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失踪
奏人は、やはり諦め切れず
「お願い、今までのでいいから、続けよう…美有…続けようよ。」
と言ったが、美有は、
「そっちのほうが辛いって…」と、奏人の手を払った。
「もう寝るから。」
と言って、ぐったりしている。
奏人は、また成績を下げるようになった。とは、言っても前のちんぷんかんぷんな時よりは、ましなのだが、意欲も無くなって、「もう無理だよ…」が口癖になっている。学校をさぼるのも再開して、母親は、疲れたんだわ、息切れしたんだわ…と、悲しんでいる。
奏人は、定期試験で30、順位を落とした。また、お母さん泣くな…と、思うと、面倒で帰る気にならなかった。奏人は、そのまま家を出て、帰らなかった。
美有は、部活が終わって帰ると、お母さんが、飛びつくように玄関に来たかと思うと、「何だ…」と言った。
「どうしたの?」
と一応、聞くと、
「奏人が帰ってきてないの…何か、知らない?」
と聞いてくる。
美有は、
「塾じゃないの?」
と適当に言うと、お母さんは、
「今日はない日でしょ!?」
と、怒鳴ってくる。
「自習室じゃない?」
「電話したわよ。とっくに…。」
「じゃあ、学校?」
「ねえ、お願いだから、お母さんの探した場所を言うのはやめてよ!」




