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投身  作者: 梅子


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9/10

無理

「美有。」

美有が、振り返ると、奏人がいた。

「奏人!!」

「この公園しか、いられる場所がなかった、違う?」

奏人は、聞いた。

美有は、頷いた。

奏人も、頷いた。

「帰る?」

奏人は美有を見つめた。

「帰らない…。」

美有は、答えた。


 奏人が、唐突に

「お父さんの方の、おじいちゃんたちに会いに行かない?」

と言った。美有は驚いた。まず、会ったことがなかったし、確か、すごく遠くに住んでいるって聞いたから…。

「大阪だっけ?」

「奈良だよ…。」

奏人は、スマホを見ながら答えると、

「マップ、こっちだ…」

と歩き出した。

「え?まさか…歩いていくの?」

「そうだよ。」

「…。無理だよ。」

「無理でいい。」


 二人はそのまま、消えてしまった。探しても、見つからなかった。誘拐されたのではないか、と警察が捜索したが、全く見つからなかった。

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