キミらが見てた宇宙はニセモノです!拍手!
殺した。イキモノを。
襲ってきたとはいえ、異星人とはいえ、殺すのはいい気分じゃない…
なーんて思うかと思ったけれども、そこまでイヤな気持ちは起きなかった。むしろ清々しい気分だ。これはクソトカゲだっからなのか単純に生まれた時からの性だったのかはわからない。そんなことを気にする必要もない。
『ソル…ソル…ソル…うん、割としっくりくるかも』
「ソーですか」
散らばった弾を回収しながら少しばかりソルと雑談をする。
『あ、そうそう』
「なんだよ」
『何か変わったことはない?』
「まさか!お前何か」『してない!してない!身体に害のある事はなぁんにもしてないよ!』
「じゃあなーにしたってんだ!言ってみろ!」
『頭揺らすな!視点共有してんだよ!話すから!酔う酔う!うっ』
ちょっとキモい真実を知りながらも頭を揺らすのをやめると素直に話し始めた。
『頭、打った時はちょっと血出てたけど今は止まってるでしょ。てか痛みも何ももうないはずでしょ』
言われてみれば血は止まってるし痛みも消えてる。
『アイツら殺すと鎮痛効果と怪我も少し回復するんだよ』
「スマホではそんな事書かれてなかったぞ」
『当ったり前でしょう。世界の変更点や付与されたものはたっくさんあるんだよ。いちいち読み上げてたらその間にさっきのクソトカゲみたいなのにやられて即お陀仏だよ』
「てか結局何がどうなってこんなことになったんだよ」
『分かった。えーっとまず大前提として聞いてほしいんだけど、君たちが見ていた宇宙はニセモノだよ』
………はぁぁぁぁぁ?!
「なら今まで見ていた空の星とかはなんなんだよ!」
『太陽系の周りは壁で、要所要所で広げたり縮めたりしてるの。スクリーンを映し出した感じで偽装してるんだ』
「なんでわざわざそんな事を?」
『君たちに壁の外を感知されて混乱されないようにするためだよ』
「なら冥王星どうなんの?あれどっちなんだよ」
『あーあれ範囲内に入れるべきか検討中なの』
「どういう事だ?」
『物とか法則とか能力とかなんでも作れるし制限なんてほぼないんだよ。あるのは命くらい?かな。キミらが見てた遠い惑星は、そこにあるけど存在しない虚空の世界の物なんだ。虚空の世界はいくつもの寿命が尽きた銀河でできてて、虚空の世界の物は今までの寿命が尽きた銀河たちで作り上げられた世界なんだよ。その中から好きなだけ持ってこれるし好きなだけ作り変えられるんだ。そしてこの銀河の命も尽きれば虚空の世界の物になるんだ』
「なら壁の向こう側は?何もないのか?」
『いや、君らが見たことのない全く別の法則で成り立ってる銀河が隣接してるんだ。アイツらはそこの世界の住人ってわけ。そのいくつもの隣接する世界の隙間に存在するのが虚空の世界なんだよ』
なる?ほど?
『だから無闇矢鱈に壁を広げちゃうとあっちの銀河や世界の法則や物を混じらせてしまうんだ。』
もうすでにきてんじゃん。
『虚空の世界の隙間から入ってくるとは思いもしなかったんだ。あっちは食料や資源が常に不足してたみたいだしきっとそれが侵略の理由だよ』
「好きなだけ持ってこれるし好きなだけ作れるって言ったのはそっちだろ?なんでわざわざこっちに来るんだ?」
『それぞれ銀河には必ず管理者っていう存在がいて、ていうか銀河それ自体が管理者なんだ』
それが?
『銀河の設定を変えるにしろ虚空の世界から何か持ってくるにしろ決定権は管理者にあるんだ。太陽系の管理者は熱心で優しい存在だからいつも献身的なんだけど、隣の銀河はそうじゃない。要はサボってほったらかしにしたせいで、あっちの銀河は世紀末で天災だらけ。そんな中であっちの銀河は平和だぞってなれば来たくなるのも無理はないよね。あっちの世界にちゃんとしたルールがあったかは知らないけれど、基本的に別銀河への干渉は禁じられているんだ。両方の銀河のル法則や性質が混ざり合ってどちらとも破滅に向かわないようにするためにね。だから必死になって追い返そうとしてるんだ』
『まぁ長々と話したけれども結局キミらが見てた宇宙がニセモノだったのは銀河の破滅を防ぐためさ。キミらに事前に真実を伝えることもできたけど、そうすれば人類は皆堕落して全てを管理者に丸投げするようなことになってしまう。僕たちはあくまで管理者だからね、極力接触は避けたかったのさ』
「なるほどな…だいたい分かった。けれどちょっと情報量多すぎて疲れてきたからあとで変化した法則とかを教えてくれ」
『いいよー』
ということで、一旦区切り目として先ほどのクソトカゲの残骸を片付けることにした。
貴様!読み飛ばしたな!




