みんなでご飯
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"ギリギリまで王都には、行きたくない"
と言っていたサイジュだったけれど、そうも言ってられなくなった。
呪いのこと。
アンファールのこと。
アシーダのこと。
報告することが山積みになってしまったからな。
行きたくなーいって、ゴネてたけどな。
冒険者ギルド本部に行く時には、父さんたちも一緒に行ってくれるそうだ。
悪目立ちしそうなんだけど?
しかもサイジュもだろ?
俺の周りには、顔面偏差値すげぇ人たちしかいねぇのかよ?
あっ、俺は普通だからな?
ちょっと童顔なだけだからな?
あれだ、モブだモブ。
背景に埋没するヤツだよ。
父さんたちは、なんだったら王城にも行くと言っている。
昔はよく行ったんだってさ。
マジかよ。
俺は行きたくないんだけど?
あー、そう。
俺の意見は聞いてもらえないわけね。
強制なわけかよ。
はぁぁぁぁ…。
とりあえず王都に出発する前に、なんか食べようぜ?
「父さん、これ渡しておくな。あとで母さんと食べてくれ」
そう言って、照り焼きラビット、ボアの生姜焼き、ボアの角煮とクッキー、マドレーヌを渡しておいた。
父さんも母さんもインベントリ持ってるからな?
「おー、どれも美味そうだな!」
「ホントねぇ」
父さんがインベントリにしまう。
「ミゲル、俺たちの分は?って言うか、今どこから出した?」
あっ、やべぇ。
サイジュにインベントリのこと言ってなかったな。
しかたない。
ここまで色々バレてるからな。
いまさら、もうひとつ増えても変わらないよな?
「あー。俺、実はインベントリを持ってるんだ」
「えっ!?あのどれだけでも入って、時間も進まないって言うスキルか!?」
俺は、秘密にしてくれとお願いした。
「それはもちろんだけど、ホントにミゲルはビックリ箱だな」
そんなことないと思うけど?
サイジュもだよな?
王子様だしな?
「ミゲルちゃん、今は何を食べるのかしら?」
母さん?
空気読んでるのに、あえてぶった斬ってくるよな。
俺はため息を吐いてから、
「今日は、新しいのに挑戦するつもり」
まぁまぁまぁ!って母さん喜びすぎ。
「【快適亜空間】発動。中で待ってて」
「わかったわー。ミゲルちゃん?マリンちゃんは?」
あっ、カバンから出すの忘れてたな。
カバンを開けると、スヤーっと寝ていた。
いつも飛び出してくるのに珍しいな。
全員で、亜空間に入り扉を閉める。
マリンの入っているカバンを母さんに預けて、俺はキッチンへ行く。
「じゃ、俺は料理してくるから、座ってくつろいでて」
「おう、こっちは作戦会議してるぞ」
王都での動きの確認をするんだって。
頑張って。
さてと、サイジュにもインベントリのことがバレちゃったことだし、インベントリに溜まっているフォレストスネークで、今日は唐揚げを作ろうと思う。
ずっと食べたかったんだよな、唐揚げ。
大量のヘビ肉をひとくちくらいの大きさにぶつ切りにして、しょうゆと酒、しょうがとにんにくで揉み込む。
しょうがとにんにくは、もちろんチューブのやつな。
何本分使うつもりなんだろうな、俺…。
そのくらいのヘビ肉の量だぞ。
漬け込んで味をなじませてる間に、揚げ油を用意して…って、唐揚げ粉はないよな。
いつも唐揚げ粉を使ってたんだけど。
しっかり味付けしてあるから、小麦粉でいいか。
片栗粉…もないな。
しかたない。
小麦粉だけでやるか。
小麦粉付けて余計な粉は落とす。
揚げて、余熱で火を通して高温の油で2度揚げをする。
というのを大量に繰り返した。
揚げる用の鍋は、2つお願いしておいて良かったぜ。
「ミゲル、まだなのか!?」
父さんの催促が聞こえてくる。
「あー、先に神様に送っちゃうから、もうちょい待って」
先に神様…。
先に…。
ぶつぶつ言ってるけど、気にしない。
3つの皿に、ドンと山盛りにして転送陣で送る。
きっと喜んでくれるはず。
俺たちの分もどんどん揚がっていくよ。
5つの皿に、こっちもドンと山盛りにしたよ。
マリンも起きてるな。
母さんに撫でられてるけど。
「出来たよー」
山盛りの皿を渡す。
「今日は出掛けないんだよな?」
「あぁ、明日の朝に出発する予定だ」
それなら、ビール飲んでもよくないか?
