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ワタシ死ねないみたいです。あと○○になる方法、探してます。  作者: マナマナ


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76/79

みんな満月が待ち遠しい?

 私が立っている場所。

 それはハニエルの眠る保健室。

 学校が終わってそのまま来たのはいいけど、そこから先に進むことに心のどこかが躊躇しているみたいでそれ以上動けないままになっていた。

 扉は目の前。右手を伸ばしてノックをすれば中から返事があって入ることができる。

 そんなこと分かっているのに・・・

 でも今朝のこと、ハニエルの言葉がどうしても私は受け入れることができないでいた。

 

 怖かった・・・怖いんだ・・・私・・・

 

 もう一度。同じことを言われるんじゃないか。そんな気持ちがずっとぐるぐるしている。

 あの言葉がハニエルの本当の気持ちだなんて信じられないし信じたくもなかった。


「はぁ・・・」


「どうした?大きな溜息なんてついて」

 見るとこちらに向かってくるヴィヴィの姿があった。きっと目的は私と同じなんだ。

「・・・ヴィヴィ・・・聞こえたんだ?」

「はっきりと。で?なんで中に入らないんだ?」

「ヴィヴィこそどうしてここに?」

 分かっているのに聞いてみる。

「そんなの様子を見に来たに決まっている。それ以外何がある?」

「そう・・・だよね。それ以外ないよね」

「もしかして私のことを待っていたとか?そんなことないか。でもなんで突っ立ている?絶対に私より先にハニエルに会いに来ていると思っていたのに」


 ヴィヴィがいずれやってくることくらい・・・私だけじゃない、誰だって同じことを思う。


「・・・怖くて入れない」


 今の気持ちを正直に話した。

 それからこれまでにあったことを話す。


 ミウリルと一緒にこっそり様子を見に勝手に中に入ったこと。その時ハニエルが一瞬だけ目を覚まして私に放った言葉のこと。

 本当はこんなこと内緒にしておきたかった。

 でも今の私にはどうしていいか分からない。

 怒られてもいい。蔑まされてもいい。ハニエルの言葉が真実なのかどうか、それだけが知りたい。


 ヴィヴィの返答を待っていると何から話したらいいのか考えているみたい。

 私はただ黙ってヴィヴィのことを見ているしかなかった。

 やがて・・・今度はヴィヴィの方が溜息をついたように見える。


「そっか・・・確かにハニエルの言葉は嘘じゃない」

 はっきりとそう聞こえた。

「・・・ハニエルは私のこと・・・忘れたの?」

「忘れたというか、初めからなかった」

「どういうこと?」

「そうだな・・・記憶からなくなったというか、忘れたとかってことじゃなくて・・・」

 私が納得できる言葉を探しているように考えている。

「リセット。分かりやすく言うなら。ミュリエルと出会う前に戻った、という方が合っているかな」

「リセット・・・?これまでのことはなかったことになるの?ハニエルから私の記憶は・・・」

「そうだ。元々何もない。白紙状態になった。再び思い出すなんてことは絶対に起こらない」

 えっと・・・忘れたわけじゃない。記憶が消えたわけでもない。

 時間を巻き戻したとでも言いたいのだろうか?なんでこんな結果に?

「なんでこんな結果に?」

 想いは実際に言葉になっていた。それとこんなことになるなんて聞いていなかった。

「なんで?なんで教えてくれなかったの?」

「忘れていたんだ。ミュリエルに言われて思い出した」


 私にはハニエルとの記憶がちゃんと残っているのに・・・

 この学園に来た日。そこから始まって今の今までの記憶は繋がっている。


「最初から始めることになる。なにもかも」

「ハニエルはそうかもしれない。でも私は違う」

「そうかもしれない。けど後戻りはできない。儀式は終わってしまった。ミュリエルがもう一度ハニエルと友達になりたいなら受け入れてゆくしかない」

「もう一度?私はハニエルを知らないように、初めて会ったみたいに振る舞わないとならないってこと?」

「そういうことだ。そして今度はハニエルがあんなことにならないようにしなくてはならない。絶対に」

 そんなこと・・・・・・できるの?

