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短いので二話投稿(1/2)
山の中、一人の男が携帯端末を耳に当てていた。その足元には大き目の革で出来た何かが転がっている。
やがて話を終えた男が携帯端末をしまう。足元にあったものを拾うと、それは革製の厚手の袋であった。
何かが詰まっていたのであろうそれは、いまや中身を失い力なく垂れるのみ。袋を器用に折りたたむと、男はそれを肩にかけた。
これで彼の用事は終わったようなものだ。その場を立ち去ろうとした男が、ちらりと目を向けたのはソルケ村がある方角だった。この位置からは何も見えない。ただその場にいるであろう人物の事を思い、男は独り言ちた。
「さて、どうするアルカ……」
呟く男の目には、複雑な色が浮かんでいた。




