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ワタシ死ねないみたいです。あと○○になる方法、探してます。  作者: マナマナ


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誰?私のこと見ているの

 街がある。とは聞いていたけど

「うわ・・・すごい」

「驚いているね」

「そ、それは、はい、驚いています。だってここって地獄ですよね」

「間違いなく」

 想像の遥か上をいっている。地獄なんて微塵も感じない。建物も大小様々だし、いろいろなお店だって立ち並んでいる。おまけにたくさんの天使なの?で賑わっていた。

 ひときわ天に向かってそびえている建造物。首をどんなに伸ばしても先端の見えない塔。

「リリエル。あれって・・・」

「はい。ヘブヘルタワーです。あの先に天界があります」

「天界・・・」

「あたしは今日帰りますので見送りお願いします」

「え?帰る?」

「そんなに驚かないでください。すぐに戻ってきますよ。パスポートの更新もあるんです」

「パスポート・・・あのさ」

「なんでしょう」

「疑っているわけじゃないよ。ないんだけど、やっぱり地獄だなんて信じられなくて。ホントは壮大なドッキリじゃないのかなって」

「あのですね。天使の発言とは思えません。翼だってもらったし空だって浮いたじゃないですか。それをドッキリだなんて。先生。この失礼な天使に何か言ってあげて下さい」

 ラフィは笑って

「まあ熱くなるな。もっとこの世界のことを知ればいいだけのこと。ミウリルはさっきまでリンシだったんだ。無理もない。そうは思えないか」

「た、確かに、そうなんですけど。こんな僥倖を与えてもらってドッキリだなんて。いいですかミウリル。あなたは歴史上類のない経験をしているのですよ。もっと感謝してください」

「分かってるよ。とても感謝もしている。おかげで死ぬ心配はなくなったし、現世の帰ることだって。あまりにも順調過ぎて、かえって怖くなっただけなの」

「さて、そろそろ買い物しようじゃないか」


 街の真ん中にある大きな通りは歩行者天国みたいに賑わっている。

 ここには車のなければ自転車もない。みんな楽しそうに歩いている。空を見ても飛んでいる天使なんていなかった。

 思えば現世で私は誰かと街を歩くことなんてなかった。だから新鮮で何もかもが珍しかった。

 時折、ショーウインドに映る自分のことを見るとつい魅入ってしまう。

「欲しい物でもあるのか?」

「ううん。自分を見てた」

 制服姿の私はどこにでもいる普通の高校生にしか見えない。この身体は今は私だけのもの。誰にも干渉されないことが楽しくて仕方ない。出来ることなら現世でも同じように私自身として街を歩いてみたいな。できれば隣りに拓哉がいて・・・

「ミウリルは相当自分のこと好きですね」

「うん。可愛いなって」

「自分でそれ言います?どんだけですか?天界にもナルシスって天使がいますが、彼以上のナルシストですね」

「だってホントのことだもん。リリエルだって可愛い。天使ってみんな可愛いのかな」

「当然ワタシも当てはまる。でいいのか?」

「え!ラフィ・・・も?」

 絶対、私のことからかっているよね。でも気分が良いから。今度はこっちから聞き返してあげる。二者択一。どっちを選ぶのか、楽しみだね。

「可愛いとカッコいいならどっちがいい?」

 ホント言うと私的には『美しい』が当てはまる。言葉にするにはちょっと恥ずかしいけど。

「そうだな。ワタシの場合は『美しい』というのはどうだろう」

「う、うつ・・・くしい」

 もしかして私の心の中読んだ?

「あたしも先生にはその言葉の方がいいと思います」

「だろう。昔から言われているからな」

 なんで私のことをじっと見るんですか?

