じゃない。



【ベノム――!】



 ベルルがマユダを狙っていた。

「誰も生かして帰す訳ないじゃんっ。」

 

 毒矢が放たれた。「マユダっ!」


 

(まさかり)――!】


 

 突然、現れる大きな斧が矢を防いだ。


「ふーん。じゃあ、逆に死んで!」


 斧を投げつけるマユダ。

 避けるベルル。その間に彼女の近くへと移動していた。

 

 投げた斧は消えて、再び斧はマユダの手にある。


 ザンッ――!


 ベルルは胴体泣き別れとなる。

「強……すぎっ」と最後の言葉。

 光の粉となって消えていく。



「こうなったからには、僕達も討伐に乗り込むしかないよねっ。」


 骸骨騎士に阻まれて逃げきれない彼ら。私達もようやく参戦を決めた。


「ごめんなさいっ。私達も参戦しますっ!」



【マリオネット!】


 大量の人形が現れた。それらが骸骨騎士を止める。しかし、見るからに人形は骸骨騎士の劣化版に思えてくる。


「お母さんっ。お兄ちゃんっ。この技は強くない人間にしか効果が出ないんだ。だって攻撃方法が弱い骨を折るしかないもん。だから、すぐに人形は使い物にならなくなると思う。その時は任せていい……?」



【自分自身】ひとまず変身する。

【重火器】【重力】重火器を召喚し振り回せる状態にした。


「もちろんっ。」


 マユダの言う通り、人形はすぐに突破された。


 おりゃっ!


 

 薙ぎ払う!



 骸骨騎士を気合いで追い払う。とりあえず、ダイセナを運ぶピューリ達を助けるルートを作りたい!


 うらぁぁぁぁ!


 何とか対応していく。攻撃が遅くて耐久力は低めの骸骨騎士と私の戦い方が相性抜群だ。


「ねぇ、みんな必殺技を放つから。骸骨騎士を止めといて。後、僕の後ろには絶対に来ないでね!」


 マユダは持っている斧の先を竜牙兵へと向けた。



【マグマ!】


 マユダの背後からマグマが現れては溢れていく。


【まとまれ!】【丸まれ!】


 マグマは空中へとプカプカ浮かび上がってはゆっくりとまとまっていく。そして、形が丸くなっていく。



「なるほどな。高威力のマグマを圧縮し塊にしてるのか。けど、塊にする技は系統(けいとう)が違うから発動がすこぶる遅いって訳だな。」

 ピューリは感心しながらもこちらへと近づいていた。


 ある程度、骸骨騎士は倒せた。


 後は、必殺技が放たれるのを待つだけ。



 マユダの頭上に現れる巨大なるマグマの塊――まるでそれは太陽にさえ見える。そこに向かって斧を高く構えていた。


「じゃあ、行くよっ!」


 斧が振り下ろされる。それに合わせたその塊もゆっくりと進んでいった。



 

太陽支配(プロミネンス)黒点衝撃(ブラックネス)!!」




 その赤い塊が竜牙兵に衝突した。

 赤い光を放つと共に、轟音(ごうおん)を鳴り(ひび)かせ、衝撃波を生んで強い向かい風を引き起こした。



 その威力に、震えた。

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