月が迫ってくる
「どうしたの?」
拓哉は窓から外の景色を見ている。そろそろ陽が傾き始めていた。
周りの建物の影から大きくて丸くなり始めている月が覗く。
「・・・そろそろ満月がやって来ると思って」
「満月?」
「ああ」
それからスマホで正確な日にちと時間を確認して
「悪い。急に。月を見たら確認したくなった」
「月か・・・そう言えば相楽さんも月を気にしてたよね」
「ああ。アイツは月の満ち欠けに敏感なんだ」
「ふうん。確かに気にしてたけど月の満ち欠けが好きとかじゃないよね」
二人の間には空になったお皿がある。
「相楽さんも分まで食べたらお腹いっぱいなんだけど」
「俺も。帰ったら夕飯だな」
「え!食べるの?」
「ああ。成長期だからな。ずっと甘かったからしょっぱいものが欲しい」
「いや〜、男子高生の胃袋は底なしってか」
「そうかもな。今井は食べないのか?」
「今すぐは無理。食べたとしてもちょっとでいいかな。サラダとか」
「ホント食べないんだな」
「今日は食べた方だよ」
「そっか」
拓哉は最後一口の紅茶を飲み干して
「そろそろ帰るか」
「いいよ。けどその前に・・・ねぇ日下部君」
「ん?」
「ちょっと付き合ってよ」
「?・・・どこに?」
「天文台」
天文台・・・相楽のことを思い出す。あの時のこと、あの後のこと・・・
「別にいいけど。でもすぐに暗くなる」
「腹ごなしも兼ねるってことで。それにさ」
今井は指で外を差す。
「キレイでしょ。夕焼け。今から急げば真っ赤に染まった街を撮れるかなって」
今井はカメラをカバンから取り出してアピールをする。
「そういうことなら急ぐか。日が落ちるのは早いからな」
「優しいよね」
「・・・・・・行くぞ」
二人は店を後にして天文台を目指す。季節は進んでいるけれど、この時間になると風はまだまだ冷たい。
しかし。急いでいる彼らにとっては心地良い風になっていた。
「・・・はぁ。はぁ・・・間に合ったね」
この時間になると天文台にはほとんど人がいない。山頂に向かう人なんていない。むしろ下りてくる人としかすれ違うことがなかった。それも数えるほど。みんな家路を急いでいる。
そんな流れを逆らうように山頂に到着した。
「はぁ、はぁ・・・ちょっと・・・・・・休憩」
「そんなことしていると夕焼けが終わる」
「・・・確かに」
まだ収まらない呼吸でカメラを構えてシャッターを押す。その音がヤケに大きく響いたのは二人しかいなかったからなのか、ただ周りに音がなかったからなのか。
「とりあえあず一枚ゲット」
「もういいのか?」
「あと何枚か撮ってもいい?」
「どうぞ」
拓哉はそのまま欄干の傍まで行ってその下にある崖を見下ろす。
そこにある岩や山肌をじっくりと見て
「・・・あれか」
一際大きな割れた岩が見える。あの隙間に相楽の身体は落ちて挟まっていた。
ここからだとそこまで高いとは思えない。けれど自分が落ちることを想像するととても怖くてできない。
アイツにはそれをする覚悟と勇気があったってことだ。
なあ。相楽・・・俺は信じている。目が醒めてくれること。
その時、お前はどうなっている?