「あの・・・もしかして・・・私の口から聞きたいんですか?」

「だって聞いてきたのは君じゃないか」

「た、確かに・・・そうですけど・・・」

「では答えてもらおうか」

 う〜・・・これは絶対に言わないとならない流れだよね。だったら言えばいいじゃん。でもさ、面と向かって『美しい』って。それも本人の目の前で。どんなプレイですか。

「早くして下さい。言うまで先生、動かないですよ」

 リリエル。スカートあまり引っ張らないでよ。ただでさえ短くて防御力が低いんだから。

「分かった。言います。そんなに聞きたいなら言いますよ」

「うむ」

 あの・・・満面の笑みをやめてもらってもいいでしょうか・・・とも言えず。

 あ〜なんか面倒くさい・・・しかし・・・言い出したのは私だしな・・・

「ラフィは・・・美しいが似合うね」

「だろう。実に似合っている素敵な言葉だな」

 あなたも自分でそういうこと言うんですね。反撃です。

「ナルシスト」

「そうとも」

 地獄という世界でなんてたわいもない会話をしているのだろう。思わず笑ってしまう。

「変な天使様」

「先生に向かって変とはなんですか変とは」

 だからそれ以上引っ張らないで。履いているところなんて見られたくないって。

「わ、わかった。私が悪かったって。お願いだからスカートから手を放して」

「必死過ぎです。見られても減るもんじゃないでしょ」

「あのね。物理的にはそうかもしれないけど、心が削れるの。リリエルだって年頃になったら分かるって」

 あ〜・・・さっきより力入ってない?

「あたしのこと子供扱いしてますけど。これでもミウリルよりはずっと長く生きているんです」

「わかった。ごめんってごめん」

 あ〜やっと落ち着いたか・・・やっとスカートを元のポジションに戻せる。

「・・・なに笑ってるんですか?助けてくれてもいいのに」

 ラフィは和やかに私達のことを見て笑っている。

「実に微笑ましい光景だと思ってね」

「スカートをズリ降ろされそうな光景が微笑ましい?やっぱり変ですよ」

「また言う。今度はイッキにいきますよ」

「わ〜〜〜分かった。ごめんなさい。勘弁して」

「さ。そろそろ行こう。限定パフェは逃したくないからな」


 ラフィは街のことを熟知しているらしく私は生活必需品を次々に購入してゆく。支払いはラフィがしてくれた。

「あの。いろいろ買ってもらってありがとう・・・だけどお金いつ返せるか・・・」

「気にしなくていい。お金はあるんだ」

「でも・・・ラフィと出会ってからずっと尽くしてもらってるっていうか、甘えてるっていうか・・・」

「ははは」

「なんで笑うの?」

「本当に大したことはないんだ」

「だけど。気になるよ」

「だったらバイトでもしますか?」

 リリエルの提案。バイト?

「え?地獄でそんなことできるの?」

「できますよ。滞在時間の長いリンシはみんなしてます」

「?・・・それがよく分からない」

 答えを求めてラフィのことを見る。

「そう言う話は後にして、後は下着か」

「じゃあ後で聞かせてよ。ここからはリリエルだけにして」

「なぜだ?」

「なぜ?答えないと駄目なの?なんで女子の下着の買い物に付き合いたいわけ?」

「変なことか?」

 真っ直ぐな視線に邪な感情はない。だからって私が嫌なの。

「だからさ・・・」

「先生。ここはミウリルの意見を尊重しましょう」

「そうなのか?」

「はい。お金はあたしが預かります」

「ふむ。見られたくない、ということなのか」

 そうです。その通りです。

 これでも華の女子高生なんです。まだ恥じらいの似合う女の子なんです。

「わかった。ワタシはその辺を見て待っている。買い物が終わったらお茶にしよう」

 今までの荷物をラフィは持って歩いてゆく。もっと引き伸ばすかと思ったがあっさり引き下がった。やっぱり遊んでいたのかな?

「行っちゃった」

「ならあたし達も行きましょう。先生からお店の場所は聞いています」

 だからって

「スカートじゃなくて手にしない?」

「仕方ないですね」

 リリエルの手は、私より年上なのに子供の手そのもの。小さくて柔らかい。

「さ、こっちです」

 私達は賑わいの中を歩き出した。急に妹が出来たみたい。

 視線の先には天に突き刺さるようにヘブヘルタワーが聳えたっている。

 昔むかし、ずっと昔。

 人間も天に届くように造ったことがあった。結局は神様に壊されたけど。

 でもここはちゃんと天界まで繋がっている。

 空の先にある天界ってどんな場所なんだろう。


☆★☆☆★☆


「はあ・・・天使多過ぎ」

 カーリ様の屋敷から直接だったから着替えもしていない。まだまだ明るいのに真っ黒な格好なんて怪しさでむしろ目立つ。悪め目立ちは避けたい。

 そんなことよりも私に似た天界の天使ってどこにいるの?

