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皇国での出来事。

 カレーナと二人で皇国へ向け出立した。

 「ガーダさんの子供さん達、小さくて可愛いいですね」

 皇国へと向かう道を二人は進んでいた。カレーナは百メートル程を全力で駆け抜けると、その場で足踏みしながら呼吸を整えている。俺が着くと駆け出す。トレーニングをしているのだ。俺はゆっくりとジョギングのように進んでいるのだが。

 彼女はどこに向かいたいのだろうか。少しの疑問は残るが、自分のペースで進んでいた。

 途中で現れる魔物はカレーナが仕留めていく。狼やゴブリンなら一撃で倒してしまう。

 その魔石はガーダの子供達に与えていた。

 「ガーダさんの子供さん達は黒死蜘蛛でいいのですか」

 「そうらしい。でも五十は多いと思うけどね」

 五十匹の蜘蛛、親指程の大きさだは、部屋の中でワサワサを動いている光景は二度と見たくない。ガーダに頼まれて肉を持って行ったのだが、思い出したくない。

 だが、子供達の出す糸にも防御機能があった。一匹一匹違うのだが、物理体制と魔法耐性、衝撃吸収の糸を個別に出すのだ。子供達の糸を使って、カレーナ用の制服?が完成していた。どうやらガーダの指示らしい。しかも編み込んで一枚の布になっているので、見た目は普通だが防御機能を盛り込まれている。

 シャツとカーゴパンツ、エプロンが制服となっていたが、従業員であってメイドとは違うので、エプロンは却下した。変わりにベストが追加されていた。

 シャツは白、パンツとベストは濃紺だ。シンプルだが接客用としては上等な品質だ。だが、その姿は旅には合っていないのでが、彼女はどこに向かっているのか、本当に心配だ。

 「子供さん達が留守番してくれるのは、心強いですね」

 旅には十匹が一緒に着いてきたが、残る四十匹は店を守っている。蜘蛛部屋の窓に出入り用の穴を空けてあり、窓が閉まっていても、自由に出入りができるのだ。ちなみにガーダの要望だった。窓枠に穴を空けるだけなので簡単だったが、蜘蛛部屋を再度見た時の衝撃は、最初と比較にならなかった。部屋中が蜘蛛の巣で覆われていたのだ。糸の特性を見ていたのだろうが、俺が入る前に撤去してほしかった。見える太さの糸は払いのけたが、釣り糸のように透明な糸は見えず、俺の顔に糸が絡まったのは最悪。次からはガーダに確認してから入ることにしたのだった。

 子蜘蛛の爪も強力で、ガーダの糸を簡単に切ることができる。糸も出せるし、万が一にも賊が押し入ったら、簡単に捕らえるだろう。

 この子蜘蛛軍団は俺とカレーナ、三番隊より強いかもしれないと思っている。糸を自在に操れる子蜘蛛、ちょっと羨ましいと投擲で物を投げる俺、カレーナは肉弾戦。子蜘蛛と一緒に戦えば敵なしだろうな。

 「タツヤ様、今日は野営ですか」

 「そうだね、道から外れ奥に入った場所で野営したいな」

 俺の収納には家が入っている。カレーナ用のベッドも収納済だ。

 森に入り、整地をして、ガーダの糸で囲ってもらえば野営は完璧だ。野営ではないな、キャンプだな。しかもバンガローに泊まるタイプ。

 魔物が来てもガーダと子蜘蛛の食料になる。食材の現地調達は野営の基本、やっぱ野営だと思う。

 簡単に野営地を作り、バーベキューを始める。子蜘蛛たちは森の中へと消えていった。本当に食料として魔物を狩るようだ。ガーダの話ではゴブリンだけは食べたくないようで、猪か狼を探すと言っていた。贅沢な蜘蛛だな。

