18、 高校入学
ドキドキしながら高校入学。
周りは知らない人ばかり。
でも、大丈夫。きっと大丈夫。
セーラー服、着るのは二回目。
一回目はおじいちゃんが亡くなった時、ママの実家の知り合いのお姉さんから借りた。
今日が二回目。
その時のお姉さんにお願いして譲ってもらった。
今日は入学式!
入学した高校は制服がない。
おかげで、私は着たかったセーラー服を着る事ができた。
中学はボレロの制服だった。
学年ごとにリボンの色が違うんだけど、それがまた可愛くて。
ボレロの丈を短くして、大人っぽくして着ようと思うんだけど、
せっかくの入学式なので、今日はセーラー。
ちょっと…
ううん、すごく嬉しい!!
入学式は高校から少し離れたコンサートホールであった。
校舎を建て替えた時に遺跡がでてきて、体育館だけ工期が遅れているらしい。
旧校舎はなかなかの年代物で、絵になる建物だった。
試験の時に入っただけだけど。
そのままでも良かったのにな。
新しい物は便利で綺麗だけど、
全てが無くなってしまうようで、なんだか寂しい。
高校生になれたのは嬉しいのだけれど、入学式も楽しみなんだけど、
実はすごく不安。
式は滞りなく終了した。
中学の友達と一緒に行った。
雪がまだ残っていた。
次の日、真新しい教室に入った。
同じ中学の子とは違うクラス、残念。
休み時間は一人で過ごした。
一日が長く感じた。
そういえば、すごく重要なことを思い出した。
私は、人の名前と顔がなかなか覚えられない。
小学校、中学校と、クラス全員の名前を覚えるのは、
一学期が終わる頃。
二学期に登校すると、半分くらいはまた忘れてしまう。
おかげで交友関係はとても狭い。
仲良くなった数少ないお友達とは、
必ずといっていいほど、違うクラスになってしまう。
そういう運命を背負っているんじゃないか、と思う時がある。
ふと、朱海さんの顔が浮かんだ。
いつも「どうしたの?」って覗き込んでくれる、優しいおにいさん。
今頃大学だろうか。
会いたいな…。
ふと窓を見ると
‥何?
白い‥シロクマ!
本物!?
「ねえ!シロクマがいるよ!」
「えー、だって隣り、動物園だよ。まさか知らなかった?」
思わず、近くにいた子に話しかけてしまった。
動物園の端っこ、
シロクマのひろばの一部が見えるらしい。
「ねぇ、どこ中?」
「部活決めてる?」
「テニス!に入りたいんだけど、ダンスもやりたいんだよねー」
ひょんな事から会話が始まった。
きっかけは些細な事。
せっかくの高校生活。
ここで暗くなるなんてつまらない。
大丈夫。
きっと大丈夫。
高校生活は、まだ始まったばかり。