 下駄の音すら掻き消される賑わいだ。避けながら周りを注意深く見つめる。

『そういや名前はミウリルだったかな』

 ランヴェルが街に入る前に教えてくれた。

『ミウリル』・・・確かに天使の名前。でも『ミウ』ってこれって鉄板じゃない?

 美有はどういう経緯を辿っていたか知らないけど私と同じように誰かの介入で天使になった。じゃなきゃ今はまだ活動なんてできない。リンシは夜にしか活動できない。それまでどこにいるかなんて分からない。

 まだまだ知らないことの方が多い世界なんだ。

「どこ?どこなの?」

 通りを見ても店の中を覗いても見つからない。

 もし。

 見つけたらなんて声を掛けたらいいのだろう。同じ顔をした地獄の天使に話し掛けられたらびっくりするよね。絶対。

 ミウリル自身に『さがらみう』のことをいきなり聞いても答えてくれるのだろうか。そもそも私のことを覚えているのだろうか。

 半月の、あの夜、唯一会話をしたこと覚えているのだろうか。


「落ち着け。焦るな」

 一旦立ち止まって頭の中を整理する。もう一度よく考えるんだ。

 ふとガラスに映った顔を見る。

「やだ・・・汗かいてんじゃん」

 必死過ぎる表情に引く。こんなの私の顔じゃない。こんな顔で迫ったら警戒だってされるかもしれない。

 おまけに向こうには天界の天使が二人付いている。

 一体どんな関係なんだろう。こっちはたった一人。

 果たして取り付く島があるのだろうか・・・話すら出来ない可能性だってある。


「いらっしゃいませ。こちらの席にどうぞ」

 目についたカフェに入る。クールダウン。必要だよ。

 窓際のカウンター席に案内される。ここなら通りがよく見える。

「アイスカフェオレください」

 メニューも見ずに注文。

「あ〜冷たくて気持ちいい」

 よく冷えたおしぼりをおでこに当てて熱を冷す。慌てるとロクな結果にならないってここ何日かで分かっている。

 冷静に、冷静に・・・落ち着かせようとすればするほど心は反発するみたい。

 つい通りをキョロキョロと見てしまう。けれど見つけられない。


「お待たせしました。ガムシロは使いますか?」

「はい。一つお願いします」

 先ずは一口。

 あ〜美味しい・・・少し落ち着いてきた。

 ガムシロを加えてさらに一口。

「ふう・・・いい感じ」

 目を閉じて呼吸を整えるとやっと冷静になれた。


 脳内作戦会議開始。


 探しているのは天界の天使。名前は『ミウリル』

 現世では私と同じ『相楽美有』

 でも違うのは私の方で向こうは本物。生まれた時から『相楽美有』

 私の介入があったから死ぬことを間逃れた人間。だから私との繋がりが切れたら死んでしまう運命。

 でも天使になったのならその心配はないってことでいいのかな?

 もしかしてそのことを知って天使になったということなのだろうか。

 その知識を与えたのは二人いる内の上級天使の方。カーリ様と同じだ。

 上級天使って誰でも簡単に天使にすることができる特権でも与えられているのかな。


 カラン・・・氷が溶けてグラスの中で崩れる音。

 いつの間にか飲み終わっていた。


 う〜一杯じゃ全然足りない。


「すみません。メニューください」

 今度はホットアールグレイを注文。

 まだ同じ顔を見かけることがない。そんなに簡単じゃないことくらい分かる。

 でもこの情報だけは絶対に確かめないとならないんだ。

 たまたま偶然・・・まさかね。


「お待たせしました。ミルクは要りますか?」

「あ、大丈夫です」


 ゆっくりと一口。

 温かい飲み物って気持ちを落ち着かせてくれる最強のアイテムだよね。

 おかげでいつもの私に戻れたよ。

 戻ったと同時に

「あ・・・思い出した」

 ハニエル達のことすっかり頭から抜けていた。

 ずっと待たせてたら・・・とにかく連絡しよう。


 RRR・・・・


 画面にはハニエルの顔。向こうには私の顔があるよね。

「ハニエル。連絡遅れた。ごめん、待たせちゃった?」

「ミュリエルこそ終わったの?」

「うん。今ね、街にいるよ」

「そうなんだ。こっちは今着いたところなの」

「え?ああ、そうなんだ」

「ホントはもう街にいるはずだったんだけど出掛けにいろいろあって」

「そうなんだ。だったらグッドタイミングってこと?」

 ハニエルの隣りにはヴィヴィの顔が出てきて

「なんだよ。絶対遅れるって思ったのに。タイミング良過ぎるだろ」

「ミュリエルと私の繋がりは深いってこと。だよね」

「はいはい。わかったわかった。二人がお熱いってことだろ」

 

 楽しそう。このまま合流した方がいいのかな?

