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ワタシ死ねないみたいです。あと○○になる方法、探してます。  作者: マナマナ


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ヘブヘルタワー

 夢を見ている。

 それは拓哉とデートをしている夢。

 こんな風に並んで歩く・・・けど緊張しているから何を話したらいいか話題に困る。

 

 チラっと見ると拓哉は真っ直ぐ前を向いている。私の視線なんて気付いていない。

 だから黙って歩いている。


 もし元の世界に帰ったらどんなことを話したらいいのかな?どんなことを話したらいいのだろうか。

 昔から知っている。けれど共通の話題がない。


 私は本当に拓哉のことが好きなのだろうか・・・多分ときっととでもが混在している。


「え?」

 拓哉は急に振り返ると

「ちょ、ちょっと・・・」

 いきなりキスを求めてきた。私は抗うことなんてできず

「ん・・・ま、待っ・・・て」

 力一杯腕を伸ばしてようやく距離を取ることができた。

「ひどいよ・・・いきなりなんて」

 強引にされることにちょっとだけショックを受ける。一言でもあったらちゃんと答えてあげる準備くらいはできているのに・・・


 嫌じゃないんだよ。私だって・・・

「もっとして・・・今度は優しく・・・」


 拓哉の姿は急に遠くなってゆく。追いかけるなんて無理。だって私は・・・


「そろそろ起きてください」

 その声に私の意識は現実に戻ってゆく。

「もっとして・・・どんな夢を見ていたんです?」

「・・・え?」

「だから。もっとなにをして欲しいんです?」

 そ、そんなこと話せるわけないじゃん。まさか寝言?

「あれ?答えられない。ってことはそういう夢ですか」

「そういうってどういう意味よ」

「だからそのままの意味です。いや〜思春期ってなにかと大変なんだなって」

「ち、違うわ。わ、私は・・・もっと・・・ケーキ食べたいって」

「まあいいでしょう。これくらいにしておいてあげます。そろそろ出ますよ」

「え!もうそんな時間?」

「だから起こしたんですよ」

「そっか。ありがとう」

「ミウリルはまた先生のベッドを独占して何様のつもりですか」

「独占って。人聞き・・天使聞き悪いこと言わないでくれる。ラフィがいいって言ったもん」

「言ったもん?彼女じゃあるまいし」

「そうよ。彼女じゃない。でもいてもいいって。強いて言うなら保護者でしょ」

「全くもってその通りです。まあ時間もありますので顔でも洗ってきたらどうですか」

「うん。そうする。あ〜よく寝た」


 ベッドから出てバスルームの扉を開ける。

「わ!ご、ごめん」

 素っ裸のラフィが立っていた。急いで扉を閉めたがばっちりその姿は目に焼き付いている。

「ははは。気にすることはない」

 ドア越しに声が聞こえる。

「なんで鍵掛けてないのよ」

「自分の家だ。気にしたこともない」

「だったら今度から気をつけてよね。ラフィはいいかもだけど、私は気にするの」

「ふむ。検討しておこう」

「検討じゃなくて決定事項なの」

「それでミウリルも風呂に入るのか?」

「私は顔を洗いに来ただけ」

 ドアが開くと服を纏ったラフィが立っている。髪はまだ濡れていてたまに雫が床に落ちる。

「お待たせ」

「あのさ。待ってたけど髪をちゃんと乾すくらいは待てるよ」

「なにすぐ乾く。それよりミウリルも早いところ顔を洗った方がいい」

「分かってるわよ。ならお言葉に甘えて洗おっかな」

 ラフィの横を通り抜けようとしたのに

「え?」

 急にラフィの手が伸びて自分の胸に・・・石鹸の匂いがする。

「ちょ・・・ちょっと」

 ラフィは何も言わずに私の頭を軽くポンポンして行ってします。

「・・・・・・なんなの?やっぱ変な天使」

 急にあんなことするなって。ドキドキしちゃったじゃん。


 冷たい水で顔を洗う。顔の熱さは少しは治まりを見せている。

 鏡を覗いて自分に静かに話し掛ける。


(さっきのこと。なんだったの?理由を聞いたところでちゃんと答えてくれるか怪しい。もしかして私のこと好きだったりして。なんて馬鹿なこと思う私も変な天使だね。人間だった頃と違って断然天使でいることを楽しんでいる。それは私が私として生きているから。

