25.プレゼント
さっき俺が通行人に茶化された場所に向かうと、遥香がまさに買い物を終えようとしているところだったので、俺は遥香が買い物を終えるのを見計らって、走って遥香の所に向かった。
「おおーい、遥香ーーっ!」
向かいながら、俺はそう呼びかける。
「あっ、かいくん。」
そうか細い声で俺の名前を呟いた遥香はさっきのことを思い出したのだろうか、可愛らしい顔を真っ赤に染めていた。
「それで、どうしたの?」
今までに見たことのない遥香の表情に見惚れていたのか、刹那の間、俺の頭は真っ白だったが、すぐに気を取り直して、
「うん、さっきのことで謝りたいと思って・・・」
「えっ、あっ、べ、べつにもう大丈夫だよ。怒ってもないし、ちょっとびっくりしちゃっただけだから。」
そんなふうに言ってくれた。
「ありがとう。ところで上手く買い物は出来たのか?」
「うん、実は・・・金貨3枚も使っちゃったの。店の人が元の値段より高くしてきてね。そこで争うのも面倒だったから、言い値で買ってきちゃった。」
なんというか反応に困るな。
確かに俺が見たときは金貨2枚だったから、吹っ掛けられているのか。
「ああ、そうなんだ。ところで、遥香に渡したいものがあるんだ。」
「え?なんだろう?」
俺は袋の中から梱包されたミーシャが作った服を取り出した。
「え〜?なんだろう、それ?」
遥香はきょとんとした顔をして、首を傾げながらそう言った。
「はい、これだよ。また、落ち着いてから開けて。」
そう言いつつ、俺はその服を手渡した。
「ありがとう。かいくん。さっきのことを気にしてくれたんだよね。ちょっと気にしすぎだし、本当に鈍感だね。」
「貶すか褒めるかどっちかにしてくれないかな。」
俺たちはそう言って笑いあった。
こんな風に笑いあえるのは幼馴染だからなのだろうか。
ひとしきり笑った後で、遥香に話しかけた。
「じゃあ、みんなも待ちくたびれているかもしれないし、そろそろ行こうか。」
「うん、そうだねっ!そろそろいこっ!」
そう言いあって、俺たちはロランのところに戻り始めた。