 あんなに私達はお互いのことを求めた・・・・・・最悪の方向に進んでしまったけど・・・

 もう二度とハニエルと触れ合うことができない。いや、必要以上に関わることはしない方がいい。

 私と初めて会った時と同じなら、きっと私に対して特別な感情を抱いてしまう。そして私に近づいてくるだろう。

 そんなハニエルのこと。私は・・・・・・受け入れることなくやり過ごすことができるだろうか・・・記憶が残っている。だから自制できるかもしれないなんて・・・絶対に甘い考えだ。拒むことなんて・・・

 私は苦しい気持ちを抱えたまま、その度にハニエルのことを受け流してゆくしかないってこと?

 そんなの辛いよ・・・・・・辛過ぎるよ・・・残酷だって・・・・・・

 私も・・・ハニエルも・・・・・・どっちも可哀想・・・


「それで?会うのか?」

 ヴィヴィは私がどの程度覚悟を決めたのかを推量るようにじっと見つめて聞いてきた。

 もう一度・・・もう二度とあの日々は帰ってこない。それでも素直な今の気持ちは

「・・・会いたいよ・・・私には責任があるから」

「そういう覚悟なら一緒に行くか」

 頷くとヴィヴィは扉をノックする、すぐに中から声がする。


 ゆっくりと扉を開いてから

「失礼します」

 私達がやってくることが分かっていた。そんな感じの声が聞こえる。

「待っていたヴィヴィエル。さっき目を覚ました。それと私から簡単に事情は話してある」

 出迎えてくれたのは保健医の天使だった。

「ミカ先生。ホントですか?」

「嘘を言ってなんになる。ここは地獄だぞ」

 初めて会った天使。長い黒髪から性格が強そうな感じが漂っている女性の天使。

 役職らしく白衣を着ているが特攻服のようにも見えるのは着方のせいなのかもしれない。煙草を咥えた姿が似合いそうという印象を受けた。


「あの・・・」

「ミュリエルだったか。儀式の時よりも険しい顔をしているが安心しろ」

 先生とは初対面だが私のことは知っている。儀式の時は会っていないけれど、きっとどこかで見守っていてくれたんだろうな。

「あの・・・儀式の時はありがとうございました」

 私が頭を下げると

「頭を上げろ。私は特に何かしていたわけじゃない。儀式の間はずっとここで待機していたからな。大したことしていないんだ」

「そんなことありません。待機していたってことは儀式が終わるまでずっと待っていたってことですよね」

「まあ・・・そういうことになるな」

 先生はどこか歯切れ悪く言ってから

「ハニエルが待っているぞ」


 先生がカーテンの仕切りを開けるとハニエルはベッドに座って笑顔でこっちを見ている。


「・・・ハニエル」

 真っ先に進んでいたのはヴィヴィだった。そして軽くハグをする。その後ろ姿からヴィヴィが泣いているように見えた。いや実際に泣いているのかもしれない。今までだって何度も流す瞬間があったはずなのに今の今までずっと我慢していたんだ。

