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生まれたその日にダンジョンに捨てられた俺はドラゴンに育てられる  作者: トーヤ


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連絡網を駆け巡る〜ヴィーチェ

その日、久しぶりに幼馴染で親友のヴィクトリアから会いに行くと連絡が届いた。


当時、ヴィクトリアに想いを寄せているドワーフの男どもがたくさんいたにも関わらず、選んだのは魔族のルークと言う美丈夫で、婚姻して里から出て行った。


別に里から出るのがダメなわけでもないし、ドワーフ以外と婚姻するのがダメなわけでもない。


この20年の間に里に顔を出したのは、息子が産まれた時くらいじゃなかったかしらね?


そのヴィクトリアが会いに里に来ると連絡をしてくるなんて、何かあったのかしら?



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「ヴィーチェ!」


ヴィクトリアとルークが、全然変わらない姿で里にやって来たわ。


「久しぶり!ヴィクトリア!」


久しぶりの再会にハグでお出迎えよ。

相変わらずの筋肉ね。

さすが鍛治師。


「やぁ、ヴィーチェ。久しぶり」

「ルークも久しぶりね。レイチェルーヴァは?」


2人が息子のレイチェルーヴァを置いてくるはずがない。

2人の後ろを覗き込んでみる。


たまにやり取りしていたから、どれだけ2人がレイチェルーヴァを溺愛しているか知っている。


「そのことで話があるの」


ヴィクトリアの表情が陰る。


「長老とかも呼んだほうがいいかしら?」


ヴィクトリアとルークは、顔を見合わせて頷いた。


「お願い出来る?」

「わかったわ、とりあえず集会所に行きましょう」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



集まった長老やヴィクトリアを知るメンバーが再会を喜び合った。


みんなヴィクトリアのこと、大好きよね。

ルークが苦笑いしてたけど。


「で、何があったんじゃ?」


長老の問いかけに、ヴィクトリアが話を始めた。


「私とルークの息子のレイチェルーヴァは、実は種族が魔族でもなく、ドワーフ族でもなかったのよ」


えっ?

別種族の婚姻で生まれた子は、どちらかの種族になるはずよね?


「どういうことかの?」

「レイチェルーヴァは、"半魔"という種族だったのよ」


「「「半魔!?」」」


聞いたことのない種族ね。


「えぇ、魔族特有のスキルを持ち、ドワーフ族っていうか、私由来のスキルも持っていたの」


それってすごいんじゃない!?


「もしかして、レイチェルーヴァが攫われたとかそういうこと!?」


だって、そんないいとこ取りみたいな子を欲しがられてもおかしくないんじゃない?

そう思って聞いたのに、


「違うわ。私たちはルークの故郷に住んでいたでしょ?」

「魔族の町よね?」


確か鍛治師がいなかったから、ヴィクトリアは歓迎されたって言っていたわよね?


「えぇ。その町の町長が5年ほど前に代替わりしたのよ」


魔族と言えど、寿命は来るものね。


「その町長に問題があってね」


ヴィクトリアは言葉を濁す。


「ヴィクトリアからは言いにくいだろう。

俺が話す。

新しい町長は魔族以外を見下す傾向にあってな。

それでもヴィクトリアは町の唯一の鍛治師だからなんでもなかったが、

レイチェルーヴァは半魔だ役立たずだと蔑まれていたんだ。

同じ年頃の子供達も大人のマネをしてレイチェルーヴァをバカにする。

それでもレイチェルーヴァは、優しい子だからな。

みんなが困っていたら助けていたし、怪我をすれば治療をしていた。

そんなレイチェルーヴァをあいつらは追い出しやがった。

役立たずは出て行けと、俺たちが素材採取で町を離れている間にだ」


なんですって!?


「あのクソジジイどもは、レイチェルーヴァが役に立たないから自分から出て行ったとほざいたのよ!

私たちに黙ってレイチェルーヴァがいなくなるはずがないのよ。

もちろん使い魔がメッセージを持って残っていたわ」


ルークとヴィクトリアの怒りが魔力を動かしている。

ちょーっと、威圧が強いかしら?

落ち着いてもらえる?

2人の気持ちもわかるけど、私、倒れちゃうから。


「それなら、居場所はわかっているのね」

「えぇ、王都にいるわ」


攫われたんじゃなくて良かったけど、良くないわね。


ドワーフに連なる子を蔑ろにするだなんて、許せないわね。


「ヴィクトリアよ、お主たちはこれからどうするのじゃ?」


レイチェルーヴァのところには、行くのでしょうけれど…。


「王都に行くわ。もう魔族の町には戻らないつもりよ」

「あぁ、あんなクソジジイたちと同じ町にいることに吐き気がする」


ルークの故郷って言ってたのに、そこまで唾棄するほどなのね。


「荷物などはどうするんじゃ?」

「全部持って来たから、あの町には何もないわよ」


全部持って来たって、どういうこと?


「家や工房はどうするの?」

「だから、持って来たのよ」

「「「家を!?」」」


ヴィクトリアとルークは、面白そうに頷いた。


「えぇ、ルークのスキルよ」

「ならば、何も残ってないのじゃな?」


ヴィクトリアが頷く。


「ならば、ドワーフ族はあの魔族の町に一切の干渉をしない。今後取引をしないものとする。意見のあるものは?」


その場の全員が横に首を振る。

満場一致よ。


今から、ドワーフというドワーフに情報が巡るわ。


ドワーフ族に連なるものに手を出すとどうなるのか思い知るといいわ。


あー、楽しくなって来たわね。

お読みいただきありがとうございます!

もしよければ評価もおねがいしますm(_ _)m

トーヤのテンションがあがります(笑)


感想、誤字脱字報告もありがとうございます。


引き続き他の作品共々よろしくお願いします!


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