9話 ギルドマスターの推薦
お待たせしました、第9話です。
扉を開けてすぐ……いや、扉を開ける前から色々な話し声が聞こえていた。王都のギルドは結構賑やかだね。
さて、カウンターはどこかな。っと、あっちか。
「すみません。アミンのギルドマスターからの手紙を預かって来たんですけど……。」
アミンっていうのはこの間までいた町の名前だ。
「はい、手紙ですね。誰宛てでしょうか。」
「ここのギルドマスター宛てです。」
「確認させていただきます。………はい、確かにアミンのギルドマスターの手紙ですね。それでは後ほど渡しておきます。他に何かご用はありますか?」
「あ、じゃあおすすめの宿ってありますか?お金には多少余裕があるのでできれば安全性が高いところが良いんですけど。」
「そうですね。……ギルドから出て右にしばらく行ったところに狼の看板の銀狼亭という宿があるのですが、そこは安全性が高いと評判ですよ。それに、料理がとても美味しいです。食堂も兼ねているので料理目的で行く人も多いんですよ。」
「そうなんですね、ありがとうございました。」
ギルドを後にした私たちは宿を探していた。
「銀狼亭…ってここかな。」
「狼の看板があるのでそうだと思います。」
「じゃあ早速入って部屋を取ろうか。一部屋で良い?」
「はい、大丈夫です。」
そんな会話をして私たちは銀狼亭に入った。
「いらっしゃい。泊まりかい?それとも食事?」
「泊まりです。一部屋お願いします。」
「はいよ。一泊銅貨25枚だよ。部屋の希望はあるかい?」
「特にはないですね。とりあえず4日分お願いします。」
そう言って私は小銀貨1枚を渡した。
「はいちょうどね。じゃあ2階の奥を使っとくれ。鍵はこれだよ。」
「ありがとうございます。」
部屋についた。
「なかなか悪くないんじゃない?」
「私もそう思います。」
「そういえば、リアって奴隷になる前は何かやってたの?冒険者ってのはさっき言ってたけど。」
「あぁ……。」
「あ、別に言いたくないなら無理に言わなくてもいいよ。」
「いや、大丈夫です。奴隷になる前は学園に通っていました。」
「学園?」
「はい。ここイラテスにはイラテス国立学園という主に貴族や商家の子が入るところがあります。」
「その学園ってのは面白いの?」
「……どうでしょう。私はわかりません、いじめられていたので。」
「いじめ?」
こんなに可愛い子をいじめるなんて……。もしかして嫉妬?
「私は元子爵で爵位も高くなかったので……。私をいじめていたのはバース伯爵家のアルシャイン・バースという令嬢でした。」
「それって没落と関係があったり?」
「……断言はできませんが、おそらくは。」
「よし、じゃあそのアルシャインとかいうのに仕返ししよう。」
「ふぇ?ちょ、ちょっと待ってください。流石に平民が貴族に何かするのは……。」
「そいつは学園に通ってるんでしょ?じゃあ私もその学園に通えばいいんじゃない?」
「いや、学園は試験を受けるのに金貨1枚と推薦が必要で……。しかも試験に合格するのもしっかり勉強をした人たちか家のツテを使わないと。」
「お金に関しては大丈夫だよ。この前スタンピードからの防衛に協力した時に金貨10枚くらい貰ってるから。試験に関しては……そうだな。どんな問題が出るの?」
「スタンピードの防衛で金貨10枚って……どんだけ活躍したんですか。……そうですね、確か算術や歴史がでたと思います。あとは実技試験として武術や魔法の試験があります。こっちの方は大丈夫でしょうけどこの国の歴史はわからないですよね?」
「確かに歴史はわからないね。でも多分教えてもらえればできるようになると思うよ。私記憶力はいいから。」
「もうソーカおねぇちゃんならできちゃう気がします。じゃあ歴史を教えますね。」
「ぜ…全問正解です。」
「へへ、すごいでしょ。」
「すごいなんてものじゃないですよ!まさかたったの1日で覚えちゃうなんて。」
「言ったでしょ、記憶力はいいって。」
「そうですけど、まさかここまでとは……。まぁとにかくこれで試験は大丈夫そうですね。あとは推薦状があれば完璧なんですけど。」
「まぁそう簡単にはいかないか。しばらく依頼を受けながらで推薦状はゆっくり待とう。そろそろ遅いし、寝よっか。おやすみ。」
「おやすみなさい。」
ん、朝か。今日もいい天気だね。
「おはよう。結構寝心地良かったね。」
「そうですね。今日は早速ギルドに行きますか?」
「だね。」
ギルドについた。さて、なんかいい依頼はないかな。
「すみません、ソーカさんですよね?」
「はい、そうですけど。」
誰だろう。私の名前を知ってる人はいないと思うんだけど。
「ギルドマスターがお呼びです。応接室に来ていただけますか?」
あ、この人。手紙を預けた受付の人だ。ギルドマスターが呼んでる?何かあるのかな。
「いいですよ。」
「ありがとうございます。それではこちらへ。」
——コンコン
「ソーカさんを連れて来ました。」
「入れ。」
「失礼します。」
前にも似たような流れあったな。
「それでは私はこれで。」
「ああ。ありがとう。さぁ、かけてくれ。」
そう言われたのでギルドマスター?の対面に座る。
「君とは初めましてだが早速本題に入ろう。ソーカ、君には学園に入ってもらいたい。」
学園に?私も入ろうとしてたけどなんでまた。
「理由を聞いても?」
「ああ。まず君のことはバルグからの手紙で読んだよ。とても強い少女がいるってね。」
「そうですか。」
「僕はこう見えても貴族でね。学園から強い子がいたら学園に推薦してくれって頼まれてるんだよ。手紙によると君はかなり強いらしい。さらに実際に対面して確信したよ、君は強い。だから推薦させてもらったってわけさ。もちろん断ってくれても構わない。こっちからの勝手なお願いだからね。」
「そうですね。私も学園には興味がありましたしお言葉に甘えさせていただこうかと思います。」
「うん、いい返事だ。じゃあ早速推薦状を書くよ。筆記試験の方は対策の時間が必要だろうから……2ヶ月後とかになるかな?」
「いえ、筆記の方も大丈夫なので今すぐでもできますよ。」
「そうか。すごいな、君は。わかった。一応推薦状とは別で僕からも話を通しておくから明日でどうかな。はい、推薦状だよ。」
今回はちょっと長くなりました。なんとか学園の推薦状まで持っていきたかったので。
お察しの人も多いと思いますが第2章は学園編です。章タイトルはもう少ししたら変えようと思います。
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