 それなのに私は自分自身の約束を反故していたことに胸が苦しくなっている。

「・・・おかえり・・・よかった」

「・・・ヴィヴィ、顔を上げて・・・簡単にくたばらないよ。大好きなヴィヴィのこと一人になんてしないんだから」

 あの時とは違う、いつも通りのハニエルの声。ずっと聞きたかった声に目頭が熱くなってくる。

 でも私は泣かない・・・・・・むしろ今気になること。私に向けられるハニエルの言葉が怖い・・・


 ヴィヴィとハニエルは十分お互いのことを確かめ合えたのだろう。離れると少しだけ距離が生まれる。その隙間からこちらを見ている視線を感じる。

 つい俯いて掛ける言葉を探していると

「・・・今朝、ここにいた天使・・・だよね」

 やっぱり私だと認識していない言葉が胸に突き刺さる。

「違うの?」

 ヴィヴィが肩に手を置いて

「ハニエルが聞いている」

「・・・分かってる・・・けど」

「そんな暗い顔をするな。素直に回復したことを喜んだらいい」

 そうだね・・・その通りだね

「おめでとうハニエル。私は・・・・・・ミュリエルっていうの」

「ありがとう。ミュリエル、今朝ここにいたよね」

「うん。覚えてたんだ・・・・・・あなたのこと気になって。迷惑だったらごめん」

 やっと顔を上げるてハニエルのことを見る。

 じっと見つめている視線の奥には初めて会った時と同じような優しさがある。それともう一つ。自分の興味を知りたい。そんな光も感じる。

「あのさ・・・」

「・・・」

「一人だった?違うよね。私にはもう一人いた記憶があるんだけど。同じ顔。もしかして双子なの?」

 どう答えたらいいの?どう説明したらいいの?

 けれど本当のことは長くなる。今は早く部屋に戻りたいと思っている私がいる。

「うん。双子みたいな・・・もう一人いた」

「なんか変な答え。でも・・・」

 じっくりと見られている。その視線に私は動けない。

「へぇ・・・楽しみ」

 小さい声だったけど確かに聞こえた。

 楽しみって?どういうこと?

「もう一人は?どこ?」

「えっと・・・彼女はここにはいないの」

「でも今朝はいた」

「それは・・・彼女にも協力してもらったから」

「協力・・・なら挨拶したい。お礼を言わなきゃ。会わせてよ」

 言葉に詰まってしまう。

「ハニエル。その機会はまた今度だ。今はまだ休む必要がある」

 ヴィヴィが私達の間に入ってくれた。

「なによヴィヴィ。邪魔しないでよ」

「そろそろ夕食の時間だ。戻らないと」

「夕食よりこっちが大事。ミュリエル、答えて」

「えっと・・・・・・いろいろあってすぐには無理なの」

「なんで?同じ学園でしょ」

「通ってるの私だけなんだ」

「?」

「だから彼女はここにはいないの」

「双子なのに?」

「だからいろいろあるの。でも会いたいなら連絡しとく」

 ハニエルはなんとなく残念そうな顔をして

「絶対だよ」

 私は頷いて答えることしかできなかった。

 

「お前達、そろそろ飯の時間だ。面会は終わり」

 先生が助け舟のように声を掛けてくれた。

「ミカ先生。私、もう平気です。みんなと一緒に御飯が食べたいです」

「そうか。経過は順調と。でもまだだ。私が許可するまでここで過してもらう」

「いじわる」

 ごねるハニエルを無理矢理寝かせて

「お前達、行っていいぞ」

「・・・はい。ハニエルまたね」

「ちょっとミュリエル。まだ行かないでよ」

「ハニエル。また来るから。早く良くなれ」

「ヴィヴィの薄情者」

「何を言う。私達は飯を食いに戻るんだ。腹も減った」

「私を一人にしないで」

 ハニエルのわがままは止まらない。

「落ち着け。どうしたんだ」

 先生が押さえ付けておかないとベッドから出てしまいそう。

「あの・・・」

 私はハニエルに近寄る。

「おい!ミュリエル!」

「分かってる。こうなったのは多分わたしのせい」

 ハニエルに抱きつく。

 その瞬間ハニエルの動きが止まった。

 微かに震えているのが伝わってくる。

「・・・・・・・・・知らないのに・・・知ってる・・・」

 ハニエルは私の首筋に鼻を付けて匂いを確かめている。熱い吐息が翳める。

 きっと失くした記憶を確かめている。私だってあの時のことを思い出していた。

「え?」

 聞こえるのは寝息だった。

「寝たか」

「先生・・・私・・・」

「気にするな。安心したんだろ。このまま寝かせておけ」

 ハニエルは気持ち良さそうに眠っている。いきなり眠りの頂点に達したみたいに屈託も苦悩なんて微塵も感じられない天使の寝顔があった。


 私達は保健室を後にして並んで食堂まで歩いた。

「ミュリエル。もうあんなことするな。また同じ目を合わせたくないだろ」

「分かってる」

 そう言ってみたものの

 元気になったハニエルは絶対に同じことをしようと近づいてくるだろう。その度に私はハニエルのことを遠ざけなくてはならない・・・そんなのいつまで続けられるの?さっきだって心が折れそうだったのに・・・・・・

 それにミウリルに会ったらどうなってしまう?本当に会わせてもいいのだろうか?

