表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
碧い航海日誌   作者: 松本朱海|徒然なるままに
続きの話

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/39

21、 テニス部退部

まくいかないことや、後悔してしまうこと

そんな出来事が重なると、自分のことが少し嫌いになる

それでも、前に進もうとする自分も、いる

初めて球を打った。

嬉しいけど、すごく怖かった。

球の音がすごく大きく感じた。


だって、先輩が球出しをしてくれたんだけど、ほぼ正面からなんだもん。

まだ下手くそで、コントロールなんてできないから、そぉっと打った。


「もっと力入れて!」

「思いきり打ってみな!」


ほんと、先輩って無責任。


何度も言われ、思いきり打った。

次の瞬間、女子で一番やさしい先輩が、顔をおさえてうずくまった。


まじか…やっちまった。

走って先輩のところへ行く。


「…すみません、あの…だい…じょうぶ…」


よりによって、顔、しかも女子。

どうしよう。

だいじょうぶだろうか。

もしかして…目?

目は…ヤバい。

や、目じゃなくても…。


他の先輩に囲まれて、冷やして休むことになった。

改めて、ごめんなさいを言いにいった。


「大丈夫だよ、練習続けていいよ。」


いつもやさしい先輩に申し訳なくて、だから力入れて打たないようにしてたのに!

とか誰かのせいにしたくもなって、涙が止まらなくなってしまった。

私は痛くないのに…。


「なんでぶつけた方が泣いてんの?」


まただ、またあの先輩。

思い出した、この先輩が苦手な理由。


小学生の時、何かの集まりの後でみんなで遊んでて、

違う先輩のおばあちゃんに、うるさいって怒られたんだ。

注意されたことじゃなくて、その言い方がすごく陰険な感じがして、私が何か言ったんだ。

小さく、独りごとみたいに。

えっと…うるさいババア、とか言ったかな、多分。

そしたらその男子部長に

「文句があるなら帰れよ。」

って言われて、泣きながら帰ったんだ。

みんなはまだ遊んでたのに。


多分悪いのは私。

でも…。


その後は泣きながらボールを打った。

帰り際、やさしい先輩に何度も何度も謝って。

ほんとうに申し訳なくて。


男子部長が大っ嫌いだって思う自分が情けなくて。

嫌いだ、苦手だ、って思うたびに、

自分は本当に面倒くさい人間だなと思ってしまう。


だからもう、続けることを、やめた。


次の日に、退部届をもう一度出した。

もう一人の一年生も、一緒に辞めることになった。

今度も止められたけど、変えなかった。


一年生の全員退部、これは校内でそこそこ大きなニュースになった。


今も消えていない感覚。

自分って本当に面倒くさい人間だと思う。

キライだ、こんな自分。


ズルズルと負の感情を引きずるくせに、好奇心は人一倍ある。


高いテニスラケットを無駄にしたから、ってわけでもないけど、

次にやりたかった事、アルバイトの面接を申し込んだ。


家の近くのファミレス、面接は即採用。

来週からシフトを入れたいからと、予定を聞かれた。

忙しさに紛れて色々な感情も薄れていく。


そうだ、またダンスに行こう。

かわいいスカートも、買いたい。


この選択がどうなるのか、まだ分からない。

高1の6月は、まだ幼い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