↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
碧い航海日誌   作者: 松本朱海|徒然なるままに
続きの話

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
81/93

81、 たかこちゃんは花粉症

たかこちゃんは花粉症。

最近ひどくなってきたらしい。


「病院に行ったの。

でね、注射を打ってくださいって頼んだんだけど、すぐには打てないんだって。

今年は薬でがんばろうねって」


薬を飲んでかなり良くなったみたいで安心してたんだけど、今日会ったら顔が真っ赤。思わず聞いた。


「何かあったの?」

「昨日から突然、目がかゆくて…」


昨日、友達とダーツをしていたら、突然こうなったらしい。

そんなことあるか?


今日は祝日で病院もやってない。

明日のバイトは休めないらしい。


「バイトの後病院行く?ギリギリ間に合うんじゃない?」

「6時までバイトなの」


行くなら何科か…。

これなら、目医者か。

18:30までやってる眼科が近くにある。


「んー、我慢できるよー。この間耳鼻科でもらった薬あるし」

「ダメ。バイト終わる頃迎えに行くから、目医者行こうね」


たかこちゃんはいつも、病院に行くとなると症状が落ち着くらしい。

精神的なものか。


そうなると我慢することになってしまって、

結果、寝込んでしまうことが何度かあった。

それはよくない。


病院は好きじゃない。

ハードル高いよな。そりゃわかる。

誰かが付いて行ってあげれば、行くでしょ、きっと。

だから一緒に行く事にした。


「お待たせ、ごめんね」

「ううん、時間ギリギリだよ。行こうか」


こんなとき、バイクがあってよかったと思う。

バイクならすぐ着く。


……おっと、ここだ。


「着いたよ」


いつもより腰につかまる手が強かった。

きっと、辛いんだろうな。


バイクを止めて、後から待合室に入ると、

ちょうど同じタイミングで

たかこちゃんが診察室から出てきた。


「え?もう終わり?早すぎでしょ」

「うん、すぐだった」


診断は「すっごい花粉症」とのことで、しばらくコンタクト禁止だそうだ。

改めて見ると、目のまわりが赤いパンダみたい。

すごくつらそう。


「薬局で目薬もらったから、今さしちゃうね」


泣いてるみたいに見える。余計につらそうだ。


「少し楽になった気がする」


…そうは見えないけどな。


「…ごはん、食べに行く?」

「今日は帰ろう。ゆっくり休んだ方がいいよ」


「……」


何か言いたそうだけど、早く休んだ方がいい。


「…じゃあ、寝る前に電話していい?」


10時30分。思ったよりも早く電話が鳴った。


「朱海さん」

「ん?」

「眠い、薬効いてきたかもー」

「早く寝なよ」

「でも電話したい」


気持ちはわかる。

…沈黙。


「寝た?」

「…起きて…る」


数秒後、小さな寝息。


おやすみ、頑張ったね。

いい夢を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。