第三章 東方からの来訪者
夜哭との戦いのあと、急ではあるが蒼は正式に『退魔人』となった。祖父の陽炎が実質退魔人を引退したことで、15歳という若さにして世代交代となった。蒼自身はまだ緊張と不安を胸に抱いたままの状態で、今までよりも夜が恐ろしくなっていた。
しかし中々依頼は来ない。いつも村からの伝達や周りの環境の変化などから出動するのだが、夜哭との戦い以降妖怪は現れず、ちょっとしたあやかしが家周辺をうろついている程度だ。一応パトロールも兼ねて夜中に村の周りを探索しているが、やはり大きな事件はない。『紅き鷲』のメンバーが交代交代に見張り台で監視もしているがそれといったことはなかったという。こうして一週間が過ぎた。
朝、蒼は家の周りを散歩していた。木々の隙間から日光が漏れ出てくるのを見ると、この前の戦いの傷も忘れるような気がした。ちょうど村の門へ差し掛かったところでバルと会った。
「おお、蒼殿。こんにちは。この間の戦いの傷は癒えましたか?」
「こんにちは。まだ色んなところが痛くて、とてもじゃないけど高く飛んだり走りこんだりはできないよ。てか、その『蒼殿』ってやつちょっと抵抗があるかも。なんでそこまで敬語なの?他の仲間とかには普通に話してるのに。」
「ああ、少しあなたの祖父の陽炎殿に昔お世話になったことがありまして。そこから敬語を使っています。」
「うーん…でも違和感あるよ。蒼くんとか、蒼とかって読んでくれない?」
「では『蒼クン』と呼ばせていただきますね。」
「ああwやっぱ蒼って呼んでください。」
「わかりました。では蒼と呼ばせていただきます。」
「あと敬語も禁止。距離感がある。」
「そうですか…分かった、じゃあそうしよう。」
村についた。この前の夜哭との戦いでぼろぼろになった壁をみんなで直しているところだった。足場がかけられ、そこで村の人々が協力しながら壁をペンキで塗ったり、穴を塞いだりしていた。そこで働いていたビストは二人に気づくと、手を降って声をかけた。
「ちょっと二人とも、手伝ってくれよ。コッチはタクラの野郎がガミガミうるさくて困ってんだよ。ミナはどっか行ったし、何も面白くねえ!」
「はあ!?私とあんたは傷の治りが早かったからみんなの分やってんの。わからないかなあ。」
「あーあー聞こえませーん。」
「なにを〜っ!」
「おい足場崩れるだろうがバカヤロー」
「す、すみません。」
現場監督が怒鳴った。
「じゃあバル、僕はよるところがあるからここで。」
「そうか。私も用事があるから、またな蒼。」
蒼はバルと別れると、大通りを東にそれて、街の中央付近にある診療所へ行った。
「じいちゃん大丈夫かー?」
「おお蒼、どうしたんじゃ。」
「なんか家にいても一人だし、つまんなくてね。」
「帝国騎士団の四人はどうした。」
「ミナには会ってないけど、バルは用事があるらしいし、タクラとミナは傷の治りが早いからって壁の修理をしてるよ。」
「そうか。みんな働き者じゃのう。」
陽炎は納得したように頷いた。
「あっ、あとさ、あの四人って帝国騎士団じゃなくて冒険者らしいよ。たしか…紅き鷲ってパーティー名なんだって。」
「帝国騎士団じゃない?なぜだ。」
「たしか、騎士団幹部の人の命令らしいんだけど」
「エリトか」
「そうそれ。そいつが妖怪についていい加減な対策を取ってるっぽいよ。でも、絶対帝国騎士団より紅き鷲のほうが強いと思うんだよねー。だって連携取れてるしー、それに―」
陽炎は深く考え込んでいた。しかし蒼はそれに気づかず、永遠と紅き鷲の良さを喋っていた。
「あおいーいるのー?」
「あ、楓夏。どした。」
「どうせ暇だからここに来たんだろうと思ったんだけどさ、もしそうならちょっと付き合ってくれない?7番地の方で新しいカフェができたらしくってね。美味しそうだからいきたいって思ってて。私今日休みだし、いいでしょ。」
「まあいいよ。」
蒼は楓夏と二人で出かけていった。一方、陽炎はまだ考え込んでいた。
(エリト…)
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「あー、すっごい並んでるね…」
「まあ新しくできたって言うからな。そりゃあ混んでるさ。」
「でも来た以上は粘り強く耐えるわよ〜」
大通り沿いにできた『カフェ・タルト』
オープン前から村中に張り紙が貼ってあったので、宣伝効果は絶大だ。普段そのようなところに行かない蒼でさえその存在は1週間以上前から知っていた。どんな美味しいものがあるのかと期待しながら二人は列に並んだ。
30分が過ぎた。前に進めばいいのだが、なぜか全く動く気配がないのだ。二人はそろそろ限界を迎えそうだった。