あの時のままなのか、違う人格なのか。それとも俺がよく知っている男みたいなお前に戻っているのか。
どの相楽を望んでいるのだろう・・・・・・俺は・・・
「どうしたの?なんかあった?」
「いや・・・相楽のことを考えていた」
「相楽さんって幸せだよね。こんなに想ってくれる人がいて」
「幸せならいいんだ・・・そっか今井は知らないよな」
拓哉はここが二人にとってどういう場所か説明をした。
そんなこと知らない人に話すなんて本当はしない方がいいに決まっているのに、分かっているのに気が付いたら話していた。
「え!・・・・・・ホント?・・・そんなことあったんだ」
「他には言うなよ」
「当たり前じゃん。言えないよこんなこと」
「今井なら分かってもらえると思ったよ」
目を閉じなくてもあの時の光景が蘇ってくる。相楽の顔、言葉・・・その全部が忘れたくても忘れることなんてできないでいる。
目覚めたアイツは俺の知らない相楽だった。
それでもアイツが笑ったり、怒ったり、普通に生きていることがただ嬉しかった。そんな日々がこれから続いてゆくと思っていた。
新しい歴史を刻んでゆくはずだった・・・・・・・
「相楽さん。早く戻ってきて」
「・・・今井」
「事情を知ってしまったからには応援する」
「そっか。ありがとな」
二人の目の前には夜の帳が静かに訪れている。月が輪郭をさらにはっきりとさせて迫ってくる。黄色くて大きくてまん丸になることを待ち望んでいるみたいだった。
☆★★★☆★
「あ〜さっぱりした」
家に戻った私はあらためてお風呂に入った。おかげでちょっと湯当たりしたみたい。ぶふぅ・・・
「やっぱりここが一番落ち着くね」
「ずいぶんすっきりした顔してますね。ミュリエルという天使に会っていいことでもありましたか?」
「いいこと・・・なのかな。よく分かんない。それよりラフィは?」
「先生なら台所です」
「そう。ねえラフィ。なんか冷たいものない?喉乾いた」
台所に向かって話し掛けるとちょうどトレーを持って出てきた。
「そう言うだろうと思ってな」
「わお!クリームソーダ」
トレーの上には人数分作られたクリームソーダがある。
「早く!早く!」
「なんでそんなにご機嫌なんですか?」
「リリエルはテンション上がらないの?」
「もちろん期待してますよ。ミウリルと同じです」
「だったらもっと喜ばないと」
「言ったはずです。あたしはミウリルより先輩なんです。そんな子供地味たことはしません」
「そんなの分かってる。でも見た目は私より子供でしょ。もっと素直になろうよ」
「言われるまでもありません。十分素直ですよ」
「ふうん。ま、いっか」
目の前に置かれたクリームソーダ。紫からグリーンのグラデーションが美しい。中で弾けている炭酸の泡が実に気持ち良さそうに弾けている。
「ありがとう。ラフィ。とってもきれい」
「ふふふ。良い感想だ。会心の出来だと自負している」
「ホント先生は凝り性ですよね。飲むのがもったいないです」
「そんなことを言うとクリームソーダが泣いてしまう」
「そういう見方もあります」
私とリリエルは顔を見合わせて
「いただきます」
簡単にお祈りをして一口。
「くぅ・・・・・・甘くてショワショワして冷たくて美味しい。お風呂の後だとなおさらだね」
「喜んでもらえてなによりだ」
「先生。美味しいです」
みんなイッキに半分くらいまで飲んで同時に一息つく。ほへぇ〜
帰って来た時はまだお昼にもなっていなかった。
天気は相変わらず良くて、気候だって過しやすい。
今は普段着として買った服を着ている。真っ白で頭からさっと被れるワンピースみたいな服。生地は柔らかくて軽い。これで腰を紐で縛ればリリエルと同じような感じになる。それはどこから見ていも天使にしか見えない。
「はぁ・・・気持ちいいねぇ」
「ミウリルは今が幸せですか?」
「もちろん。リリエル、天使ってずっとこんな感じなの?」
「ずっと、は言い過ぎです。あたし達だってちゃんといろいろあるんですよ」
