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碧い航海日誌   作者: 松本朱海|徒然なるままに
続きの話

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20、 テニス部入部

好きだから選んだはずなのに、

どこかで小さな違和感が生まれることもある

それでも、簡単に引き返せない自分がいて――

今日は部活説明会。


テニス部に入るって決めてた。

ずっとやってみたい、って思ってたんだもん。


ここの高校は、自由な校風がウリなはずだけれど、テニス部だけは違うらしい。


一年生は紺色のブルマーに、白いTシャツに名前のゼッケン付き。

校庭は工事中なので、バスと徒歩で40分の貸コート。

先輩・後輩関係は厳しく、挨拶必須。


ゼッケンはともかくブルマーって…。

まぁ、小、中とブルマーだったからね、一人じゃないし、なんとかなるでしょー!


そんな感じで希望通り入部。

一年生は8人、全員女子。


紺色のブルマーは見つけるのに苦労したけど、とにかく憧れのテニス部生活が始まった。


球拾いは嫌じゃなかった。

先輩もいい人がいっぱいいて、でもその中で一人どうにも苦手な先輩がいた。


近所に住んでいる電気屋さんの男の先輩。

でも、一年生の仕事は忙しくて、そんなことを気にしている暇もなかった。


練習は週3回。

球拾いと素振りとリフティング。

行き帰りもまあ、遠いけど楽しかった。

始めのうちは。


2週間たって先輩に言い渡された。

「ボールの持ち運びを1年で順番にやるように」

これが中々の地獄だった。

帰りはいいのよ、帰りは。


問題は翌日の朝。

通勤ラッシュの電車の中を、大量のテニスボールと、それを入れる大きな買い物かご。

8人みんな心が折れた。


「どうする?」

「クラスの他の部活の子達、みんな楽しいって。」

「1か月過ぎて球拾いはテニス部だけらしいよ。」

「女の子の日にジャージ履く場合は、親の印鑑必要なんだよね…」


説明は受けていたけど、やっぱりなんか違うなって。

みんな感じてしまった。


そうなると話は早い。

全員そろって退部届を出した。

晴れて次の入部探し…というのは甘かった。


先輩に面談と称して呼び出された。

しかも一人ずつ。

先輩は二人。

女子部長と、男子部長は近所の男の先輩。


やられた…。


どうしてなのか、そんな事は説明会で納得して入部したはずだ。

いろいろ言われた時間は、1時間にも2時間にも感じられた。


「わかりました。続けます…」


断り切れなかったぁ。

残ったのは2人だけ。

みんなあの空気に絆されなかったんだ。

いつも私は、説得されると嫌と言えなくなり、それまでの覚悟を変えてしまう。


まぁ、いいか。

自分に言い聞かせて、進まなきゃ、じゃない?


それからしばらくは平穏だった。


そして数日して、

初めてボールを打たせてもらえた。



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