 なら人間に戻った時。ちゃんと私として生きたら楽しい人生があるってことだよね。苦労だってきっと楽しいって思えるよね。

 でも揺れている。このまま天使でもいいのかな・・・)


「ちょっと。いつまで顔洗ってんですか?出ますよ」

 慌ててドアを開けて

「ご、ごめん」

「まったく一人でなにしてんですか」

「なによ。ニヤニヤして」

「いえ。思春期っていろいろ大変だなって思っていただけです」

 まったく。このおこちゃま天使も変な天使。頭の中ピンク色してるんじゃないの?

「そう。大変なの。いろいろ」

「ちょっと。そこは肯定しないでちゃんと否定してください」

 真っ赤になって慌てている。

「なんで頭を撫でるんです?」

「だって・・・可愛い天使だなって」

「あなたも先生のこと言えませんね。変な天使です。行きますよ。カツカツなんです」

「そうだった。行こう」


 外に出るとラフィが待っていて

「なんで翼を?」

「飛んでいこうかと思ってな」

「え?だって飛ぶなって聞いたよ」

「ここは広くて障害物もない。高く飛ばなければ大丈夫だ」

「だそうです。行きますよ」

 リリエルも翼を広げる。

「ミウリルは初めてだから三人で手を繋いで行こう」

 ラフィも広げる。二人を見て

「やっぱり天使っていうからには翼ってあった方がいいね」

 私も翼を広げる。一回教えてもらっただけだけどコツは掴んだつもり。


 空を見ると夜が訪れ始めている。まだ微かに夕焼けが残っている。

 私達の真っ白な翼はオレンジ色に染まっている。


「準備が良ければ出発しよう。ミウリル」

「ん?」

「辛くなったらいつでもワタシを頼れ」

「そう?今はすごくワクワクして」

「ずいぶんやる気じゃないですか」

「だってリリエル。自分で飛ぶって人間の夢なんだよ。私はその夢を叶えられるだよ」

「はいはい。興奮しているのは伝わりました。いいですか。練習のこと思い出してくださいね」

「うん。それに困ったら二人もいるから心強いよ」

「では。行こう。一」

「ですね。二」

「出発。三」

 最後の私の掛け声と共に同時に飛び立つ。

 両側にサポートがいるおかげで難なく身体は空を滑ってゆく。

「うわ。は、速い」

 気を抜くとあっと言う間に上空に飛んでしまいそう。でもその心配はない。だって二人が支えてくれいるから。

 自分の身長よりも低いけれど

「気持ちいい」

「いいですね。筋がいいですよ」

「ありがとう。リリエルのおかげだよ」

「ならもう少し速くしてもいいか」

「責任取ってくれるなら」

「いつだってお安いご用だ」

 さらに速度を上げて私達はヘブヘルタワーを目指す。自分が流れ星になった気分がしていた。


☆☆☆★★★

 

