魔石の買取
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買取カウンターには、ダンヴォルグのおっちゃんがいた。
「おー、ミゲル坊か」
「こんにちは」
ダンヴォルグのおっちゃんは、マリンのストレージのことも神獣を従魔にしていることも知っている。
だから、内緒で大量に買取してもらうならダンヴォルグのおっちゃんが都合が良い。
アレクサンドリールにも確認したよ。
神獣のためのダンジョンのことを話しても大丈夫かどうか。
買取に必要ならいいよーって軽い感じの返事をもらった。
俺の方が本当に大丈夫なのか心配になるくらいなんだけどな。
「今日はなんの買取じゃ?」
俺は小声で、
「大量にあるんだけど、別室でお願い出来ないかな?」
「あー、わかった。ちょっと待て」
おっちゃんは、その辺にいた人に会議室ひとつ押さえておけと指示を出していた。
なんかごめん。
俺だって出来るなら、普通に買取とかしてもらいてぇんだけどなぁ。
「で、今回はなんじゃ」
会議室に移動して、扉を閉めた途端おっちゃんに聞かれた。
「魔石なんだけどさ、大量なんだよ。出しても大丈夫かな?」
「ちょっと待て、大量ってどのくらいじゃ」
ちょっと言いたくない。
俺だって拾いながらなんでこんなに!?って思ったんだよ。
渋ってたら、容れ物が必要じゃろっ!って言われたので、仕方なく答えた。
「5,000くらい?」
「はぁぁぁ!?どこのダンジョンだっ!!」
そうなるよなぁ。
「それも含めて秘密なんだけどさ。おっちゃんは俺のマリン以外の従魔も知ってるだろ?」
「おうよ。神獣様じゃな?」
俺は頷いてから、
「その神獣様達が、自由に動ける場所がなくて運動不足気味だったみたいでさ」
「ダンジョンじゃダメじゃったのか?」
おっちゃんは腕組んで、どうなんじゃ?って言ってる。
「他の冒険者がいると、迷惑になるじゃん?攻撃されても困るしさ」
困った顔でそう告げると、おっちゃんもあぁーって顔をした。
「確かにそうじゃな。じゃあこれはどうしたんじゃ」
「それがさー、ホムラが直接"創造神様"に掛け合って、自分たちだけのダンジョンを貰っちゃったんだよ」
困ったことに…。
「なんじゃと!?神獣様専用のダンジョンじゃと!?!?」
「そうなんだよ。で、そこで暴れ放題狩り放題でさ…」
その結果が、大量の魔石なんだよな。
今回は肉も少し出す予定だ。
家1軒分くらいの肉が山積みだったからな…。
「それで魔石が5,000個と…」
おっちゃんも困ってるじゃないか。
「とりあえずデピュイにも手伝わせるか。あやつはマリンのストレージのことは知ってたよな?」
「うん。けど神獣のことは知らないと思うけど」
神獣のこと知ってるのって、クリスティアードさんとおっちゃんくらいか?
もしかしたらシェイラザードさんも知ってるかも?
クリスティアードさんがどこまで話したかわからないからなぁ。
「あーそうか。あやつにも話さんか?守秘義務の契約魔法がかかっとるからな、漏れることはないと思うが」
「そうなの?」
そんな契約魔法があるんだ?
なら、ありかな?
ダンヴォルグのおっちゃんがいない時でも、デピュイさんがいれば、買取してもらえることになる。
「どうじゃろうか?」
「うん、じゃあデピュイさんも巻き込んじゃおう」
俺がそう言うと、ダンヴォルグのおっちゃんは、がははははと笑った。
おっちゃんは、デピュイさんに空のアイテムバッグがあればそれを、なければデカ目の箱を持って来いと呼びつけた。
ギルドには何個かアイテムバッグがあるんだってさ。
秘密らしい。
俺もマリンを呼んで、スタンバイ完了。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ダンヴォルグさん、なんすか?」
アイテムバッグを持ってやって来たデピュイさんが、いつもの緩い口調にちょっとホッとする。
「ちょっと手伝え」
ダンヴォルグのおっちゃんに、命令されて、うへぇーって顔をしてる。
なんかごめん。
「あっ、ミゲルくんすか!ちわっす」
「こんにちは」
20代真ん中くらいの若いお兄さんなのに
副買取長だから、優秀なんだろうけど、どうもチャラくみえるよな。
話し方のせいなんだろうけど。
「デピュイ、ここからは秘密事項だ。いいか」
ダンヴォルグのおっちゃんの声のトーンが一段低くなる。
デピュイさんは、一瞬視線が鋭くなってすぐに元に戻った。
「了解っす。ミゲルくんが規格外なのはもう知ってるっすよ」
いや、俺は普通だぞ?