 でも・・・う〜・・・許されるなら・・・


「あのさ、二人共。お願いがあるの」

「お願い?」

「うん。ちょっとやることあって合流はそれからでもいい?」

「いいけど。すごく大事なことなの?私達も協力しようか?」

「ええと・・・私だけで大丈夫。すぐ終わると思うし」

「ふ〜ん。でもさ、困ったら言ってね。いつでも力貸す」

「ありがとうハニエル。こっちの目処が立ったら連絡する」

「このままでもいいけど。それだとハニエルが悲しむ。だから絶対合流な」

「分かったよヴィヴィ」

「じゃあ後で。気をつけてねミュリエル」

「ありがとうハニエル。また後で。ヴィヴィもね」

 

 とりあえず連絡は終わった。だからってすぐに見つかるなんて思えない。

 気が付いたらアールグレイも終わっていた。


★★★★☆☆


「これなんてどうですか?」

 リリエルが持ってきたのは

「なんでキャラクターがプリントされてるのなの?っていうかこれなに?」

「知らないんですか?今流行のゆるキャラ『ケルベロ君』です」

「ケルベロ?知らない。けど可愛いね」

 三つ顔のある犬みたいなキャラクター。三つある意味が分からないけど。

「あのさ、可愛いのは認める。でもさ、これって私よりリリエルでしょ」

「あ、失礼なこといいますね。言いましたよね。あたしの方が年上だって。こんな子供地味たの履けるわけないじゃないですか」

「言うね・・・実際そうかもしれないけど見た目でしょ。問題は。だったらリリエルはどんなの履いているのよ」

「急にあたしの下着のこと気にしないでください」

「だって気になったんだもん。さぞ大人の女性的なのかなって」

「見せませんよ。こんな所で変態ですか」

「私のスカートをズリ下げるのは変態じゃないわけ?おまけに今朝だって胸触ったよね」

「そんなこといつまで引きずっているんですか。意外と執念深いですね」

「当たり前でしょ。まだ誰にも触らせたことなんてないし・・・」

「誰だったらいいんですか?」

「え!・・・・・」

「顔が赤いです。いや真っ赤です。ということは該当する人間がいるってことですよね」

 う〜・・・なんなのこの会話。こんなの答えられるわけないじゃない。

「そ、それより早く決めないと。ラフィが待ってる」

「話を逸らしましたね。でもまあ先生をこれ以上待たすのは本意ではありません。真面目に探しましょう」

「あんたが言うか、あんたが」

「あ。今のってあたしのことですか?年上ですよ」

「言ったでしょ。見た目なんだって」

「見た目。いずれ分からせてあげます。それより」

「うん。分かってる」

 ホント、いろいろあって迷っちゃうね。

 今履いているストライプはあの子のセンスってことでしょ。

 無難だけど私の趣味じゃない。

 

「え〜と・・・あ、これなんていいかも。すみません試着いいですか?」

「はい。試着ならこちらでおねがいします」

 店員さんに連れられて奥の方に案内されていった。


「ありがとうございました」


 何回か試着してやっと決まった。

「ようやく決まりましたね」

「思ったより時間使ったね」

「そうですよ。こだわり過ぎです。それともその誰かに見せるために選んでいたんですか?」

「だ・か・ら。違うって。私はただ気に入ったのを探したかっただけ」

「でも。そういうことなら、いざ、って時に役に立ちますもんね」

「変な想像しないでよ」

「させてるのはどっちですか」

「ラフィ怒ってないかな」

「先生は寛大なんです。そんなことでは怒らないですよ。終わったこと連絡します」

 リリエルは端末を操作している。

 私も欲しいな。

「私も欲しい」

 つい言葉にもなっていた。

「欲しいってこれですか?」

「うん。だってみんな持ってる。あったら便利でしょ」

「便利なのは確かです」


『なら天界に行くか』

 画面からラフィの声。あ。聞こえてた?

