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碧い航海日誌   作者: 松本朱海|徒然なるままに
続きの話

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45/59

45、 今はまだ、このままでいいと思うから

ちょっと大人になると、「好き」の進み方が当たり前みたいに決められている気がする。

でも、

そうじゃない形も、きっとある。

名前のつかない気持ちも、ある。

バイト中の少しだけ静かな時間。

暇な時間とはいえ、ちゃんと仕事はする。

でも、少しおしゃべりの時間は増える。


「たかこちゃん、遊びに行かない?」


こいつ…。

山本さんが、しれっと声をかけてくる。


先輩に言われた。

「憎む必要はないけど、許す必要もない」

その言葉を聞いて、迷いが消えた。


うるさいな。

行くわけないでしょ。


ウエイトレスは甘味も作る。

パフェの注文が入ると、ちょっと嬉しい。

食べるのも作るのも、好き。

ルンルンでバナナを切っていると、横に並ばれた。

暇なんだな、きっと。


「彼氏できたってホント?」


朱海さんの顔が浮かんだ。

彼氏…ではない。

告白ってやつ、してない。

朱海さんのこと、大好き。

だけど、愛してる…っていうのは、よくわからない。

でも…。


「…だったらなんですか?」

「別れちゃえよ。」


はぁ?

マジでうざいんですけど。

こいつは、はっきり言わないと!


「…つるむ男に苦労してませんから!」


彼氏がいるって、嘘ついても良かったんだろうけど、

でも、なんだか朱海さんに嘘をつくような気がして。

言えなかった。

朱海さんに知られるわけでもないのに。


以前、社員さんに誘われて、

軽ーい気持ちでドライブに行った。

大人で年上だけど、仲のいい先輩。


…って思っていたのは、私だけみたいで。

いかがわしい場所で「ちょっと寄って行かない?」って何度も言われて、

さすがに鈍感なわたしでも、身の危険を感じた。

適当にはぐらかしていたら、帰り際に「俺の事どう思ってるんだ?」って、言われてしまった。


「いいお兄ちゃん。」

そう答える事しかできなくて、浅はかな自分を深く反省した。


なんだろう。

男女は、付き合うとなるとまず、そういう所へ行くのだろうか。

でも、ごめん、付き合おうとは思ってなかった。

楽しく遊べる、友達だと思ってた。


出会って、

何回もデートして、

好きになって、

告白して、恋人になって、

それから…その先があるんじゃないのかな。

ダメなのかな、それじゃ。


初詣でばったり出会って、

何回も会って、

色んな話をして、

そして、

大好きになった。

告白…はしていないけど、

とっても大切な人。


だから、今はこのままで。

愛してる、はよくわからない。


ただ、思い出すだけで、胸があったかくなる。

幸せな気持ちになる。


…こわしたくない。

そっと、両手で包んでおきたい。


今は、まだ。

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