8話 出会いと王都
お待たせしました、8話です。
今回はちょっと嗜虐的で倫理観に欠けるキャラクターが出ている場面があるので一応そのシーンだけ改行で間を開けておきます。見たくないな、苦手だなと思った人はそれを目安に前半をスキップすることをお勧めします。
「キャァァァ!」
え?悲鳴?こんな森の中で?…とにかく行ってみよう。
「ヒィッ。」
「あぁ、いいねぇ。良いよ、その恐怖に塗れた絶望の表情。たまらないなぁ。」
「あ……あぁ…。だ…誰か、助けて!」
な、何この状況。なんでこんなところに魔族がいるの⁉︎そしてなんでこんなところに女の子がいるの⁉︎わかんないけどとりあえず助けてあげなくちゃ。
「いいよ、任せて。」
「う〜ん?誰?君。あぁもしかして、君も僕の玩具になりにきたの?良いよ、遊んであげる。この子の後でね。」
「大丈夫だよ。私が助けてあげるから。」
「本当…に?」
「僕を無視してもらっては困るなぁ?その子は僕の玩具なんだから」
「その子嫌がってるじゃないですか。やめてあげてくださいよ。」
「ちょっと君?玩具の分際で僕を止めるのは良くないなぁ?後でゆっくり遊んであげようと思ってたけど仕方ない。良いよ、先に君で遊んであげる。」
——ザシュッ
「グッ。」
——バタン
「あぁ。ついやりすぎちゃった。ごめんねぇ、ちゃんと遊んであげられなくて。」
「………。」
「あ…、おね…ぇ…。」
「あぁ可哀想だねぇ。あの子は君が助けを求めたから死んじゃったんだよ。」
生きてるよ。今の演技だよ。めちゃくちゃピンピンしてるよ。
「私の……せいで……。」
「はぁ…。急に切ってくるなんて危ないんじゃないですか?」
「は?お前は殺したはずじゃ…。」
「良かった、生きて…。」
「あんなので死ぬわけがないじゃないですか。」
そう言って私は力を解放する。すると私の髪が伸びて白く染まるとともに目が赤くなる。
「その髪、その目の色。お前、吸血鬼か⁉︎」
「さぁ、どうでしょうね?」
「いいでしょう、いいだろう。吸血鬼の弱点は知っている。ハハ、バカなやつだねぇ、自分の種族を晒すなんて。——死ね、[ソルフレア]ッ!」
「に、逃げてぇぇ!」
——ブォァァ
「吸血鬼は太陽が弱点。僕が日属性を使えないとでも思ったのか?まぁもう聞こえてはないと思うけどね。僕のソルフレアで灰も残らず燃え尽きちゃったもんねぇ。さぁ、君。遊ぼう。」
「そんな……。いや、やめて!」
「そんなこと言わないでさぁ。僕と遊ぼうよ。」
——グッ
「な……。そんなはずは。」
「さっきも言いましたよね。嫌がってるからやめなさいって。」
「嘘だ、ありえない。お前は完全に消滅したはず。吸血鬼だろ!僕のソルフレアで死なないはずはないだろ!」
「私がいつ吸血鬼なんて言ったんですか?あんなのと一緒にしないでください。…そろそろ終わらせますよ。」
全国の吸血鬼さんごめんなさい。
「や、やめろ。来るな!」
「はい、即退場ぱーんち。」
「グホァ……ァガ………。」
ちょっと、調子に乗っちゃったかも。途中から遊びすぎた。
「大丈夫?」
「は、はい。ありがとうごじゃいましゅ。…あ。」
「ふふっ。どういたしまして。そういえばどうしてこんなところにいるのか教えてもらってもいいかな。」
「はい。実は……」
そうして私は彼女の経緯を聞いた。彼女は元貴族だったが家が没落してしまい奴隷に落とされてしまった。その後移送中に魔物に襲われたのから逃げてきたそうだ。
「それで逃げてたらあの魔族に捕まったと。」
「そうです。」
「行くところはあるの?」
「…ないです。」
「そっか。じゃあさ、私と一緒に来ない?」
「でも……奴隷を所有できるのは契約した人だけだし、それに私なんか……。」
「私なんかじゃ無いよ。どうせ一人旅だったし、仲間が増えた方が楽しいでしょ?君はどうしたい?」
「私は……。一緒に行きたいです!」
「じゃあ君の所有権を私に移すよ。……よし、これでOK。」
所有権を自分に移すと奴隷の証明である首輪が光り始めた。それと同時に私の手の甲に紋章のようなものが浮かび上がってきた。所有者の証みたいなものかな?
「い、今……どうやったんですか?」
「それは歩きながら話すよ。じゃあこれからよろしくね。私はソーカだよ。」
「ソーカ……じゃあソーカおねぇちゃんですね!私はリアです。」
な、なにこの子。かわいい。
「さぁ、王都に向けて出発しよう。」
「はい!」
それから私たちは4日ほどかけて王都の目前まで来ていた。道中では私が始祖の吸血姫であることや私のスキルのこと、私が異世界から来たことを教えたり、逆に王都の雰囲気や世界の常識のようなことを教わった。常識に関してはある程度予想していた通りだったので大丈夫そうだった。
私のことについては他言しないと言ってくれたが念のため主人命令を使うことにした。本来はあまり使いたくなかったけど、他にバレると面倒になるだろうし本人が了承してくれたため今回は使わせてもらった。
王都についた。遠くから見るとあまりわからなかったけど近くで見ると外壁がとても大きい。
「立派だね。」
「オストール王国王都であるここイラテスはこの国最大の城壁を備えていて王城を外部の脅威から守るためとても頑丈です。難攻不落という言葉が相応しい場所ですね。」
なるほど、確かにかなり守りがガチガチな気がする。
王都に入るには検閲が必要らしい。私たちも今その検閲の順番待ちだ。
「検閲はギルドカードで大丈夫なんだよね?」
「はい。怪しいものを王都に入れないためのものなので身分がわかるものであれば大丈夫です。私もギルドカードを持っているので問題はないです。」
「奴隷になってもギルド登録は解除されないんだね。」
「そうですね。奴隷の冒険者もそこそこいますし。」
「次。」
私たちの番が来たみたい。
「身分が証明できるものを提示してください。」
「はい。」
私たちがギルドカードを渡すと門番の人が水晶のようなものにかざして何かを確認した。
「はい、こちらお返しします。特に問題はないようなのでお入りください。」
よし、無事に王都に入れた。あとはバルグが王都のギルドマスターに手紙を届ければいいんだったよね。
「まだ日は高いし先にギルド行っちゃおうか。」
「そう…ですね。それがいいと思います。」
ちょっと返答に迷いがあったな。何かあったんだろうか。
「どうかしたの?」
「いえ、何でもないです。」
まぁ何かがあっても私がどうにかすればいいし、大丈夫かな。
それからリアの案内でギルドに到着した。
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