アンミュール伯爵は勝ち誇る〜ヤーセギス(アンミュール伯爵)
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目の上のたんこぶだったボークーン一家が捕縛された。
いい気味だな。
もうアンファールじゃなくなったから、ボークーンでいいだろう。
同じ伯爵だと言うのに、こちらをいつも見下しおってからにっ!
しかもあの化け物みたいな娘を第三王子の婚約者に仕立て上げようとするなんて、なんて悍ましいこと。
うちのソーニャの方が、100倍は可愛いではないか。
ソーニャこそ第三王子に相応しい。
ソーニャも乗り気だ。
中々、婚約者が決まらなかったのは、このためだったに違いない。
引く手数多でもおかしくないんだからな?
領地持ちの伯爵令嬢だぞ?
ほっそりした姿に、私と同じ金髪にも見える薄い黄色の髪、若葉のような若い緑色の瞳。
優しい色合いの私の娘は、選ばれて当然であろう?
新しいアンファールが決定するまでに、まだ期間を要するはずだ。
その前に、ソーニャを第三王子の婚約者にすえてしまいたい。
我がアンミュール伯爵家が、王家の縁戚になる日も近いということだな。
まさかこんな幸運が巡ってくるなんて、ボークーンがやらかしてくれておかげだな。
第三王子に呪いをかけて、意のままに操ろうとするとか、正気を疑う。
王族に手を出すなんて、首が飛ぶのは当たり前だろう。
だが今回ばかりは、礼を言いたいくらいだ。
笑いが込み上げてきて、仕方がない。
バカなボークーンを目の前にして思いっきり笑ってやりたいところではあるがな。
だが、それは叶わんのだよ。
ボークーン一家は、全員牢にいれられているからな。
さてと、私はこれからどう立ち回るべきかな。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「お父様、お母様?このドレスでいかがでしょう?」
ソーニャは瞳に合わせた若葉色のドレスを身に纏っている。
「よく似合うぞ、なぁ?ハーシュ」
「えぇ、でもそのネックレスよりもこちらの方がよろしいのではなくて?」
妻であるハーシュは、小さなエメラルドが付いているネックレスよりも、大きなエメラルドをダイヤが囲むペンダントの方がいいと言っている。
私には細かいことはわからんから、ハーシュに任せる方が良いに違いない。
「うむ、ハーシュの言う通りにしなさい。ソーニャ」
「はい。お父様、お母様」
ハーシュはボルドー色の落ち着いた色のドレスを纏っているが、デザインはたぶん派手だ。
私もいつもよりも少し良い質の衣装を身に纏っている。
なぜ、こんな着飾っているのかと言えば、1週間ほど前に、王城からの使いのものから今日の日付を指定して登城するように言い渡されたからだ。
それも家族全員で、だ。
これはもうソーニャと第三王子の婚約のことだろうと、それしかないだろうと私達家族は慌てて衣装を用意したのだ。
そして、今日。
王城から迎えの馬車がやって来た。
もうこれは間違いない、そう思った。
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