「いいんですか?」

『欲しいんだろ』

「う〜・・・はい」

『うむ。素直でよろしい。しかし。一つ問題がある。ミウリルは天界の天使。だから天界で買わないとならない』

「天界・・・ですか」

『そうだ。久し振りに天界に行くのもありだな』

「ちょっと先生、本気ですか」

『本気だが』

「はぁ〜・・・まあすぐには無理ですよね。とりあえず合流です」

『いや、その必要はない』


 店のドアが開く。

「先生」

「ラフィ。遅くなってごめん」

「別にいい。ワタシも自分の買い物をしていたからな」

「それならいいけど・・・なんか楽しいことあった?」

「そう見えるか」

「だって楽しそうな顔してるから」

「ああ。実に」

「一体何があったんですか?」

「そうだね・・・とりあえずパフェを食べに行こうかリリエル」

「それが先生の希望なら」

「そうだね。限定品だからね」


 これは今すぐしてくれる話じゃなさそう。

 なら限定品のパフェとやらを食べに行きましょうか。


 私達は店を出て再び賑わっている通りを歩く。なんだかさっきより増えているような・・・

「で、先生。聞いて下さい。ミウリルが買った・・・」

 ちょっと。そんな報告いらないでしょ。大慌てでリリエルの口元を塞いだ。

「ははは。今の言葉は忘れて下さい」

「忘れていいのか?」

「なんで気にしているんです?」

「だってな、お金を出したのはワタシだから」

「感謝してます。でもこれとそれは無関係にして欲しい」

「冗談だ。そろそろ店に到着する」

 ここで通りを一つ曲がった路地に入って行った。


「ん。ハニエル、どうした?」

「あ、ごめん」

 立ち止まったハニエルは何かを気にするように、確かめるようにずっと先を見ている。

「今ね、ミュリエルが見えた気がした」

「どこ?」

「うん。でも曲がっちゃったから。もしかしたらすごく似ている天使かもしれないし」

「全く。見間違うほどミュリエルのこと気にしてるよな」

「だって彼女は特別だから」

「特別?」

「そう。私にとってとても大事な天使なの」

「あ〜お熱いことで。で?お茶は?まさかミュリエルが合流するまでお預けってことないよな」

「そんなことしないよ。私達だけで先にお茶しましょう」

 ハニエルはもう一度見てみる。けれどミュリエルに似た天使が現れることはなかった。


☆☆☆☆☆


 とりあえず連絡終了。あとは見つけるだけ、なんだけど・・・・・・


 だ、誰?


 実は連絡が終わった時から目の前に一人の天使がじっとこちらを見ている。

 私のことを見ているのか、それとも店の中を見ているのか。


 一瞬目が合った。

 緑色したきれいな瞳。どことなくカーリ様に雰囲気が似ている。けれど髪の色が全然違う。


 やっぱり私のことだよね。見ているの。ナンパ?いやいや、そういうことされる自信は正直ありますよ。なんたって私は可愛いですから・・・って馬鹿か私は。

 それよりなんなの?変な顔でもしてたかな?


 とりあえず当たり障りなく笑顔をしてみると向こうも同じように笑顔で返してきた。


 あらら?やっぱり私のこと見てるんだ。でもなんで?そのうち店の中に入ってきたら聞いてみようかな?それとも向こうから積極的に話し掛けてくるのかな?

 そんなこんなでちょっと混乱していると

 ?・・・行っちゃった・・・


「なんなのよ。あの天使」

 つい本音が言葉になる。さて。休憩終了。


「ごちそうさまでした」

「ありがとうございました」


 さあ。仕切り直し。頑張って探しますか。

 軽快な下駄の音が私の気持ちを現しているみたいだった。

あ〜そろそろ太陽が見たい。

読んでいただきありがとうございます。

梅雨ってジメジメしているし洗濯物乾かないし・・・

でも。傘を差して街を散歩って気分によっては楽しいです。

明ければ夏。

夏は楽しむ季節。すでに下田の日程も決まって後は水着を新調かな。

ウキウキしている気持ちとドキドキしている気持ちが混合しています。

次回の展開を考えているとドキドキしてしまいます。いろんな意味で。

またお会いしましょう。よろしくお願いします。


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