「ふうん、そのいろいろって何?仕事とか学校・・・」
その言葉を口にしてミュリエルのことを思い出す。
「ねえ、聞いてもいい?」
「そんなこと言わずに聞いたらいいですよ」
「あのさ。ミュリエルって学校に通ってた。こっちにもあるってちょっとびっくりした。でね、私も学校に通うことってできるの?」
「は?・・・急になんなんです。通いたいんですか?」
「なんか楽しそうって思った。だって私は現世にいた時は私として学校に通ったことなんてなかったから。今だったら絶対楽しいって思ったんだ」
リリエルはアイスクリームを丁寧に掬って食べる。
「どう思います?先生は」
「学校か・・・悪くないと思う」
「でしょ。それでね、できることならミュリエルと同じ学校がいいんだけど」
「ミウリルは自分のことを分かっていますよね」
「今さら?当然のこと言わないでよリリエル。私は天界の天使で彼女は地獄の天使」
「その通りです。だからミウリルが通うのは天界の学校になります」
やっぱりそうなるのか・・・ミュリエルの言っていたことって合っていたんだ。
天界の天使は天界の学校・・・でもここは地獄。
「でもさ、ここって地獄でしょ。毎日天界まで通うって大変じゃないかな」
「それはそうです。でも天界の天使が地獄の学校に通うこと自体、前例がないと思います」
「だったら前例って作れないの?」
「そんな無茶をいきなり言わないでください」
「そんなことないよね。私やもう一人の私が天使になったことだって前例がないんでしょ。それよりは簡単なんじゃないの?」
ついムキになって力説してしまった。
これって絶対テンションが高いせいだよね。それにミュリエルだけなんてズルいって思ったら余計に熱くなったことは否定しない。
そんな私の言葉を聞いたいたラフィはグラスの中の氷の音をさせて
「掛け合ったところで受け入れられるかは分からない」
「あの学校は私には恩があると思う。青い薔薇のこと。助かった天使を見てきたよ」
「そうだったな。儀式は無事に終わって無事成功した」
「うん。私の祈りは届いていたと思うと嬉しくて。本当に良かった。可愛い天使だったよ。それに私達天界と地獄の天使って生まれた場所以外なにも変わらないんだよね」
たったそれだけの違い。
それって東京で生まれたか地方で生まれたか、その程度のことでしょ。
「ミウリルの熱意に負けて新たに前例を作ろうか」
「先生!またそんな勝手に」
「そう言うなリリエル。遅かれ早かれこういう事例ができるかもしれないだろ。今は簡単にお互い行き来できる時代なんだ。そういう希望を持つ天使がよく今まで現れなかったが不思議なくらいさ」
「確かにそう見ればそういう意見だってあるかもしれません。でも誰も言い出さないのは前例がないからです」
「だからそれを作ってもっとお互い交流をした方がいい。そうしたらもっとお互いの世界観が広がると思うんだ」
ラフィの提案に私の気持ちはさらに高まってゆく。
「そうなったら違いなんてなくなる」
「そうだ。どっちにしてもワタシ達は天使に違いない」
そんな中、リリエルだけが不服そうな顔をして見ている。
「お互い役割ってあると思います」
その言葉にはいらだちさえ込められているみたい。
「でもさ、絶対にこっちの天使じゃなきゃできないってことってないんでしょ」
「そんなことありません。一つ教えます。あたし達天使の仕事は現世があるから存在しています。絶えず流れてくる魂の浄化と行き先を決めることです。それに天啓だって行います」
「天啓?」
「今はあまりしていませんが天からのお告げと言えば分かりますか?」
「まあ・・・実際あるんだ。そういうの」
「昔はありました。それは天界の天使の役割です。地獄の天使には出来ません」
「そうなの?なんで?」
「それは『主』の声を直接聞くことが出来るのは天界の天使だけですから」
また出てきた。『主』って?やっぱり神様のこと?
