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昆虫博士

崩れた建物の間を2台の車は進む。


『♪〜〜♪』


車の中では、夜の博物館で人形達が踊り出しそうな音楽がかかっていた。


「そういえば文康。イジメられたって前に言ってたけど、何があったんだ?」


「あ…えーっと…ね…高校デビュー失敗しちゃったんだよ僕。張り切りすぎちゃってね。それで皆にイジってもいい奴みたいな扱い受けちゃって、それがどんどんエスカレートしちゃったんだよ」


「親御さんは?先生にも言ってないのか?というかお前の親御さんは今どうしてるんだ?」


「言っても信じてくれなかったんだよ。今は2人がどうなったか知らない。はぐれちゃったんだ。もし生きてたら、昨日のライブを見てこっちに来るかもね」


「寂しく…ないのか?」


「ううん。いつも家では喧嘩ばっかだし、最近は変な宗教にはまっちやってたから。成人したら縁を切っちゃうつもりだったんだ。だから丁度いいんだ」

首を大きく横に振りながらそう言う。


「そうか…なら俺らと一緒だな」

「え?!」


「私達も親に絶縁状叩きつけたの。あの慌てっぷり様。見てて滑稽だったわ」


「アルバイトで一人暮らしは大変だぞ〜!」

ケインが振り向いてそう言った。


「ケイン。前」


「わ〜ッてるよ!」


それから目的地に到着するまで、俺らの高校エピソードを話す事になった。


  △▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△



「着いたぞ」

先に着いていたライアン達が窓の外からそう話してきた。


ここが△☓番地十字路。冬美がハチとトンボのキメラを見つけた場所だ。


やはり建物は倒壊し、あちこちに頭がすっぽりと入る大き穴が空いている。


そして十字路のド真ん中には、大型トラックがすっぽりと入るサイズの大穴があり、底が見えなかった。


「スズメバチの特性と、トンボの特性を合わせ持つのだとしたら、この大穴が巣で間違いないようだ」


「体がスズメバチなら、針がある。おそらく壁に空いた穴は針で刺して空けたのだろう」


「だとするなら、トンボの特性は一体何…?」


「複眼だよ。約270度の広い視野を持ち、素早く移動する物に対する察知力が凄まじい。逃げれば逃げるほど捕捉されやすい。しかも約1万〜3万の複眼による動きの予測ときたもんだ。まさに狩りに特化したキメラだよ」


「大地お前詳しいんだな!」

「僕は空だケイン。次間違えたらコロス。兄弟で名前を間違えられるのは、すごくすごく腹が立つんだ」

「スマン」


「それで?弱点はないの?」

桜が質問する。


「前後ゆっくり動くもの、完全に止まっているもの、超スローな動きをするものをうまく認識できないんだ」

なるほど、動体視力に特化してしまったが故の弱点か。


「ならばする事はひとつ!」

そう言ってライアンは銃を空に向けて連射する。


「だるまさんがころんだだ」


触角によって衝撃を感じ取った。キメラが大穴からいくつも現れる。


世界一危険なだるまさんがころんだが今始まる。

双子の話は筆者の経験談です。名前間違えられると本当に腹立ちます。


この作品が面白いと感じてくれたそこのあなた!運命のダイスロールをして、偶数だったら評価をお願いします!

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