表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『黒神龍の御子外伝』紅神龍の御子になった少女の帝王学 ~剣聖イェンリン様のお気に召すまま~  作者: KAZ
第2章 真紅の誕生編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
47/48

セキト城への参陣

Xもよろしければフォローをお願いします!!

Xはじめました↓↓↓

https://x.com/KazBgd


pixivにて新規キャライメージ画像更新中!

※AI生成画像

https://www.pixiv.net/users/15342558


※モチベーションに繋がります!※

いいね・ブックマーク・評価☆☆☆☆☆採点いただけますと励みになります。よろしくお願いします。

―――魔剣=業炎の試し斬りを行った日から、早くも皇帝との謁見の日がやってきていた。


しかし、この日に緊迫感を抱いているのはイェンリンだけではなかった―――


「……遂にこの日が来たか」


首都レッドの中心地にある『セキト城』の玉座で、小さく呟くのはこの皇国の皇帝だった。


金髪に口髭を生やす歳は五十八となる皇帝は、この国を統治し続けて三十五年を数える。


―――ヴァンヘルム=ホウム・ヴァーミリオン


紅神龍と盟約を交わした国母アルタニアの正統であるこの皇帝は、常にヴァーミリオン皇族に伝えられる紅神龍の畏怖を忘れることなく今日まで政を執り行ってきた。


現在は後継者である皇太子を成長させるため、政からは徐々に身を退いて皇太子に任せていたが、この様な代表者として取り仕切るべきところは現在も主導で執り行っていた。


「父上―――それほどまでに『御子』とは恐ろしい存在なのですか?」


そう問い掛けるのは玉座に腰掛ける皇帝の前に立つ男だ。


「カイザエルよ……『御子』は神龍の加護を得ているとはいえ、元々は人なのだ。神龍様は『御子』とする者を自ら選別なされる。故に人徳を持った者が『御子』になり、恐怖する者ではない」


「では、何をその様に御顔の色が冴えないのですか?」


その問いにヴァンヘルムは玉座に背を任せると、玉座の間の天井に描かれた絵画に視線を向ける。


「余が畏怖するのは―――紅神龍様だ。あの御方の眼はヴァーミリオンのみならず、この北部ノルドのあらゆる国を見渡しておられる……この北部ノルドを縄張りとされる神龍の眼を誤魔化すことなど出来ぬ。特にこのヴァーミリオン皇国はな」


その言葉を聞いたカイザエルは、


「―――それは物心ついた頃より、父上を始め城の重臣達から教えられて参りました。紅神龍様とはそれほどの御力をお持ちだと?」


「あの御方が本気になられたら、この北部ノルドの人族、他の種族達の治める国々など尽く滅ぼされるであろうよ」


それは生まれてからずっと至高の存在であり、カイザエルにとってヴァーミリオンの頂点に君臨すると崇拝して止まない皇帝の口からもたらされた衝撃の言葉だった。


「ですが……紅神龍様はそのような暴挙をなされる御方ではないと、私はそう考えているのですが?」


平静を取り戻してヴァンヘルムにそう問い掛けるカイザエル。


するとヴァンヘルムは自嘲気味に笑いを零すと、


「ハハッ……カイザエルよ。よく憶えておくとよい……神龍にとって我等の命など、等しく軽々しきものよ。このフロンテ大陸を四つに分けて縄張りとする四大神龍にとって、自らとその眷属以外の存在は心に留めるほどの存在ではないのだ」


「まさか、その様なことは……」


「いいや事実だ。お前もいずれ皇帝を継承する者であるならば、そこを履き違えてはならぬ。人の姿を取り、人の言葉を介することが出来るとしても、神龍自体が次元の違う存在なのだ」