「あ〜美味しかった」

「うん。満足した」

「二人共喜んでくれてよかった」

 パフェを食べ終えた私達はそれぞれ飲み物を楽しんでいる。

「そう言えばミュリエル」

「ん?」

「さっきなんかあったの?」

「聞いてよ二人共。トイレに入ったら鍵がかかってなかったんだよ。ノックしなかった私もだけど。この場合どっちが悪いのかなって」

 あったことを正直に話すと二人は急に笑い出して

「そんなことで悩んでたの?」

「ハニエル笑い過ぎ」

「それで?なんか見たとか?」

「なんかって何よヴィヴィ」

 その先も話していいのかな。

「でね。先に入っていたのは天界の天使だった」

「それで?どっちだった?」

「どっちって男だけど。あのね。ヴィヴィの期待通りじゃないよ。その天使は手を洗っていたところだったから」

「そっか。それだけ?」

「そう。それだけ。大したことじゃない。でも名前を聞かれた」

「え!ナンパ?」

「ちょっとハニエル。声大きいって」

「それで?ミュリエルはどうしたの?」

「どうって・・・向こうも名乗ったから正直に答えたよ」

「それで?」

「ヴィヴィ。前のめりだね」

「それだけ。でもまた会えたらって面白いって」

「やっぱりナンパでしょ。そんなの認めない。で?その天使の名前は?」

「確か・・・『ラフィ』って言ってた。私の見たところあの天使はもしかしたらだけど上級天使だと思う」

 私の言葉に二人共考えている。

「知らない。聞いたことないよね」

「ああ。知らないな。上級天使ならここでも天界でも有名だからな」

「そういうものなの?」

「そうだよ。ここだとカーリ様が一番有名かな」

 ふ〜ん。そんなに有名天使様なんだ。確かに自分でも言ってたよね。

 私みたいな一般天使と上級天使って何が違うのだろう。

「ミュリエルは会いたいって思うわけ?」

 ハニエルの質問にしばし考える。

 上級で天界・・・

『あ!』

 今頃になって気付く。私ってなんてマヌケな天使なんだ。

「もしかして!」

「どうした。急に立ち上がって」

 ヴィヴィの言葉は耳に届いている。今は頭の中はいろんなことが繋がってゆく感覚がする。


 もしかしてあの天使。美有のことを天使に変えた張本人なのかも。だとしたら一緒にいた天使が美有ってこと?目の前にいたってこと?