唐揚げにはビールだろう?
「みんなは酒飲めるんだよな?」
『みゅー!〔のまなーい!〕』
マリンから1番に返事が来たぞ。
飲まないんだな。
水でいいかな?
なんか果実水あったかな?
「父さんは飲むぞ!」
「お母さんものむわよ?」
「俺も飲むけど」
よしよし。
それなら、ビールを飲もうじゃないか。
「ちょっと待ってて!」
俺はビールサーバーから、ジョッキにビールを注いだ。
なんと、神様がガラスのジョッキも用意してくれてたぞ。
ありがたい。
みんなにジョッキを渡すと、
「これはガラスか!?中味はエールか?」
父さんが聞いてくる。
うん、そう言いたくなるよな。
「いや、ビールと言うんだ。エールよりもキリッとしてると思う」
そして、ジョッキは冷え冷えにしてある。
この冷たいのがいいんだよな。
こっちは、ジョッキは木製だし、エールも常温なんだよな。
だから、ビールを飲んだら、みんな驚くと思う。
「「「「かんぱーい」」」」
『みゅー!〔ぱーい!〕』
真似してるのか?
マリンは可愛いな。
「なんだこのビール?冷たくて美味いな!」
「しかもこのジョッキも冷たいわよ!?」
「ミゲルの言う通り、エールよりキリッとしてるな。美味しいぞ」
でしょでしょ!?
何て言ったって、俺の一押しの北のクラシカルなやつだからな。
って、ビールばっかり飲んでないで、唐揚げも食べてよ。
食べないなら、俺が食べるけど。
外側カリッと?サクッと?中はふんわりジューシーだぞ。
「うまーい!!!」
久しぶりに食べた唐揚げは、すっごく美味い。
自分で作ったけど、美味いって言うぞ。
唐揚げ食べてビール飲んで、唐揚げ食べてビール飲んで…エンドレスでいけそうだぞ。
『みゅみゅー!〔おいしーー!〕』
マリンもおいしかったみたいだな。
俺もマリンも、モリモリ食ってたら、父さんたちも食い始めた。
「なんだこれ!?すげぇ美味いぞ!」
「本当に美味しいわ。ミゲルちゃん、これなんのお肉?」
あれ?
言ってなかったっけ?
「フォレストスネークだよ」
「マジで?フォレストスネークって、こんなに美味かったか!?」
サイジュが驚いている。
「フォレストスネークも上手いんだろうけど、この料理方法が美味いんじゃないか?」
「そうねぇ、これなんて言う料理なの?」
あれ?それも言ってなかったか?
「唐揚げ、だよ」
「「「カラアゲ?」」」
唐揚げ美味しいでしょ?
ぷはぁーって、ビールも飲んでサイコーだね。
「ミゲルちゃん、お家用に少しちょうだい?」
あははは。
言うと思った。
「ちゃんとよけてあるよ。あとで渡すね」
「ミゲル、俺の家用にも少しくれないだろうか?」
サイジュの家って、王城だろ!?
食べるのって王様とかじゃないのか?
「王様が唐揚げを食べるのか!?」
庶民の食べ物だぞ?
「食べるだろ!?こんなに美味しいんだぞ!?」
マジで?
「クッキーとかの方がいいんじゃないのか?」
「あー、クッキーは妹が喜びそうだけど…唐揚げも頼む!」
うーん。
追加で揚げるか?
「ミゲルちゃん、作ってあげたらいいじゃないの」
母さんに言われたら、しかたないよな?
「わかったよ」
って、父さん?
ビール飲みすぎなのでは!?
それ何杯目!?
俺はその後、また大量に唐揚げを作った。
しばらく揚げ物はしたくないかも…。
おしらせ
4/25~5/10まで
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