そう告げるとヴァンヘルムは見上げていた天井を指差す。


カイザエルはその先にある絵画を皇帝と共に見上げた―――


―――そこには、


真紅の髪を風に靡かせる女と―――


―――その女と向き合う巨大な真紅のドラゴンの絵画が天井一杯に広がっていた。


「―――国母アルタニアと盟約を交わしたる真紅のドラゴン……それを描いたこの天井画だが、この絵が伝えようとしている意味は他のところにある」


「……どういう意味ですか?」


父の伝えたい意味が分からないカイザエルは、ジッと天井の絵画を見つめ続ける。


「それは―――実際に会ってみれば分かることだろう」


「―――えっ?」


そこで天井画から視線を外し、皇帝へと移したカイザエルだったが、そこで玉座の間に伝令が駆けつけた―――


「―――失礼致します!」


「許す……申せ」


玉座の前へ駆け寄って片膝をついて平伏する騎士に、続きを語ることを許したヴァンヘルムを見上げて、


「只今、紅龍城より―――巨大な真紅のドラゴンが此方へ向かっております!!」


「ッ―――ドラゴンだと!?」


その報告を聴いて真っ先に声を上げたのはカイザエルの方だった。


「来たか……よいか!礼を失するような真似だけはするなと、兵達に厳命せよ」


皇帝の覇気が戻った声が玉座の間に響く―――


「ハッ!―――承知致しました!!」


―――その命を受けて騎士は立ち上がって振り返ると、一目散に玉座の間から飛び出していった。


「カイザエルよ……我等も中庭へ向かうぞ」


「中庭へ?そこに紅神龍様が降りられると?」


「古より『御子の御披露目』の際には、中庭に舞い降りられることが決まり事となっておる」


そう告げながら玉座から立ち上がったヴァンヘルムは、


「さて……報告にあった『御子』がどれほどの者か、この目で確かめさせて頂こう」


少しだけ口元を歪めて笑みを浮かべながら、カイザエルと共に玉座の間から中庭へ向かうのだった―――






―――広大な首都の上空では、


その身を鏡のような真紅の鱗で覆い、陽の光を反射させながら舞う様に旋回する巨大な真紅のドラゴンの姿があった。


その神秘的な姿を目にした首都レッドの民は、


「オォ……紅神龍様が……」


「―――クリムゾン・ドラゴン様が空を舞っておられる!!」


「これは……何と美しい御姿なのか……」


―――空を覆わんばかりの巨大な体躯


真紅に染まったその姿は、空が燃えているかの如く輝きを放ち―――


―――やがてゆっくりと『セキト城』の上空へと接近して舞い降りてきた。


その様子はレッドの民ばかりではなく、セキト城へと集結している皇族や貴族達、そして多くの城を護る騎士達の目にも映っていた。


その中へ到着した皇帝ヴァンヘルムと皇太子カイザエルも、他の者達と共に上空を見上げる。


やがて地上まで滑空して舞い降りた紅神龍は、地上擦れ擦れで最後に大きな翼を羽ばたかせると、中庭に設けられた円型の石畳の場へ静かに着地してきた。


「……」


その光景を見ていた誰もが息を飲み、その視線は真紅のドラゴンに向けられる―――


―――するとその時、


「ムゥ……あれは……」


ヴァンヘルムの視線の先には、紅神龍の背中から舞い降りた人影があった―――


「オオォ……」


―――その姿にヴァンヘルムは目を見開く。


そこで石畳の上に降り立った者は―――




―――中庭を抜ける風が金髪に真紅の髪が混ざった、その長い髪を靡かせていく。


その身には苛烈な真紅の色に染まったドレスを纏い―――


―――その首には黄金の首飾りが纏われ、それにはこの場にいる誰もが見たこともないほどの大きな宝石が鏤められていた。


手首には黄金の腕輪が輝き、それにもまた宝石が光る―――


―――その髪には赤い宝石を鏤めた銀の髪飾りを頂き、


そして、その身に纏うどの宝石よりも輝く真紅の瞳が中庭の者達を見渡していった―――




―――中庭に集った皇帝、皇太子を始め、その誰もが降り立った美女に目を奪われていく中で、


(……やっぱり、このドレスと装飾は派手過ぎじゃない!?レギンレイヴぅ!!!)