 もっと早く気が付いていればあの場で美有と・・・ミウリルだっけ・・・に出会えたのに。

「ご、ごめん。びっくりしたよね」

「大丈夫?」

「ハニエルのおかげでヒントが見つかった」

 自分自身を落ち着かせるため一旦座って冷めてしまったアールグレイを飲む。

 どうしよう。心臓のドキドキが止まらない。

 でもその天使が本当に美有なのか。会ってみないことに確証が持てない。

 今すぐ飛び出してしまいたい。けど無鉄砲に動いてもどこにいるか分からない。もう街を去っている可能性だってある。

 今ある衝動を抑えることに必死だった。

「・・・ミュリエル」

「・・・ごめん二人共・・・私はもう大丈夫。落ち着いてきた」

「ホントか?何があるか知らないけど。相談くらい乗ってもいいぞ」

「ありがとうヴィヴィ。これは私の・・・私自身の問題なの。今はまだ詳しくは話せなくてごめん。でも話せるようになったら相談に乗って欲しい。それまでごめん」

「まあ、そういうことなら無理にとは言わないけど、ホントに困ったら・・・」

「そうなったら私の出番だよね」

「ちょ・・・ハニエル。急に入ってくんな」

「ミュリエルを確実に癒せるのは私なんだけどな」

「それは分かってる。私も心配くらいしてもいいだろ」

 二人のやり取りが微笑ましく見えて

「ありがとう二人共。頼りになる友達ってことでいいのかな」

「私は友達以上がいいな。ミュリエルの味。知ってるから」

「ちょっと。今は・・・そういうの恥ずかしい」

「おいおい。ワザとか?見せつけるよ、まったく」

「妬かない妬かない。ヴィヴィの味も知ってるから」

「あのな・・・嬉しいけど恥ずかしいな」

「だって。今度はハニエルの味を確かめてみようか」

「え!まさかの反撃?ミュリエルったらそんなに私が欲しいの」

「そうだね。欲しい」


 たわいもない会話で私達は盛り上がる。おかげで落ち着きを取り戻して、やっと本来の自分のテンションに戻ることができた。


「それで?これからどうする?」

「ミュリエルはどうしたい?」

「私?」

「うん。どこか行きたいところとかある?」

「だったら・・・もっとこの街のこと知りたいかな」

「じゃあさ。散歩しようか。ヴィヴィはどう?」

「私は別にいいけど。買い物もしたいし」

「買い物だったら私も服とか欲しい。私服って持ってないんだよね」

 もうこの際だ。経費を使おう。これも必要経費。だって休みの日にも制服って変でしょ。

 私は自分の中でいろいろいい訳を考える。なんか言われたらその時考えればいい。

「じゃあ決まり。行こっか」

 店を出て再び表通りを歩く。目の前にはヘブヘルタワーが聳えている。

「ねえ。ヘブヘルタワーって行ってみたい」

「いいよ。基本的には大きなショッピングモールだもん。良い買い物できるよ」

「へぇ。そうなんだ。楽しみ」

 私達は通りにある店をを眺めつつヘブヘルタワーに向け歩き始めていた。


☆☆☆★★☆


 街のかなり手前になって

「ここまでだ。これ以上はやめておこう」

 ラフィの言葉でゆっくり地上に足を降ろす。

「え〜・・・あとちょっと」

「楽しいのは分かりました。ホントは禁止事項なので他の天使に見られる前にやめておくのが得策だと思います」

「そうなんだ。もし他の天使に見られたら?」

「通報されれば警告かもしくは罰金です」

「いろいろ厳しいね」

「だって厳しくしないと事故が多発します。そうすればみんなに迷惑がかかる。ルールとは誰もが快適に暮らせるようになるためのものです」

 そんな正論を言われると納得するしかない。

 現世だってルールを作らなければ事故を抑制できないことがある。最近だと自転車がかなり厳しくルールが作られて執行していると聞いたことがある。

 便利になるはずのものなのに誰かが誰かに迷惑をかけるという理由で作るはめになる。というかみんなちゃんとしていればそんなこと必要ないって思う。

 そう言えばこんな言葉があったな。

『みんなは一人のために。一人はみんなのために』

 なんの言葉だったか忘れたけど分かりやすくていいよね。


「分かった。それでここから歩くの?」

「そのことなら」

 リリエルの視線の先には

「いつの間に」

 この間と同じ人力車が控えていた。

「先生が呼んだんですよ」

「えっと、たしか・・・」

「ランヴェルですよ。ミウリル」

「そうそう。ごめんごめん。ここまで出てたんだけど」

「いいですよ。でも次会った時はちゃんと覚えていてくれです」

 前と同じ場所に座って人力車は出発。そしてあっと言う間に到着。


「じゃあまたね。ランヴェル」

「毎度ありがとうございました」

 ランヴェルはあっという間にどこかに行ってしまう。

 辺りはすっかり夜になって月の姿が半分見える。

 そっか・・・半月って近いのかな。

 ?・・・え?・・・ちょっと待って・・・

「もしかして」

「どうしたんですか?急に真面目な顔になって」

「ねえラフィ」

「あたしのこと無視ですか。良い度胸ですね」

「ごめん。今は真面目な話なの」

 街は目の前。たくさんの天使達。

「あの。私のことまだ全部話していないことがあるの」

「ほう。それを今話すと」

「うん。わざと黙ってたわけじゃないの。なんかよく分からなくて」