 食後の運動と言って、カレーナとガーダが模擬戦を始めた。ガーダは糸を操りながらカレーナを追い詰めていく。カレーナは武器を持っていないので、糸を躱していくが、廻りを囲まれてしまう。短剣かナイフは持つべきだろう。彼女も悔しそうだが、動く隙間がガーダの前だけとなり、間合いを詰めて勝負を掛ける。そこは蜘蛛のガーダ。糸を手繰り上空へと逃げながら、糸を叩きつけていく。カレーナが避けた先には粘着性の糸、結果はガーダの勝利だった。糸に捕まって動けない彼女にガーダが近寄り、糸を切断していく。

 「タツヤ様、ナイフを持っていたら貸していただけませんか」

 カレーナに言われ、解体用に作ったナイフを渡す。

 「何本かあるから、持ったままでいいよ」

 ナイフを片手に再度の模擬戦が始まった。

 今回は糸を斬りながらカレーナが移動していく。ガーダも糸を出す回数が増えているようだ。カレーナが横に飛ぶとガーダも同じ方向に飛んだ。蜘蛛の動き、確かに速い。だけど五メートル以上も一足飛びに動くのは反則だろう。カレーナの前にガーダの前足があった。勝負はあっけなく終わっていた。

 その後、何回も繰り返していたので、俺はうどんを作っていた。激しい運動で腹も減っただろうと思ったのだ。

 「うどん作ったけど、食べるか?」

 声を掛けると一人と一匹が我先にと走っていた。いや、ガーダは糸を使って飛んでいたな。

 「ガーダさんとの訓練は楽しいです。どちらに動くのか、今は読めませんが、必ず読んでみせます」

 拳を握り、カレーナが宣言する。

 「三番隊と比べてガーダは難しいのかな」

 「三番隊の皆さんは動きが読めるようになったのですが、ガーダさんは無理ですね。前後左右、更に上が加わると解りません。動く前に少しだけ体が沈むのは見えるのですが、その行動は同じでも、向かう先は毎回違うのです。もう一回、お願いできますか」

 最後の一回、いや泣きの一回だな、に向かうカレーナ。結果は瞬殺だった。

 カレーナがナイフを持ったことで、機動力を活かした攻撃に変えたガーダ。カレーナは追いかけることも出来なかった。

 家の中でも戦闘についての思案を続けるカレーナ。何か呟いては体を動かしているようだが、俺はベッドの上で目を瞑り、関わらないようにしたのだった。

 翌朝、戻っていた子蜘蛛達と一緒に出立した。家の周囲にあった糸は綺麗に無くなっている。ガーダが細かく切って、丸めて捨てたようだ。木の枝に団子のように刺さっていた。センスが良いな。

 魔物の討伐と訓練を兼ねながら進んでいく。今日の夜も野営の予定だ。昨晩と同じように食事と訓練で夜も終わる。




 テルダム侯爵の領都に到着したのは三日目の夕方だった。

 領都は高さ二十メートル程の外壁に囲まれていた。大きめのレンガを積み上げている。上は人が歩けるようで、見張りの兵が門の左右に建ち、見下ろしていた。

 三日目の移動で領都周辺の村が見えていた。村は木の柵で覆われていたが、柵の周囲も整地されていて見晴らしは良いようだった。そこを村の兵士か冒険者か分らないが、巡回をして魔物から守っていた。

 それに比べると、流石領都と言うか、立派な外壁を見上げているのだった。

 「身分証を出してくれ」

 門番に言われギルドカードを見せる。他国に入るには冒険者や商人ギルドのカードなら審査無で入れる。これらが無い場合は出国元の身分証になるのだが、訪れた理由や滞在期間を問われ、申告以上の滞在をすると捕まる場合もある。