 でも私は約束した。嘘の言えない世界なんだ。

「・・・ヴィヴィ」

「?」

「私が負けそうになったら止めて欲しい。ホントは頼らないようにしたいけど自信が持てないんだ」

「それはお前自身が乗り越えなくてはならない。でもいざとなったら遠慮なく邪魔はする」

「ありがとう・・・優しいねヴィヴィ」

 私の中で最高の笑顔でお礼を言うと

「・・・ハニエルがイチコロなのも分かるな」

「ん?何か言った?」

「別に。ただの独り言だ。お、今日のメニューはカレーだな」

「いい匂い」

 その途端、いきなりお腹が鳴る。慌ててお腹を抑えてヴィヴィのことを見ると

「やっぱ違うか」

「また何か言った」

「気のせいだ。今日は腹いっぱい食おうな」 

 

 カレーの匂いに引き寄せられるように私達は食堂の中に消えていった。


☆☆★☆☆☆


「どうした?」

 振り返るとエプロン姿のラフィがいた。

「エプロン、似合ってる」

「だろ。いい主夫になる自信がある」

「変なの」

 私の隣りに立って

「月を見ていたのか?」

「うん。満月が近いって。ミュリエルが言ってたんだ」

「そうか」

 誘われるように外に出て月に魅入っていた。

 ミュリエルの言葉を信じるならもう一人の私、男だった私に会うことが出来る。

「あのさ、満月の夜出掛けてもいい?」

「ミュリエルか?」

「うん。約束したんだ」

「約束なら仕方ないか」

「いいの?」

「ここに帰ってくるなら」

「なにそれ」

「言っただろ。ワタシはいい主夫になると」

「だからなによそれ。だったら相手は誰なの?」

 答えることなく私のことを覗き込む。あまりにも近くて

「ちょっと近いって」

 ドキドキしている。もしかしてラフィって私のこと・・・まさかね・・・

「天使は嫌か?人間に戻りたいか?」

「そんな急に・・・だから・・・まだ・・・」

 そんな真剣な眼差し・・・反則だって・・・無意識に引き寄せられる・・・


「先生!焦げそうです!」

 

 リリエルの声にお互いビックリして

「いやなに。月がキレイだと思ってな」

「そうそう。月がね」

「は?・・・二人で何してたんです?」

「ちょっと変なこと想像しないでよ」

「させているのは誰ですか?ミウリル。あたしの目の黒い内は先生に変なことさせませんよ」

「私じゃないよ。ラフィの方が変なの」

「言い訳はあとで聞きます。それより二人は焦げたパンケーキを食べたいんですか?」

「おっと。それはまずいな」

 ラフィは急いで戻ってゆくのにリリエルは私の隣りにやって来て

「あと少しだったのに残念でしたか?」

「見てたんじゃん」

「見てましたよ。だって先生はずっとミウリルのこと気にしてましたから」

「そうなの?」

「はい。もう一人のあなた自身に会ったことで気持ちが揺れていると思っているのでしょう」

「確かにいろいろかな。でもまだ何の決まっていないし決めていない」

「でもいずれは決めないとならない」

「だね。まだ先のことだけど」

「ミウリルの帰る場所はどこですか?」

「え?どこって?今はここ」

「ならいいです。そろそろできますからミウリルも手伝ってください」

 リリエルはさっさと行ってしまう。

 もう一度月を見上げる。

 天使か人間か・・・そんな選択肢、こんなすごい選択肢を与えられた元人間ってきっと私達以外いないよね。ミュリエル、あなたならどっちを選びたいの?

 どっちを選ぶことが私にとっての天国になるの?

