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7 Merry Merry White Christmas


 動きやすさと威厳を天秤にかけて、煌びやかに飾られた動きずらい服。


 華美すぎるほど眩しい世界を外から眺めて、薄い笑みを張り付けたまま唇を湿らし、大人たちの話を聞く。

 セラフィンの地位目当ての愚鈍ならまだマシな方だ。セラフィンに対する異常な執着を隠さなくなってしまったおばさん達も、一応貴族なのだからこの場にいる。


 ――でも、ため息すら出てこない。


 笑みを作って、望まれた答えを探す。たとえそれが間違っていても。

 この人たちが望むのなら、それが”丸”だ。花丸満点。出来ないなんて答えは海の底に埋まってる。


 ふらり、と外に出た。


「………っあー……」


 大きな池の前にしゃがみ込んだ。

 目元をこすると化粧が崩れて、うっすらと隈が浮かんだ。


 治癒魔法で……。


「ウインド・ヒー………」


――ぼちゃん


 少し目を見開いた。ああ、しくった。バランスを崩したのか。

 コポ、と音が聞こえ、口から気泡がでる。


 きれいだ。


 ……水が入った。鼻が痛い。

 早く、上にあがっ……。


 上に伸ばした手がふいに止まった。


「……――」


 肌を刺すような冷たさが、最後の感覚だ。


・・・


「シア殿!」


 セラフィンを探していると、廊下の奥からシアが歩いてきた。


「アルヴァン様。どうかしましたか?」


 シアはにこりと笑って姿勢を正す。首のチョーカーが光った。


「セラフィン知らないか?」


「セラフィン様ですか? …………………セラフィン様は、よく頑張られましたよ?」


 意味深に微笑んだ。

 なんのこと、と聞こうとしたとき、シアは「では、呼ばれていますので」と頭を下げてアルヴァンの横を通った。


 アルヴァンの横を通った時の表情が、酷く印象的だった。


・・・


 キィーーーーーン。耳鳴りの音がする。

 でもそんな音が気にならないくらい、目の前の光景に絶望していた。


「――セラフィン?」


 笑っていた。


 生気のない目で。


 濡れているから、泣いてるかは判断が付かない。


 ただ、


 ただ、そこには――


「……ふぃん?」


 しゃがみ込んで、震える手で冷たい肌に触れた。

 その時、手の上に白い雪が乗る。


 ――喉がつぶれるほどに叫んだのは、何年ぶりか。


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