 だが、冒険者ギルドと商人ギルドは各国共通の組織、しかも国を跨いでの任務も多いため、入国税を払えば問題なく入国できる。

 「今回は侯爵家次男との決闘なので、入領の際に問題が起きるかもしれない、宰相さんが一筆したためてくれたが、不要のようだ。」

 街中はドワーフ国と大差無い景色であった。

 門番に大銀貨一枚を渡し、冒険者ギルドとお勧めの宿屋を教えてもらった。

 宿屋に向かい、五泊の予約を入れる。前金制なので、全額を払い二部屋に分かれ荷物を置く。まだ夕食には早い時間なので、ギルドを確認に向かった。

 道沿いには屋台もあり、夕食間近なのもあり、串焼きやスープ等の屋台が賑わっていた。

 この国のギルドもドワーフ国と同じような建物だった。周囲は広場になっており、屋台とテントが並んでいた。

 中を覗いてみたが、冒険者がカウンターに並んでいる状態だったので、入らずに外から様子を伺っていた。

 「カレーナを襲った奴らはいるか?」

 小声で確認するが、彼女は首を横に振り周囲を警戒していた。探しているのだろう。

 人通りも少なくなり、二人で見張るのも目立つようになったので、宿に戻る事にした。

 宿は一階が食堂兼酒場。入ると店員に食事が可能だと言われ、開いている席に座った。

 食事は宿代に入っているが、酒は別料金だ。果実酒を頼み、食事を始める。

 食事を摂っていると冒険者風の五人組が入ってきた。酒を頼み、大声で会話を始める。どうやら依頼が終った打ち上げのようだ。予定より早く終わったようで、実入りの良い依頼だと浮かれていた。

 カレーナと二人、酒を飲みながら会話に耳を立てていた。程よい酔い具合の頃に酒を五つ彼らにと店員に頼む。カレーナを部屋に戻し、酒と一緒に彼らの席に向かった。

 「こんばんは。初めましてですね。冒険者になったばかりの新米ですが、先輩方に少しでもいいので、心構えなどを教えていただきたく、酒と共に来ました。相席させていただいてもよろしいでしょうか」