 実際に天界に行った。そこは現世と同じように生活がある。ここ地獄だって同じこと。

 でも自分自身の天国って考えたら正解なのだろうな・・・・

 今はまだはっきりとは分からないし決められない。


「待ってよ。私も焦げたのなんてイヤだから」

 少し遅れて私も家に戻っていった。


 中からは香ばしいバターとチーズの匂いがする。同時にお腹が鳴る。

「正直な身体だね。私も手伝う」

「やっと来ました。じゃあお皿を並べてください」

「は〜い。ラフィ」

「ん?」

 盛りつけている途中だった。

「ありがとう」

 最高の笑顔でお礼を言うと

「・・・・・・・」

「どうしたの?」

「・・・いや、なんでもない」

 なんとなく顔が赤い。それって焼いているのが熱かったのかな。

 見つめ合っている私達の間にリリエルが入ってきて

「はいはい。焦げないのは良かったです。今度は冷めたら美味しくないですからね」

「分かってるって。じゃあ持ってくね」


 私のこと変だって言ったラフィだって今日は十分変だよってあとで絶対に言ってやるんだから。


 出来立てのリコッタチーズのパンケーキをご機嫌に運ぶ私がいた。


★★★★★★


 ベランダに出て月を見ている。

 そう言えばひと月前も同じように気になっていたな。

 あの時は何かあったような気がするが思い出せない。思い出せないということはそんな大したことじゃなかったのかもしれない。

 だから今の気持ちもただの気のせい。それよりも今はもっと気にしていることがある。


「・・・腹減ったな」


 スマホが震えている。見ると誰か分かる。ちょうど話したいと思っていた。


「もしもし」

『あたし。今平気?』

 電話の相手はサッカー部のマネージャーでおまけに最近彼女になった一つ上の先輩。

「まどかさん。平気です」

『ちょっと〜。言ったよね。二人きりの時はお互い呼び捨てって』

 声からして別に怒っているわけじゃなさそうなのは分かる。でもなかなかそう言えない俺のことも分かって欲しい。

「ご、ごめん。なんか慣れなくて」

『それってあたしの方が年上だから?』

「違うから。慣れだって」

 一度深呼吸して『男なんだ。しっかりしろ九州男子』なんて気合いを入れて

「まどか。それで?」

『そうそう。それでいいの。用ってわけじゃないけど急に声が聞きたくなったの』

「そっか。俺も」

『やっぱり気が合うね』

「だから付き合うことにしたんだろ」

『そうだね。ねえ今なにしてたの?』

「月を見てた」

『月?好きなの?』

「特に思ったことはない。けど満月はちょっと違うんだ」

『それってなに?面白いってことなの?』

「それも分からない。ただ前の満月の時、何かがあった。でも覚えていないんだ」

『へ〜面白そう』

「別に面白いとは言っていない」

『だったら一緒にいてもいい?』

「夜だけど親になにか言われない?」

『だったら元が迎えに来てよ。彼氏って紹介するから』

「え!いきなり顔見せかよ」

『イヤなの?』

「イヤじゃない。けどまだ心の準備が」

『元がちゃんとしてくれたらお出掛けも許してくれると思うんだ』

「・・・そうだな。付き合っているのは事実だからな」

『で?どうするの?』

 いきなり親と対面?でもこういうことははっきりさせた方がいいんだろうな。

「分かった。行くよ。でもまどかの親に気に入られなかったらどうする?」

『その時はあたしが味方するよ。当たり前じゃん、あたしが選んだ男だよ』

 そんなにはっきりと言われると正直照れる。もしかして電話を通して顔が赤くなっているの分かるはずないよな。

『だから安心して。あ、うん。ごめん御飯だって。また明日ね』

「ああ。明日。またな」

『好きだよ』

「俺も」

 電話は終わったのにまだ繋がっている気がして画面を見つめていた。


「ごはん!」

 母親の声が聞こえる。こっちも飯だな。

 スマホを机の上に置いて部屋を後にした。

九月最後のアップかな。

読んでいただきありがとうございます。

ホント晴れの少ない九月だったな。おまけに本日は冷えます。

寒いのは好きなので歓迎ですが晴れていないのが残念です。

今回はキャラみんなが腹を空かしている展開になっている。

それは現時点で私も腹が減っているせいなのかも。

ということでこれから御飯です。

空腹が満たされれば幸せになる。物語もそんな感じにしたいなぁ・・・

でもこの先なにがあるか・・・

次回は十月。あ〜今年も早いな。

ではまた。よろしくお願いします。

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