表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
碧い航海日誌   作者: 松本朱海|徒然なるままに
続きの話

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/37

34、 イブの約束

なんでもないはずのクリスマスイブに、ひとつだけ予定ができた。

それは特別な約束じゃない。

でも、今までで一番楽しみな予定。

理由はまだ、うまく言えないけど。

「まつもとぉ、24日か25日、シフト代わってくれないかなぁ?」


絵里さんが満面の笑顔で近づいてきた。


なにそれ、マジすか。

夏に山本さんと別れた原因の女。


まぁ、付き合ってたっていっても、1カ月かそこらですし。

絵里さんとの付き合いに比べれば、寄り道程度でしょうがっ!


今はもう、胸のチクチクもなくなり、なんなら、それで良かったのでは?

……と、思っている。

似た者同士で、お似合いです。


でも、シフトの話なら別だから!

よりによって、クリスマスかい!!

どうせ一人で過ごすんでしょ、……って言われた気がして、全力で断ることにした。

あくまで、さりげなく、自然に…


「すみません、予定があるので」


できるだけ丁寧に告げて、ホールに出て仕事をさがした。

働いてないと、話しかけられる。


やっぱり、ムカつくかも。

言われた事よりも、予定のない事が……かな。


友達はみんな、彼氏とどこに行くとか、マフラー編んでるとか。

ディナーだの、夜景だの…。


はぁ。ため息、出ちゃった。


去年まではいつも、家でケーキとチキンレッグ食べて、お風呂入って、寝る。

それが普通だったのに。


なんでだろ。

私にだけ、冷たい風がふいているみたいに、こころが寒い。


帰り際、店長にもクリスマスのシフトを頼まれた。

もちろん、全力で断った。


今日は、お風呂にゆっくりつかって、早く寝よう。

家まで自転車で5分足らずの距離なのに、今夜は、やけに遠いなあ。


ドライヤーの熱い熱をあびていると、携帯が光った。

画面には、

「朱海さんからメッセージが…」


頭は生乾きだけど、そのまま部屋へダッシュ!

歩きながら携帯見てたら、階段にぶつけた。

足のすね。


「ゔぅ…」


もだえながら部屋に入り、床に倒れたまま、メッセージを開く。


「ヘルメット、いつにしようか?」


朱海さん…

覚えてくれてた!


「大体あいてるので、朱海さんの都合は?」


床からソッコー返信。


「終業式のあとはどう?」


えーと、終業式って、いつだっけ。

カレンダーで確認。


…24日じゃないの、

イブだよイブ!!

興奮して、直立不動になる。


「あいてます、ばいとも休みです」


焦ってるから変換してない。

落ち着け、わたし。


「じゃあ、1時でどう?バイクでいいかな?」


やった!


「ありがとうございます!OKです」


クリスマスイブに。

1時。


頭のなかが、ぽわーん、ってなって、そのままベットに倒れこんだ。


朱海さんと!


ちょっと、どうしよう。

意味ないけど、ベッドでバタ足してみる。


どうどう。

落ち着こう、少し。


嬉しい。

ーー何が?


予定ができたから?

朱海さんに、会えるから?


えー。

どっちかなぁ。


あ、そうだ!

クリスマスなんだから、プレゼント!


大好きな朱海さんに。

お世話になってるんだから。


何がいいかな。


恋人ではないので、

あまり重たくない、

手作りではないもの。


大好き…なのかなぁ。

どういう風に?


お気に入りの大きな枕を、

抱きしめて考える。


一緒にいると楽しい。

安心する。

また会いたい、って…。


恋?

愛?


…なんだろう。

山本さんの時とは、少し違うような、へんな感じ。


いつのまにか、足の痛みを忘れて、朱海さんのことを考えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