「もしかして私、我慢できないタイプかも。」
「うーん…さすがにおかしいと思うんだけど、なにかあったのかな。僕見てくるよ。」
「まって、私も行くよ〜」
「楓夏が待ってないと最初から並ばなきゃいけなくなっちゃうよ。」
「…」
蒼は列を抜けると、先頭の方へ走っていった。中を覗くと、店員が慌てふためいているのがわかる。とりあえず先頭にいた人に声をかけた。
「全く列が動かないのですが、何かありました?」
「ここから聞こえてきたんだけど、中で変な生き物が暴れてるらしいんだ。なんか『あやかし』とか『魔物』とかかもしれないし、都合よく鳳さんいないかな―って勝手に思ってます。」
「僕が鳳です。」
「お孫さんね。でも陽炎さんが退魔人なんでしょ」
「この前世代交代しました。」
「エエ〜!? おお、そうかそうか。つまり君が退魔人ってことね。なるほどー…」
「すみません情報の伝達が遅れていて。」
「大丈夫さ。陽炎さんみたいに頑張ってくれよ。」
蒼は扉をゆっくり開けて中に入った。扉の前に立っていた複数人の従業員の人はびっくりして蒼に出るよう言ったが、退魔人だと言ってその場をおさめた。
「実は調理場のところであなたよりちょっと低いくらいの高さの生き物が居座ってまして。それをなんとかしないことには何もできないんです。退魔人だと言うのならあいつを何とかしてください。」
「よし、じゃあ行ってみようか。」
蒼は剣を持っていなかったので、従業員が持っていたおたまを手に持って慎重に調理場に突入した。
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「まじでこいつ何なんだよ。」
蒼はてっきり子供の泥棒だと思っていたが(あやかしの類は影のあるところで活動するので除外した)実際は違かった。一見すると11才くらいの男の子なのだが、その頭には二つのとんがりがあった。その生き物は冷蔵庫を無心で漁っている。
「み、耳だ…」
誰かが言った。その子は蒼たちに気づくと、その耳を縮めて冷蔵庫の後ろに隠れた。ガタガタ震えている。
「ちょっと外に出ててもらえますか。」
従業員たちは外に出た。蒼はしゃがんでゆっくり話した。
「ぼくは怪しいものじゃないんだけど、君、大丈夫?すごい震えてるけど。」
「…ここで」
「え?」
「ここで捕まるわけにはいかないんだ!」
その子は突然頭突きをはなった。蒼の額に脳天が当たると、蒼は思いっきり後ろに倒れた。その隙に逃げ出そうとしたが、その子自身も衝撃でバランスをうまく取れず、座り込んでしまった。蒼が起き上がった。
「いてて…だから僕は捕まえようとしてるわけじゃないんだよ。ほら、名前は?」
「……ライト。」
「ライト君って言うんだね。君はここでは見ない顔だけど、どこから来たのかな?」
「そうだ、おれは向こうのガレシア列島国から来たんだ。」
「ガレシア…」
「妹がさらわれたんだ。助けたいんだけど、俺一人の力じゃ無理なんd…」
ライトはその場で倒れた。蒼は従業員に、楓夏のところへ行ってこっちに来てもらうよう指示した。
「楓夏、来たか。実は―」
「蒼が戻るのが遅くておかしいと思っていたら、まさかガレシアからお客さんが来るなんて。 …うーん、多分これは何日も食べていない感じだと思うわ。なにか食べさせて、休憩させれば大丈夫よ。とりあえず診療所に連れて行くわね。」
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「お兄ちゃん、こっち来て。」
「分かった待ってろ。」
ライトは妹と丘の木の下で座り込んだ。
「あっ、ちょうちょだ。」
妹は丘の向こうへ走っていった。
「こら待てよ〜。」
その時だった。死角から二人の人間が現れた。その二人は走っていったライトの妹を見ると、腕を強引に引っ張り、そのままカゴに素早く入れた。
「こいつを連れてくぞ。」
「へへっ、いい金になりそうですねえ。」
「まて、おれの妹を返せ!」
「なんだ貴様?お前は貧相だなあ。貴様みたいなやつはそこら辺で死んじまえ!」
男の一人がライトの腹部を思いっきり蹴りつけた。ライトは後方へふっとび、なんども咳をした。息がうまくできない。妹が助けを求める声を聞きつつ、連れ去られるのを細目で見ながらライトは木の下で気を失った。
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「―クエラ!」
