第七五四話 花咲人(一九)
日本の女子バスケットボール界が、競技力向上を目指して日本女子バスケットボールリーグの各チームに外国籍選手の獲得を推奨していた、旧・外国籍選手受容の時代。
身体能力に優れた外国籍選手たちにリーグを席巻され、日本人選手が脇役に追いやられた、日本人選手忍苦の時代。
日本人選手のプレー機会を確保するべく外国籍選手の登録を禁じ、日本リーグを日本人主体のリーグに回帰せしめたところ、外国籍選手との対戦経験が激減した日本人選手から国際競争力が減衰したという、外国籍選手禁制の時代。
失われた日本人選手の国際競争力を取り戻すべく、一部を除いた日本リーグの各チームに外国籍選手の獲得を認める決定が下された、中・外国籍選手受容の時代。
高鷲重工アストロノーツは、ウェヌススプリームスと共に、中・受容の時代にあって、除かれた一部チームとして外国籍選手の再受容を禁じられた立場にあった。自前の日本人インサイドプレーヤーを、他チームが獲得した高身長の外国籍選手と激闘させ、日本の国際競争力向上に貢献せよ。禁制の時代に無双の存在だった事実を買われて選抜された形だが、この施策は、うまくはまらなかった。他チームの精強に過ぎる外国籍選手によって、二チームが育成うんぬんに注力できる状況になくなったのである。
そして、もろもろ鑑みた結果、日本の女子バスケットボール界に到来する次なる節目こそ、日本リーグの全チームに、条件付きながら、外国籍選手の獲得を解禁する、新・外国籍選手受容の時代だ。身長一九〇センチ以下と限定されるものの、かつての強者たちにも外国籍外国籍選手を認める「ビッグガード例外条項」が発布されて迎えるシーズン。かつての二強、高鷲重工アストロノーツとウェヌススプリームスの捲土重来なるか。新たなる二強、神奈川舞姫とナジコハミングバードの鎧袖一触に終わるか。開幕である。