 テーブルに置かれた酒を見ながら言うと

 「いい心構えだな。俺達が冒険者について教えてやるよ」

 笑いながら酒を飲み始めた。

 止めどもない会話をしながら、三杯目の酒が無くなる頃、質問を開始した。

 「登録したのはドワーフ国ですが、この街に来たのは人を探すためなのです。アロンという人を知りませんか。多分C級以上の実力のある人だと思うのですが」

 「アロン?ああ、アロンか。知っているよ。時々だが領主様の護衛とか受けている奴らだよな」

 「そうそう、少し前にも護衛依頼を受けて、予想以上の収入だったとギルドの酒場で自慢していたな」

 「侯爵家のシュルバッゾ様が買い取りに出向くような品、遺跡ダンジョンで見つかるとは思わないよな」

 「あれから何組か遺跡ダンジョンに潜ったらしいが、何も見つからないと言って戻ってきたな。そうそう美味しい話は無いってことだよな」

 「そう、だから少年、堅実に薬草採取やゴブリン討伐から始めろ。夢を見すぎると死ぬからな」

 そう言って笑っている。

 「侯爵様が買うような品って何ですか?」

 「皿とか聞いたな。価値は知らないが」

 「奴ら、侯爵家の護衛依頼で出向いた先で、皿を見つけてギルドに買い取りさせたら、侯爵様が買いに来るって、何か変な話だけどな」

 「貴族様の考えは冒険者風情には解らないさ。しかもドワーフ国の獣人と決闘するだとか聞いたな。明後日だったかな」

 五杯目の酒を頼んだところで部屋に戻る事にした。

 奪った皿をギルドに売り、それを侯爵の次男が買う、確かに妙な流れだな。置いていった大銅貨三枚、これに正当性を持たせようとしているが理由だろう。

 カレーナに事情を説明し、明日の行動を一緒に考えていた。だが、早朝からギルド前でアロンとかいう奴らが表れるのを、只管待つしかないのだった。

 早朝から張り込みをしていると、早々に相手が表れた。

 「あの三人組に間違いありません」

 カレーナが三人の男を睨みつけている。

 「ギルドに入ったら、俺達も行くよ」

 相手に続いてギルドの中に入っていく。

 奴らはカウンター前のテーブルに座り、話をしている。

 「カレーナ、行ってこい」

 彼女の肩を叩き、送り出した。

 大銅貨三枚をテーブルの上に叩きつけ、

 「皿を返して下さい。あの皿は売り物ではないと説明したはずです」

 大きい声だが、怒声ではない。廻りの喧騒が消え、静粛が訪れた。

 「もう一度だけ言います。あの皿は売り物ではありません。あなた方が置いていった大銅貨三枚は不要です。皿を返して下さい」

 カウンターの中にいた女性が席を立ち、駆け出していた。上の物に報告するのだろう。

 「お前、何を言っているのだ。お前など知らないが」

 そう言われ、カレーナはフードを外す。そこには半ばで無くなった右耳があった。

 「アロンと言いましたか、私の耳を見ても思い出しませんか」

 テーブルに拳を叩きつけた。三枚の硬貨が床に落ちる音だけが響いていた。

 「だから、知らないと言っているだろう」

 「そうですか、では、あなた方の素性はドワーフ国に報告させていただきます。ドワーフ国からは犯人が見つかったら、協力は惜しまないと約束していただきました。早々に捕まるでしょうね」

 「お前!何を言っている。あれは俺達が買った品だろうが!」

 アロンとは別の男が叫ぶ。この時点で知らないから買ったに変ったよ。ナイスな自爆だ。

 「ばっ、知らないと言っているだろうが」

 「そちらの方は買ったと言いましたが。あなた方が物を買う時、従業員の耳と足を斬り落とすのが常識なのですか」

 カレーナは裾を捲し上げ、義足となった足をテーブルに載せた。

 この時、廻りの冒険者から蔑むような視線が三人組に向けられていた。皇国には獣人の冒険者も居て、身体能力に優れた獣人と、同じパーティーを組む人族を多いのだ。

 「ああ、思い違いだ。ドワーフ国で皿を買ったな。だから?獣人が失礼な態度だったので、躾をした。問題があるか?」

 「夜明け前の店に押し入るような賊に礼儀は不要です。皿を返して下さい」

 「あれはギルドに買い取ってもらった。欲しければギルドから買いな」

 カレーナが足を上げ、振り下ろす。テーブルが二つに割れていた。

 「返して下さい」

 三人が息をのむ。

 「それとも人の言葉が理解できない種族ですか?ああ、それだから賊に落ちぶれたのですね。可哀そうに」

 挑発するように言葉を発するカレーナ。

 「煩い!」

 一人が立ち上がり、剣を抜いた。

 「お前独りで何ができる!あれは買った物だ。返してほしければ俺達を倒してみろ!」

 そう言うと残る二人も立ち上がり、剣を抜いた。

 カレーナは割れたテーブルを左右に蹴り飛ばし、足場を確保していた。彼女の戦い方ではテーブルは邪魔だな。

 「残る耳も斬りとってやるよ」

 一人が斬りかかるが、カレーナは容易く躱す。そして脇腹に拳で一撃を入れた。そこに斬りかかるアロンだが、後に下がって躱すカレーナ、振り下ろした剣を持ち上げるより早く蹴りを鳩尾に放った。倒れた二人に唖然とするアロン、迷う事なくカレーナに襲い掛かった。だが、一撃は届くことなく、打ちのめされていった。

 意識を失った奴らの剣や装備を剥いでいきカレーナ。ポケットから銅貨を三枚取り出し、

 「装備と剣は銅貨三枚で買わせてもらいます。問題ないですね」

 収納袋に戦利品を納めていた。

 「何をしている!」

 そう怒鳴り走ってくる大柄な男。

 下着姿の冒険者を見るも顔色一つ変えない。多分ギルド長だろうな。こいつもグルだと思うけど、どうでるかな。

 「何をしているのかと聞いているのだ!」

 「彼らが私の勤める店に押し入り、店の品と私の耳、足を奪っていきました。私の事は別にして、店の品を返してくれるよう頼んだのですが、交渉にならず、剣を抜き斬りかかってきたので、大人しくしてもらいました」