「まずミゲル坊には、マリン以外にも従魔がおるんじゃ」
「そうなんすか?ミゲルくんはテイマーでしたか!」
「違うよ?」
あれ?そうなんすか?って、俺とダンヴォルグのおっちゃんの顔を見てる。
「で、その従魔ってのが神獣様なんじゃよ」
「…はい?今なんて言ったっすか?」
「神獣」
デピュイさんの動きが止まってしまった。
再起動してくれないかな?
電源とかある?
入れ直そうか?
「マジで言ってるっすか?マジで神獣様を従魔にしてるっすか?」
俺が頷くと、
「えぇぇぇぇぇぇーーーーー!!!!」
そんなに叫ばなくても良くない?
これからまだ驚くことがあるのに…。
「デピュイ、うるさい。静かにせんか!」
「すんません、けど神獣様っすよ!?」
神獣様ってほんとに実在するんすか!?
伝説とかお伽話とかじゃないんすか!?
って、デピュイさんが大騒ぎだ。
「ミゲル坊、神獣様見せてやれんかの?」
あー、それが早いかも知れないけどさ。
「ホムラ達、またダンジョンに潜ってるんだよ」
「そうじゃったか…」
なんでまた戦利品が増える可能性が大なんだよな。
「どこのダンジョンっすか!?会いに行くっす」
うん、ごめん。
俺が入り口開かないと誰も行けない。
「落ち着かんか、バカモン!これからその話をするんじゃ!」
で、神獣自ら創造神様に掛け合って専用のダンジョンをもらったことを説明した。
「なんすか!普通には行けないダンジョンっすか!?」
「そういうことだね」
俺のギフトだからねぇ。
「ガッカリっす」
がっかりしてるヒマは多分ないよ?
「じゃから、ここからが儂らの出番じゃぞ、デピュイ」
「出番すか?」
そんなデピュイさんに、俺はニッコリ笑っていったよ。
「神獣達がドロップさせた魔石の買取お願いします」
「あぁ!なるほど了解っす!どこっすか?」
ダンヴォルグのおっちゃんが、
「アイテムバッグの口開けとけっ!ミゲル坊この中に頼む」
「わかったよ、マリン」
『みゅ?〔なぁに?〕』
「デピュイさんの持ってるアイテムバッグの中に、魔石入れてくれるか?」
『みゅ!〔わかった!〕』
マリンから吐き出された魔石が、どんどんアイテムバッグへと吸い込まれていく。
「いつまで続くんすか?どれだけあるんすか?」
「んー?5,000個くらい?」
「いやいや、嘘っすよね?とっくに5,000個超えてるっすよ!」
あれ?
マジで?
「マリン、あとどのくらいかわかるか?」
『みゅー?みゅ!〔んー?わかんない!〕』
そっか、わかんないか。
「どのくらいかわからないみたい。終わるまで待って」
デピュイさんの唇の端がピクピクと引き攣ってたのは見なかったことにしよう。
結局、魔石は13,000個くらいあったらしい。
あの一回だけでそんなに?
魔物ってそんなにいたか?
倒してもすぐに湧いてきたんだっけ?
ちょっと笑い事じゃないなぁ。
ついでに肉の塊も200個ほど買取してもらったぞ。
あれ?ちょっと待って?
ダンジョンのボス部屋以外の魔石って、銀貨1枚って決まってるって、ガンヴォルグのおっちゃんが言ってなかったか?
確認してみたら、その通りだと言われた。
魔石13,000個、つまり13,000銀貨。
1,300大銀貨で、130金貨。
13大金貨で、1白金貨と3大金貨。
かなりの大金なんだが!?
どうすんだよ、これ!!!
お読みいただきありがとうございます!
もしよければ評価もおねがいしますm(_ _)m
トーヤのテンションがあがります(笑)
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