モノリスちゃんとクソトカゲの力
モノリスだ。
モノリスがある。
一辺長さ30センチ高さ60センチくらいの薄紫と薄緑の線が入った光るモノリスだ。
あっきらかな人工物だろ。
クソトカゲの真下からニョッキと生えてきたぞこれ。
「ソル、ナニコレ?」
『あぁこれねほら言ってたやつ。変化うんたらかんたらの1つ。まぁゲームクリア報酬みたいなもんだよ。右手で触れながらクエストクリアって言ってみて』
「信じるぞ?色合いめっさ毒だけど。てかお前脳内ガイドの割に随分テキトーだな」
右手の人差し指だけで触れ、『クエストクリア』と言う。
すると、モノリスの輝きが一層増し、触れていた上部の石が上にズレてきた。
『ほら言ったじゃんビビリー』
中からは先程使用した.44マグナム弾50発と書かれた半透明の箱が出てきた。
これで残りの弾数は61発となった。また襲われるといけないし、予備弾倉含めた3つに満タンにしておこう。すると残りは37発か。弾が増えたとはいえ無駄遣いできるほどではないな。
『インベントリのディスプレイに入れたいものを押し込むと入れることができるよ』
なるほど。忘れないうちに入れておこう。
ちなみに弾を取ったモノリスはアスファルトの中に沈んでいった。
『ソル君からの〜追加情報〜♪』
「何?」
『どっちかの手で摘むような形でクソトカゲに触れて、吸収って言ってみて♪』
「はーいよ」
ウロコの様な部分を摘んで『吸収』と唱える。
あのデカいクソトカゲの死骸が…
ちゅるんと右手の中に吸い込まれるように消えた。
『「するとぉ…?」』
『アイツの能力を、手に入れる事ができまーす!』
え、俺ヤなんだけど舌が伸びんの。味音痴ではないからそんなにも味蕾はいらねえっての。
『それじゃないよコイツはトカゲだろ?手足の爪が硬くなるのと、筋力が強くなるんだ。』
「そんだけ?」
『他にもあるだろうけどいきなり全部手に入れる事は出来ないよ。あくまでもちょっとずつ、全部あげちゃうと一度の変化に身体が耐えられないし、強くなったり、アイツら殺す意欲が減ってしまうだろ?』
『ちなみにこの潜在能力は管理者様が今突貫で作ったやつだよ』
「それもう潜在能力って言わなくない?」
『そうだよねぇ』
ふと、このトカゲが何かを食べていたのを思い出した。何なのかは予想はつくがやはり覚悟は決めるべきだろう。
(やっぱりか…)
思わず口を手で覆う。
血溜まりと銃を持った左手。
それ以外、何もなかった。
見るだけで気持ち悪くて吐きそうになる。
クソトカゲは何ともなかったのに、人が死んだら罪悪感を覚えるのは何故だろうか。
「どこの誰かは知らないけれど、お前の分まで生きてやるよ…辛かったろうが…がんばったな」
これぐらいしか言う言葉が見つからない。
握られた銃を拾い上げ、インベントリに入れる。
血を拭ける物は持っていないが、せめて腕は近くの土に埋めて埋葬してあげる事くらいは俺でも出来た。
「じゃぁもろもろ済んだし、大学向かいながら変化事について教えてくれ」
『はいよぉ〜♪』
ゆっくりとした足取りで前を進んで歩き出す。
これからに不安しかないけれど、この2人ならなんとかなる気がした。
第一章的なのは終わりかな?