 「彼らが下着姿になっている理由は?」

 「ここのギルドでは従業員に怪我を負わせても、硬貨を置いて来れば買った物とみなし、買取してくれると聞いたので、襲い掛かってきた賊を倒し、装備品をギルドに売ろうと思い、剥いだのです。何か間違っていますか」

 大男は顔を真っ赤にしているが、周囲の冒険者からの視線もあり、返答を考えているようだ。先ほどのやりとりは全員が聞いていた。多分だが大男も傍で聞いていたのだろう。だが、三人が負けるとは思っておらず、対応を模索しているようだった。

 「この賊が奪った皿をギルドが購入したようですが、返していただけませんか。大銅貨三枚はお返しします」

 床に落ちていた硬貨を拾い、大男に差し出した。

 「そんな皿は知らないな。間違いではないのか?彼らが売ったギルドは別の街ではないのか?」

 とぼけるつもりのようだ。

 「いえ、彼らが売ったのはここです。私が受けつけしたので間違いありません。そして、金額を決めたのはギルド長である貴方でしたよ」

 中年の女性が歩み寄ってきた。

 「副ギルド長、俺は知らないぞ」

 「では、売買契約書を持ってきましょう。そこの貴方、三十日から五十日前までの取引記録を持ってきなさい」

 受付の若い女性に支持をだすが、動かない。ギルド長には逆らえないのかな?と思ったら横の女性は奥に走っていった。

 「貴方もですか」

 動かなかった女性に蔑んだ視線を向けていた。

 「彼らの件とは別に、お前はギルド内で暴れたのだ。ギルドから除名を言い渡す。ギルド証を速やかに返却しろ」

 カレーナは黙ってギルド証を放り投げた。

 「こんな組織に登録する価値はありません。ですが、私の登録はドワーフ国です。貴方に権限は無いと思いますが」

 「そのような事、後でどうとでも操作できる、問題外だ。お前達、こいつを捕らえて牢に入れろ」

 カウンターの中にいる男たちが動き出す。そろそろ俺が黄門様のように出ていく時間だな。

 だが、周囲の冒険者も動き出した。だいたい三割くらいだろうか。カレーナの前に立ちはだかった。

 「彼女は悪くない。そこで伸びている三人に問題があると思うが」

 そう言ったのは宿屋で一緒だった冒険者だ。廻りの呟きから、彼はA級冒険者のようだ。実力者の発言権が上位にある、世界が変わっても同じようだ。




 結果、ギルド長は更迭、三人組は奴隷落ちとなった。理由は簡単、侯爵家との決闘をするのがカレーナと分かったからだ。俺が宰相さんの手紙を副ギルド長に渡したら、一気に片付いてしまった。

 奪われた物はギルドでの対応は無理だと先手を打たれてしまった。自分達で何とかすると言ってギルドを後にした。

 カレーナは運動不足だと言って、門の外へと訓練に行きたいと言うので、一緒に行った。

 ガーダとの模擬戦を夕食前まで繰り返す体力には脱帽だな。戦果も五分まで上げていたから、明日の決闘が楽しみになってきた。

 宿では昨日の冒険者五人が待っていた。

早々に絡まれたが、今日の酒は彼ら持ちだったのが救いだ。酒場の酒が足りなくなると思うほど飲んでいた。もちろん他の冒険者も一緒にだが。

 あのギルド長は侯爵家に限らず、貴族家との癒着があったようで、冒険者からは嫌われていた。副ギルド長と数名の冒険者が探りを入れ、更迭を狙っている最中だったと教わったのだ。いい機会だったと礼を言われたが、そこは明日の結果次第だと言い切った。

 一瞬の静粛の後、明日は頑張れと一斉に帰ったのには驚いたが。




さあ、明日はカレーナの決闘だ。俺の仕事が無い、困ったものだ。


誤字報告、有難うございます。

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