ライトは飛び起きた。そこは木が立つ丘の上ではなかった。ライトはベッドの上にいた。体を支えていた手でそこを握りしめるが、もちろん草は無かった。心臓がドキドキしている。息も荒い。近くで女の子がこちらを驚いた様子で見ていたが、妹ではなかった。それは楓夏だった。楓夏は椅子から立ち上がると、ベッドの横の棚の上にある果物が詰まったカゴからバナナを取り出してライトに与えた。
「あなた確かライトって言うんだっけ。多分お腹空いてるでしょ。とりあえずこれ食べて。」
「なんでおれの名前を」
「ああ、蒼から教えてもらったの。せっかくカフェに来て何十分も並んだと思ったら、開店早々コソドロが入り込んでいるなんて思わなかったわ。おかげでコソドロの看病をされるし、ほんとどうかしてるよ。」
「…すまない」
「いいのいいの。あなたって何か特別なことがあってこの村に来たんじゃないの?話してみてよ。」
「妹が、クエラがさらわれたんだ。おれ達は数少ない人国家に住む魔族なんだが、その子供は高く売れるって陰で噂にはなってたんだ。でも、本当にこんなことになるなんて… だからおれは一人でガレシア列島国から大陸までなんとか来たんだ。」
ライトは耳をぴんと立たせた。
ガレシア列島国。大陸の東、人国家ガルド帝国沿岸から行き来することのできる、まさに列島から成る人国家。ここも長年人と魔物が共存していたが、300年前の戦争によってほとんどの魔物は島を追い出され、南部の海洋を通って魔国家サブレへと移住し、かつて大陸で国を築いてきた魔物と同じく『魔族』と名乗るようになった。しかしガレシアにもまだ少しだけその魔族が住んでいた。それがライトたち獣牙族。戦争が起こったその日から今に至るまで島で迫害されてきた。
「ガレシアで助けを求めればいいじゃないの。」
「だめだ。人間なんか信用できない。他の仲間は抵抗する気力すらないんだ。」
「でもさっき蒼に助けを求めようとしたんじゃないの?今も私が看病してるし。」
「まあ… そう言われればそうなんだけど…でも、魔国家のおえらいさんのところに行かないと、魔族は助けられない。だから大陸に来たんだ。」
「魔族領まで行くの!?このまま真っすぐ西へ行ってもちょうどこの国のガルド帝都に着いちゃうし、かと言って北は寒いうえに未開拓の精霊の森だし、南下して海岸沿いを行ったとしてもニラウン連合諸国の重圧があるわよ。しかも、防衛線は危険だし…ほんとどうするの?」
ライトは黙り込んだ。ライト自身、大陸が今どのような状況に置かれているか分かっていないままここまで来た。そのようなこともあって、予想を遥かに超えた大陸内での両者の対立を知って自分の無謀さとクエラの安否のことですぐに頭がいっぱいになった。ライトの不安な様子を感じた楓夏は少し考えこんだ後、一つの案を提示した。
「じゃあさ、この村に今冒険者の人たちがいるんだけどその人たちに依頼してみるのはどう?結構腕が立つわよ。」
「そいつらは人間なのか?」
「まあそうだけど… でも、頼りになるし、この村には彼らしか依頼できるような人はいないから。頼む価値はあると思う。」
「…分かった、すぐ呼んでくれ。」
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ほどなくして、『紅き鷲』のメンバー全員が病室にやって来た。ついでに蒼も来た。どうやら武器屋に行ってしまっていたらしい。ライトを自分に押し付けたことや今までの無責任だったことについて楓夏は永遠と怒鳴り続けようとした。すぐにバルがおさめてくれたが、だれかが止めなければ夜まで続いていただろう。静かになったところで、ライトが事の経緯を話した。
「つまり、君のいたガルシアで妹を救出すればいいのね。いいわ。引き受けましょうよこの任務。」
「俺は反対だぜ。第一、なんで魔物の仲間を助けなくちゃいけないんだ。俺らの仕事は魔物と戦って護衛をしたり、探索をしたりすることだそ。」
「そ、そうだけどさ。せっかくここまで来たガキをそのまま帰すわけにも行かないでしょ。なんとか言ってよミナちゃ〜ん。」
「私は困っている人を見過ごせないのでタクラさんに賛成です。やはり人さらいは良くないので…」
「やっぱそうだよね。バルはどうなの。」
「ガルシア…あそこは領主に平民を蔑んで高い税金を払わせているような悪い連中が多いと聞く。もしかしたらその領主のうちの誰かが指示したとも考えられる。とにかくあそこは無法地帯だ。一刻も早く救助をしたほうがいいのだが…」
「なにか問題があるの?」
「まず、今はガルドの帝国騎士として働いている。そしてガルシアは地理的にガルドとの交流がほとんどだ。そのような姉妹国とも言えるガルシアで戦ったり暴れたりしたとして、この事件の犯人が貴族絡みだというのなら、もしかしたら我々はガルド帝国にいれなくなるかもしれん。」