「だったら『主』の声って私も聞くことができるの?」
「ミウリルには無理です。中級天使以上になる必要があります」
「中級・・・ランクってさ、どうやって上げてくの?」
「それは試験をパスすることと上級天使の推薦が必要になります。その二つを取得して『主』に認められた場合に限ります」
それってさ、最終的に『主』に認められないと駄目ってことだよね。
『主』ってどんなか分かんないけど絶対に好みとかあるよね。
「ねえリリエルってさ」
「あたしのこと聞こうとしてます?」
「駄目?」
「別に駄目とは言いません。今まで聞かれなかったから油断してました」
「教えてよ。私より年上なら・・・」
「あたしは中級です」
そっか。そんな気がしていたんだ。なんとなくだけどね。
「リリエルも天啓ってやったことあるの?」
「それ聞きます?」
「だって出来るんでしょ」
「あります。でも詳細はプライバシーがあるので言えませんが」
「プライバシー・・・なら仕方ないか。それでさ、試験を受けるにはやっぱり学校に行かないとならないんでしょ」
「なりたいんですか?」
「なりたいっていうか、このまま天使として生きるとしたら目標があった方がいいのかなって」
「どう思います?先生」
「志は高い方が張り合いがある。明日学校に行って掛け合ってみるか。連絡はしておこう」
「ホント?やった!」
リリエルは溜息をついて
「それってあたしの役目ですよね」
笑顔で答えるラフィにさらに溜息を重ねるリリエル。
「よろしくお願いします」
「本当にいいんですか?もし仮にOKが出たとしたら同じ顔の天使がいるってことですよ。双子じゃない天使が」
「それは、ほら、面倒なら双子ってことにすればいいよ」
「短絡的過ぎです。けどそれが一番問題のない選択になるのでしょうね」
嬉しいのに大きな欠伸が・・・
「あ〜ぁ・・・なんか眠くなってきた」
いきなりの眠気が私のことを襲ってくる。瞼を擦っても余計に眠気を誘っているみたい。
「少し眠ったらいい」
「うん・・・そうする」
「ベッドは使っていい。リリエルこれから付き合ってくれ」
「もちろんです。何をするんですか?」
「実は・・・・・・」
これ以上ラフィの言葉が聞こえない。いきなり電池が切れたみたいにその場で眠ってしまう私がいた。
☆★☆☆☆☆
満月まであと二日。その時は何かが起こるのだろうか。
相楽。お前の意識も同じことを思っているのか?それともそんなことを考えることもなく深い場所で眠っているのか?
今井と別れてから今日もこうして顔を見に来ている。面会時間はそろそろ終わりそうだ。
「また明日。じゃあな。相楽」
立ち上がって部屋を後にしようと立ち上がった。
「え?」
何かに引っ張られる感覚がする。その場所には
「・・・おい・・・相楽」
振り向いたブレザーの袖を相楽の手が摘んでいた。
「・・・まさか・・・おい!聞こえるか?相楽、おい」
しかし。それ以上は何も起こらない。目を開けるわけでも言葉を口にするわけでもない。
「だったら・・・これは?」
そっと相楽の手を取ると
「・・・あたたかいな・・・」
生きていることにホッとする。
優しく手を元の位置に戻す。それからもう一度、相楽の顔を覗き込む。
心なしかいつもより血色がいいように見えるのは気のせいなのだろうか・・・
「満月が来る。俺は何かが起こるような予感がしている。いや、起こって欲しい。新月のことだってあった。その時俺はどうしていたらいい?どこにいたらいい?」
聞いたところで返ってくる言葉はない。
「何かヒントとかあれば・・・・・・」
新月の時。確実に何かあったはずなのに頭の中には霞がかかっていてはっきりと思い出すことができない。一つ。確実に分かるのは不思議なこと。でもそれだけだ。
「あの。もう面会時間は過ぎています」
看護士の言葉に振り向いて
「あ、すみません。すぐに出ます」
「毎日来るなんて優しい彼氏さんですね」
「彼氏・・・」
「あら違うんですか?」
「・・・親友です」
「今時の若い人は男女問わず親友になれるんですね。また明日」
「はい。失礼しました」
病院を出るとさらに月が丸く迫ってくる。
「相楽・・・お前も見ているのか?この世界じゃないどこかで」
摘まれた余韻を感じながら俺は家路についていた。
☆・・・☆→★
「あれ?」
突然目が醒めた。入ってくる光は朝なのか夕方なのか、それすら分からず混乱してしまう。