「長くなりそうなら先にリリエルを見送ってからでもいいかい」

「あ、そうですね。ごめんリリエル。時間のこと忘れてた」

「それは酷いですね。でも今のはもっと酷いです」

「どういうこと?」

「だってミウリルのこと聞かずじまいで天界に戻ることになるんですよ。気になるじゃないですか」

「それは、ほら、戻ってきた時に話すでいいんじゃない?」

「話してくれます?本当に?」

「約束する。嘘は言わないよ。だって嘘は言えないもんね」

「絶対ですよ。あ〜こんなモヤモヤした気持ちで帰るなんて。ミウリルは残酷な天使です」

「残酷って・・・私はそんな天使にはなるつもりはないよ。だからね」

 私は小指を出す。

「地獄で指切りなんていい度胸です。破ったらホントに針千本飲ませます」

「そん時はもちろん飲んであげる」

「しかと聞きましたからね」

「それじゃ向かおう」


 夜の街は昼と比べて天使の数が増えていて歩き難いことこの上ない。

 あ〜あ。せっかく翼があって飛べるのにホント宝の持ち腐れってこういうことだよね。

「なんか天使増えてない?」

「天使もですけどリンシがいるからその分増えているんですよ」

「そっか。夜だけ行動できるんだっけ。だからかな活気があるよね。死んでいるのに変なの」

「そうですね。死して尚とはよく言ったもので例え死んでいてもここでは生きていることになりますから」

「なんだかものすごく矛盾しているように聞こえるけど」

「まあ死とは矛盾しているようなものですよ」

「ふ〜ん。そんなものなのかな。でも人間は死なないとこの世界のこと分からないからみんな悲しい気持ちになる」

「それは仕方のないことです。もしこの世界が向こうで認識されたら死とは意味のない行為になってしまうと思います」

「なんか難しい。でもこれが現実か」


 変なのはこの世界のことを知らない現世で生きている人間達の方なのか、それともこの世界そのものなのか。

 街の喧噪を見ながら歩いていると

「はぐれると困るからな」

 断りなしにラフィが手を取る。別にいいけどさ。ちゃんとした理由だし

「だったらリリエルも」

「仕方ないですね。どうしてもと言うなら」

 こうして三人で手を繋いでいると親子みたい。なんて呑気なことを考えてしまう私だった。


「おお・・・」

「なんです?その雄叫びは」

「いや・・・すご過ぎて」

「それはそうでしょう。天界まで続いているんですよ」

「おお・・・」

「いやいや。もう慣れましょう」

「だって・・・おお・・・言葉にならないって」

「今度は雄叫びの天使って呼びましょうか」

「私はそんなに猛々しくない」

「そうですか?じゃあ図々しい天使とかはどうでしょう」

「いい加減変な二つ名はやめてよ。そういうリリエルはあるの?そういうの」

「もちろんです。あたしは・・・まあ今はやめておきましょう」

「なにそれ。言うの恥ずかしいの?」

「そういうことにしておきます」


 ヘブヘルタワーの正面にはたくさんのガラス扉があって現世で言うおハイソな総合施設のさらに上。超豪華版って感じで天使や他もたくさん出入りしている。

「こんなに行ったり来たりしてるの?」

「この建物はショッピングモールも併設してあります。ほとんどが買い物客です。天界のエレベーターは」

 リリエルはカードを出して

「ミウリルも出してください。これがないと入れませんので」

 急いでカードを出す。

「これでいい?」

「では行きましょう」


 私達は先ず最初に一般のエレベーターで一〇八階まで行く。

「ここからこれが必要になります」

 下の階に比べてここはずいぶん静かだし警備をしている天使がどこか物々しい。

 カードを使って改札機に似たゲートを通過。

 その先にあったのは

「これが天界まで続いているエレベーターです」

「えっと私も乗れるの?」

「ミウリル。自分のこと忘れたわけじゃないですよね。一応あなたも天界の天使」

「そうだけど。実感ないよ」

「まあいいです。あ。来ました」

 エレベーターの扉が音もなく開く。誰も乗っていなかった。

「乗りますよ」

「え!えっとホントに?」

「ほら怖いことなんてないですよ」

 私はリリエルに押し込まれるかたちでエレベーターの中に入る。

 中はとても無機質で回数表示すらない。正直怖いと思ってしまうのは私だけだろうか。

 天界に行くってもっと華やかで明るいと思っていたのに。

 扉が完全に閉まると真っ黒な空間に放り出されたみたいな感じがする。

「ホントに天界に繋がってるの?」

「安心してください。間違いなく天界に向かってます」

 リリエルの声が不気味に響くのはこのエレベーターのせいだよね。いやせいにしよう。


 音もなく揺れもなく私は天界という世界を目指していた。

あ〜。昨日は夏至だったとは。

読んでいただきありがとうございます。

またしてもこんな時間にアップ。

どうにもバタバタして書いている次第で・・・いいわけです。

後で読み返して、なんじゃこれ的展開で調整を繰り返す私。

それでも停まらず書いていれば道は拓けると思いたい。

次回もよろしくお願いします。

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