表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
碧い航海日誌   作者: 松本朱海|徒然なるままに
続きの話

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/39

24、 真ん中の席

その時は、ただ楽しかった。

少しの違和感も、「大人の空気」なんだと思っていた。

でも今ならわかる。

あの“真ん中の席”には、ちゃんと意味があったってこと。

ほどなくして、寺田がバイトをやめた。

彼氏さんと別れたらしい。

それが原因だった。


話せる友達がいなくなって寂しい。

けど、寂しいなんて思っちゃいけない気がした。

でも、バイトは楽しいし、やりがいもある。

褒めてもらえるし、好きなものも買える。


男性は苦手だったけれど、女子とは楽しくしゃべれた。

女の先輩はみんな、美人でかっこよくて、仕事もできた。

こんな人になりたいなぁ。


1人気になる男の先輩がいた。

大学生ですごく有名な学校らしい。

話し方は軽いのに、頭の回転が速くて、みんな自然に集まっていた。

すごくモテるみたいで、私ももれなくその波に乗った。


元彼氏さんはみんなと遊ぶのが好きみたい。

「みんなで車で遊園地行くんだけど、行く?」

誘われた。

先輩たちとの遠出、断る理由はないよね!

「行きます!」


人数は5人。

モテる男先輩・こうすけさん、元彼氏さん・山本さん、

最近一緒に遊ぶようになった先輩・るりちゃん、

ちょっと怖そうな女の先輩・絵里さん。


純粋にこうすけさんとおしゃべりしたい!

っていう邪な考えだったけれど、話題がない。

そして免許もない。


るりちゃんとこうすけさんが前で交代で運転。

その他3人は後ろの座席。

一番ぺーぺーの私は、後ろのはじっこでおとなしく小さくなってましたとさ。


先輩たちのやり取りを聞いているのはおもしろい。

冗談もセンスがある。

おとなしくはしていたけど、たくさん笑わせてもらった。


遊園地は車で走った山の向こう。

初めて来た場所!

眺め良いし、空いてる!

乗り放題、やったー!!


嬉しくて、楽しくて、ジェットコースターに連続して乗った。

山本さんが激しい系が好きらしく、

他の人がダウンしていたので、二人で乗りまくった。


るりちゃんが絵里さんに言ったのが聞こえた。

「気になるなら一緒に乗ってくればいいじゃん」

乗りたかったのかぁ、誘えばよかったなぁ。


夕方、天気があやしくなってきたので、そろそろ帰ることにした。

車の座席って、普通は道中同じじゃない?


端に座る私がまず乗る。

奥に座る。

真ん中の絵里さんが乗る。

そしたらなぜか、私の方のドアが開いて、山本さんが乗ってきた。

よくわかんないけど、私が真ん中。

はじっこの絵里さんは何だか不満そうだった。

少し違和感。


なぜ?

わからないけど、聞けない雰囲気だった。

何も言わない方が大人なのかな?


帰りの山道は土砂降りだった。

峠道でるりちゃんがスピードを出すから、山本さんと絵里さんがふざけて幅寄せしてきた。

ちょーおもしろかったんだけど。


大人の遊びっていうの?

そう思った自分が、少し誇らしかった。


平和で世間知らずの私に、

この後に起こる色々な事なんか、

知る由もなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