「ラフィ・・・ん?リリエル・・・え?」
声を掛けても返事がない。
とても静かな時間があって、意識は上手く馴染んでいない。どこかフワフワしている。
ベッドを出ると
「わ!身体まで」
意識だけじゃない。身体もフワフワしてちゃんと立てない。
「なんか変・・・」
もう一度ベッドに横になって天井を見ていると冷静になってくる。
一体いつベッドに入ったのだろう。それに夢を見ていたわけじゃないけど誰かが私に話し掛けていたような気がしている。
「あ〜変な時間に寝たからかな」
その場で思いっきり背伸びをすると
「ん?なんか落ちた?」
カタって音がした。
「えっと・・・この辺だったよね」
床はキレイに掃除されていて微かに光を反射しているモノを見つけた。
「これ?」
拾ってみると
「ボタン?誰の?ラフィ?」
黒いプラスチックのボタンだった。
「後で聞いてみよう。それよりどこに行ったのかな」
もう一度立ち上がると
「・・・もう大丈夫だね」
さっきまでのフワフワした感覚はなくなっていた。
外に出ようと扉の方に歩いてゆくといきなり開いて
「起きたか。こっちもできたぞ」
満面の笑みのラフィと疲れた顔のリリエルが入ってきた。
「は?できたって?ごはん?」
「・・・食い地がはってますね」
「違うの?っていうかなんでそんなに疲れてるの?」
「疲れましたから・・・休憩します。あとは任せましたよ」
リリエルは椅子に座るとそのまま項垂れていた。
「一体なにがあったの?」
「リリエルには手伝ってもらったんだ。ミウリル、運ぶの手伝ってくれ」
「運ぶ?何を?」
ラフィの後に付いてゆくと
「どうだ」
「どうって・・・これってもしかしてベッド?」
「そうだ。お前のだ」
「え?まさかの手作り?それはありがたいけど」
目の前にあるのは木で作られたベッドの本体だった。これを私が眠っていた間に?
「あ、ありがとう」
「これでミウリルは気兼ねなく眠れる」
「そう・・だね」
その後は大変だった。重いのなんのって。女の子に力仕事とかありえないんだけど。
そんな文句は心の中にしまって運び入れる途中に
「奥にもう一部屋あってそこが今日からミウリルの部屋だ」
「え!ホントに?いいの?」
「学校が決まったらここから通うことになるからな」
「え?ミュリエルみたいに寮じゃないの?」
「学校の許可が出たとしても寮の許可まで出るとは限らないからな。なんだ、寮の方がいいのか?」
「そうなると思ってたから。でも・・・通いもいいね」
学校に通えるなら正直どっちでもいい。
「そうじゃなくてもプライバシーは大事だもんね」
「そういうこと。終わったら夕飯にしよう。何が食べたい?」
「急に言われても・・・・・・・パンケーキ」
「ほう」
「なんかいきなり降って来た。夢でも見たのかな」
「そういうことなら。ならリコッタチーズのパンケーキにしよう」
「いいね。食べたことないけど」
「美味しいと言わせる自信はある」
「へ〜楽しみ。ありがとう。期待してる。あ、そうだ。これってラフィの?」
私は拾ったボタンを見せると
「いや。こんなボタンは持っていない」
「だったら誰のかな」
じっと見ていたラフィ。
「もっとよく見せてくれないか」
「うん。はい」
渡すとさらにじっと見つめて
「現世のモノだ」
「現世?じゃ私の?」
「かもしれない」
返してもらっても見覚えは・・・・・・あれ?
「もしかして制服の?見てみる」
「もしほつれていたら直してあげよう」
「・・・うん」
・・・お母さんみたいだよね。料理に次いで裁縫まで?
苦笑いしているよね・・・私だろうな
★・・・★→☆
「あれ?」
制服を着替えている時に気が付いた。
「ボタン・・・」
相楽に摘まれた袖のボタンが一つなくなっていることに気が付いた。
あの時なのか?なら病室に落ちているのか?
窓からの月はやはり何かを予感させている。
ボタンがなくなったのは前兆みたいなことでいいのか?それともただの偶然か。
いずれにしても満月がやってくるのを待つしかできない。
そして・・・夜。夢を見た。
台風・・・またやって来る。
読んでいただきありがとうございます。
こんなことにめげずに秋の味覚を楽しもう。
どこもかしこも栗のスイーツで溢れている。
そして自分に喝を入れよう。
ちょっとのんびりですが次回もよろしくお願いします。




