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投身  作者: 梅子


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7/10

失踪

 奏人は、やはり諦め切れず

「お願い、今までのでいいから、続けよう…美有…続けようよ。」

と言ったが、美有は、

「そっちのほうが辛いって…」と、奏人の手を払った。

「もう寝るから。」

と言って、ぐったりしている。


 奏人は、また成績を下げるようになった。とは、言っても前のちんぷんかんぷんな時よりは、ましなのだが、意欲も無くなって、「もう無理だよ…」が口癖になっている。学校をさぼるのも再開して、母親は、疲れたんだわ、息切れしたんだわ…と、悲しんでいる。

 奏人は、定期試験で30、順位を落とした。また、お母さん泣くな…と、思うと、面倒で帰る気にならなかった。奏人は、そのまま家を出て、帰らなかった。


 美有は、部活が終わって帰ると、お母さんが、飛びつくように玄関に来たかと思うと、「何だ…」と言った。

「どうしたの?」

と一応、聞くと、

「奏人が帰ってきてないの…何か、知らない?」

と聞いてくる。

美有は、

「塾じゃないの?」

と適当に言うと、お母さんは、

「今日はない日でしょ!?」

と、怒鳴ってくる。

「自習室じゃない?」 

「電話したわよ。とっくに…。」 

「じゃあ、学校?」 

「ねえ、お願いだから、お母さんの探した場所を言うのはやめてよ!」

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