食べてみてよ
「まずは、これから」
俺は、ヤマト煮のレシピと現物とヤマトの実をマリンから取り出す。
「これがヤマトの実ね」
直径5センチくらいの実だ。
「この中に甘辛タレが入ってるんだ」
「で、これがヤマトの実を使った料理なんだね?」
クリスティアードさんの視線が、ヤマト煮から外れない。
「うん、そうだよ。とりあえず食べてみて」
みんなは、肉を1枚ずつフォークに刺す。
「「「「「「うまーーーーい」」」」」」
この世界でも受け入れられる味みたいだな。
アレクサンドリールたちも喜んでたからな。
「ミゲルくん、この実の中のタレ?でお肉を煮込んだだけってことでいいのかな?」
シェイラザードさんに確認された。
「そうだよ。簡単でしょ?」
クリスティアードさんの隣で、
「これは酒が飲みたくなるのぉ」
ダンヴォルグのおっちゃんが呟いている。
「確かに、ギルドの食堂で提供してみるのはどうかな?」
クリスティアードさんが、肉を噛みながらぶつぶつ言っている。
その辺は、ギルドの偉い人が決めたらいいよね。
「で、次がシグレ煮だよ。シグレの実を使ったものだよ」
みんなの頭の上に???か浮かんでいる。
「さっきのヤマト煮とは、違うのかな?」
クリスティアードさんに聞かれた。
まぁ、そう思うよね。
「シグレの実は、ヤマトの実にショウガの根が入ってるんだと思う。ニオイが違うと思うんだ」
そう言ったら、みんながクンクンニオイを嗅ぎ始めた。
「本当だわ。違う匂いがするわね。と言うことは、味も違うのよね」
シェイラザードさんが、期待の目で見ている。
「食べてみたらわかると思う」
ショウガの味は、インパクトあるんじゃない?
俺が説明するよりいいでしょ?
「儂はこっちの方が好きじゃの」
ダンヴォルグのおっちゃんは、シグレ煮が気に入ったようだ。
「どっちも美味しいですけど、どっちもエールが欲しいですね」
レジーさんが、そう言いながら食べている。
これで、そんなこと言ってたら、どんどんお酒欲しくなるかも…?
「次いいですか?」
みんなが頷いたので、生姜焼きを出した。
「これは、ショウガ焼きです。ショウガの根、ショウユの実、シュガーの球根、湧きミリン、あとはダンジョンピッグですね」
「さっきのシグレ煮よりも、ショウガの香りが前面にでてるのね」
わかってるね、シェイラザードさん。
「そうですね、ショウガ焼きっていうくらいなので、ショウガが味付けのメインですね」
サイジュは食べたことあったかな?
まぁ、あったとしてもボアだったろうけど。
「これはまた全然違う感じで美味しいね」
煮込んだのと、焼いたのに味つけしたのとの違いかなぁ。
今回のは、漬け込むタイプじゃなくて、焼いてからタレを絡めるタイプにしたんだ。
たぶん材料的には、ほとんど変わらないはずだよな?
「次のも使ってるものは同じなんだけど…」
俺はそう言って、角煮を取り出した。
いい感じに柔らかく出来たんだよな。
「ミゲル、これはピッグなのか?」
サイジュが、角煮を見ながら聞いてきた。
「そうだよ」
「前に食べたのはボアだったよな?」
あー、前に食べたのはこっちだったのか。
「そうだね、あの時はピッグがなかったからボアで作ったんだよ」
ボアでも美味しかったけどね。
「ミゲルくん?お肉は代用がきくんだね?」
「っていうか、その辺は色んな肉で試してもらえばいいと思う」
好きなお肉で作ったらよくない?
「じゃなくて、登録時に肉の種類も登録しておけば、いいんじゃない?って話だよ」
あー、なるほど?
「でも、ピッグとボアしか試してないよ?改良して他の人が登録するのは別にいいんじゃない?」
美味しいものが増えれば、アレクサンドリールたちは喜ぶだろうし。
「あっ、忘れてた。その煮込んだ鍋にゆで卵入れて、味を染み込ませたのが、コレ」
俺は煮卵を出して渡した。
「これ、美味いよな」
サイジュは、さっそくかぶりついている。
肉にもタマゴにも。
つられてみんなも食べ始めたけどね。
角煮はやっぱりみんな好きなんだな。
結構肉ばっかり食べてるけどお腹大丈夫なのかね?
まぁ、美味しそうに食べてるからいいかな。
「次は、照り焼き」
「テリヤキ美味いよな」
食べたことのあるサイジュが、コクリと喉を鳴らす。
「このお肉は何かしら?」
「今日は、ダンジョンチキンだよ。これはなんの肉でも美味しいよ。ラビットでもスネークでもコッコ…なんでも合うと思う」
うん、これは美味しいよね。
「あら?ピッグやブルは?」
「あー、試したことないな、そう言えば」
豚とか牛は照り焼きって合うのか?
食べたことないからなぁ。
でも、照り焼きハンバーグってあった気がするな?
これもアレンジ加えた人が登録したらいいよ。
みんな黙々と食べてるから美味しいってことでいいんだよな?
「次が最後なんだけど、いいかな?」
みんなの視線が俺に集まる。
えっ?何?
「もう最後なのかい?」
クリスティアードさんが、残念そうに言う。
結構種類出したよな?
まだ物足りないの?
最後の食べてから言ってよ。
「今回はってことだよ。他の実とかでもレシピ出せるものはあると思うからな。とりあえずデミグラスの実で味付けしたハンバーグだよ」
「「「「「はんばーぐ?」」」」」
俺は、焼きと煮込みの両方を出した。
「2種類あるみたいだけど?どっちがそうなのかしら?」
シェイラザードさんが首を傾げる。
「いい匂いじゃな」
ダンヴォルグのおっちゃんが、早く食わせろと急かしてくる。
「両方ともハンバーグだよ。焼いたのと煮込んだのだな」
「食べてもいいかな?」
俺が頷くと、みんなが一気に食べ始めた。
食べて目を見開いてる人もいれば、ポカーンと口を開けたままの人。
おいしーと食べ比べてる人。
「ハンバーグは、色んなアレンジを加えられるからたくさんレシピ登録されるかもな」
俺が呟くと、シェイラザードさんが、
「たとえば!?」
と、前のめりで聞いてきた。
例えば?
そうだなぁ。
「中にチーズをいれたりとか?さっきのステーキソースで食べたりとか?照り焼きのソースからめたりとか?あとは…パッとは浮かばないけど」
トマトソースとかおろしポン酢とかって思い浮かんだんだけどさ、この世界にトマトとか大根ってあるの?
そう、俺全然野菜とかの確認をしてないわけだよ。
「なるほど?」
「その辺は料理人さんの腕の見せどころってことで」
よろしくって感じじゃダメなのかな?
そんな感じでレシピの登録を終えた。
あー疲れた。
サイジュが予想通りにレシピを全部手に入れて王城へと戻って行った。
料理長さんにアレンジ頑張ってもらってね。
お読みいただきありがとうございます!
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トーヤのテンションがあがります(笑)
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