バルは腕を組み、黙ってしまった。ビストも黙り込んでしまった。タクラはバルの考えについては心配しすぎだと思っていた。しかし、本当にそうなったとしてガルド帝国にいられなくなると、どこに行けばいいのか。帝国から南西に位置する人が支配する都市国家の集団、ニラウン連合諸国もガルドに頼っているため、追い出されるかもしれない。そう考えている中で、ライトと目があった。ライトの目はタクラに不安を伝えた。タクラはついに下を向いてしまった。
「皆さんそんなことでこの子の妹さんを助けに行かないんですか。行ってみないとわからないでしょう。」
「この子 …って、ミナと何かと同じくらいじゃねえか。」
「そっ、それはいいんです!大事なのは妹さんがさらわれた事実です。私は、そんな目先のことに目がいかないビストさんや、変に気力で押し通さないタクラさんを見たことがありません。いつもみたいに、引き受けてあげましょうよ。助けてあげましょうよ。」
突然長々と喋りだしたミナに、その場にいた一同はぽかんと口を開けた。すぐに我に返ったタクラは話しだした。
「そうよ。こんな面白そうな仕事、なかなかないわ。そう考えればいつもと変わらないのよ。人だろうが魔族だろうが、金さえ払ってくれれば仕事を引き受ける。それが冒険者ってもんじゃない?ビスト。」
「…あーわかったよ。こうなったら魔物でも魔族でもなんでも救い出してやらあ!」
「しかし、そうなると帝国騎士の代わりはどうする。」
「この村前から退魔人ってのがいたんでしょ。だからもう蒼が村を守るってことで良くない?」
「そうですね。結局最近はあやかしとかは出ていないので、多くて一週間くらいの旅だからそこまで問題はないかと。」
さっきまでいないもの扱いだったのにいきなり名前を呼ばれた蒼はびっくりした。
「えっ!?ああうん。僕に任せて。ライトも、絶対に妹さんは見つかるから頑張って。」
「…そうだな。じゃあ早速だが明日ガレシアに出発だ。もちろん金はあるだけくれてやるから、絶対に妹を探し出してくれ。頼む。」
『了解』
紅き鷲のメンバーが答えた。
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「蒼よ。ちょっとこっちに来い。」
「え?」
家に帰ろうと廊下を歩いていた蒼は突然誰かに呼びかけられた。その方向を向くと、陽炎がいた。
「ドアとか窓が空いていてな。蒼たちの話が少し聞こえていた。で、ガレシアに行くとかなんとか言っていたらしいが、お前は行くのか?」
「ああ、退魔人の仕事があるかもだからここにとどまるよ。」
「その必要はないぞ、蒼。」
「どういうこと?」
「妖怪は、満月の日以外は例外でなければ絶対来ない。次の満月の日は2,3週間以上先の話だからそれまでに帰ってこれば問題はないのじゃよ。」
「待って、初めて知ったんだけど。じゃあ今まで警戒しまくった意味がほぼないじゃん。」
「まあそうじゃな。でも、例外の時もある。」
「それはどんな時?」
「詳しくはまだ解明されていないのだが、人の極端な『負のエネルギー』によって妖怪を発生させてしまうことがあるらしい。実はそっちのほうが一般的な妖怪や魔族よりも強いとまで言われている。」
「それは…ずるいな。」
「ははは。まあ滅多にないから大丈夫じゃよ。多分。」
(なんかすごい怪しいなあ…)
「とにかく、お前も行ってこい。 …そして、一つお前に任務を与える。これは仲間であろうと話してはいけないぞ。」
「うん…」
「ガレシアの王国図書館の禁書庫に行って、『ペグレロの書』を取ってくるのだ。もちろん、禁書庫だからお前だけでは入れない。そこで、わしの古い戦友であるアルデルトを訪ねてみろ。きっと助けになってくれるだろう。」
陽炎はそのあと何も言わなかった。蒼は『ペグレロの書』が何なのか、どう使うのかはわからなかったが、なにも追求はしなかった。そのまま頷くと、蒼は診療所を後にした。向こうの山に、半分太陽の光が隠れていた。
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夜も始まって間もない頃、村から東の方向にある森から黒い影が走り出した。それは木の下を巧みに伝って六波村へと移動していた。見張り台で見張っていたミナも、その影に気づくことはなかった。それは村の北の壁からナメクジのように伝って侵入すると、賑やかな村の中で突然消えた。
(恐怖セヨ…我ガ幻影ノ餌食二ナレ…)
読んでいただきありがとうございました。続きをお待ちください。