イェンリンは独り冷や汗を流しながら、満面の笑みを浮かべて送り出してくれたレギンレイヴを少しだけ恨んでいた―――


「―――何を突っ立っているの?イェンリン」


そうして固まっていたイェンリンの隣で、紅神龍の巨体の周囲で渦巻いた真紅の『龍気オーラ』が晴れた中から姿を現した紅蓮が話し掛ける。


「……いや、だって、此処……皇帝陛下の御城だよ?」


「そんなことは出発した時から分かっていたことじゃない?今更でしょう」


そう告げた紅蓮もまた、普段の衣装ではなく―――




―――真紅の糸と金糸で見事な刺繍が描かれた純白のドレスを纏い、


イェンリンとは意匠の違った首飾りを纏い、それには真紅の宝玉が輝いている―――


―――両手首には黄金の腕輪が光り、


耳には銀の飾りが揺れ、風に靡く真紅の長い髪には宝石を鏤めた黄金の髪飾りが紅蓮の神々しさを引き立たせていった―――




―――セキト城の中庭に降り立った美女達。


中庭に吹き抜ける風が二人の長い髪を靡かせ、その光景はまるで一枚の絵画のようだ。


誰もが見惚れている中で、その二人を突然の突風が包み込んだかと思うと、


「ッ!―――なんと!?」


「あ、あれは……紅の戦乙女クリムゾン・ヴァルキリー……」


イェンリンと紅蓮の前に鏡面のように磨かれた真紅の鎧を纏い、白い羽根が施された羽根兜を被る十二名の美女が左右に広がって、その場に姿を現したのだ―――




―――『紅の戦乙女クリムゾン・ヴァルキリー


左側に立ち並ぶ―――


―――筆頭フレイア


―――第二位ブリュンヒルデ


―――第三位スクルド


―――第四位ヒルド


―――第五位ゴンドゥル


―――第六位スルーズ


右側に立ち並ぶ―――


―――第七位フロック


―――第八位ゲイラホズ


―――第九位ランドグリーズ


―――第十位ラーズグリーズ


―――第十一位レギンレイヴ


―――第十二位アルヴィト




―――先に現れた二人の美女とは違う、また別の美しさと同時に強さを振り撒く力の象徴とも言うべき神龍の眷属達に、その場で立ち尽くす皇帝達は背筋に冷たいものが走るのを感じていた。


(これが……たった一人でも一国の軍に匹敵すると謳われた紅神龍様の眷属達……その頂点である十二人の戦乙女……)


ヴァンヘルムは皇帝としてこれまでに見知った紅の戦乙女クリムゾン・ヴァルキリーもいたが、こうして十二名が全員揃っての姿を見るのは初めてのことだった。


「……なんと美しい……」


その隣では絶世の美女が揃う紅の戦乙女クリムゾン・ヴァルキリーに心を奪われるカイザエルの吐息混じりの声が響く。


しかしその光景は周囲にいる皇族、貴族達もまた同じだった。


誰もが見惚れる景色の中で、


「……ねえ?誰も何も言ってこないんだけど、これって無礼だから許さないって話にならないわよね?」


静まり返った中庭の光景を見て、イェンリンは隣の紅蓮に不安な思いを吐露する。


「馬鹿ねぇ♪ 貴女が余りにも綺麗だから、皆見惚れているのよ♪」


(―――絶対ウソだ!!)


そんなイェンリンの不安を別の角度から薙ぎ払う紅蓮の笑顔が、余計にイェンリンの不安を煽っていく。


すると群衆の中から独りで前に出てきた者がいた。


「……あれが皇帝―――ヴァンヘルム=ホウム・ヴァーミリオンよ」


そう耳元で囁く紅蓮の言葉に、イェンリンの心臓はドクンッと強く鼓動を打つのだった―――



いいね・ブックマーク・評価☆☆☆☆☆採点いただけますと励みになります。よろしくお願いします。



レビューも記入して頂けますと励みになりますので、宜しくお願い申し上げます。

感想頂いてとても励みになります!

誤字報告も本当にありがとうございます!


これからも宜しくお願い申し上げます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