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主人公に断罪される悪役に転生したけど、関わらずにのんびり過ごしたい  作者: おとら@9シリーズ商業化


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セリーヌ先生の個別授業?

その日の放課後、俺は一人で行動していた。


二人は予定があるし、それを邪魔したら風評被害を食らってしまう。


かといって二人に伝えたら部活に出るというかもしれないので、伝えることはせずにまずは職員室に入る。


「あれ? リオン君? 今日は部活の日じゃないよ?」


「すみません、セリーヌ先生。実は、今日も部室を使いたくて」


「うーん、一応決まりとして最初に決めた日以外はダメなんだけど」


「そこをなんとかお願いします!」


俺は先生の手を握り、真剣な表情で見つめる。

俺は一刻も早く、アイスクリームを作りたいのだ。

すると願いが通じたのか……セリーヌ先生が頷く。


「し、仕方ですねー。それなら、先生が特別に付き合ってあげます」


「なんと……お忙しいところ申し訳ない。ですが、鍵さえ貸して頂ければ……」


「いえ、ここはきちんとしないと……あれ、誰もいない部屋で二人きり……?」


なるほど……セリーヌ先生は軽い性格だが、根は真面目という感じだったか。

アークの奴の、そういやセリーヌ先生には何もアクションを起こしていないのか?

……まあ、俺が考えることではないか。


「わかりました。それでは、お願いします」


「コホン……では、行きましょう」


そうして先生を連れて部室に入る。

俺は早速、倉庫の中から1本だけ牛乳ボトルを取り出す。

大量に持っているのがバレるのは困るので、残りは自室の金庫に入れてある。


「リオン君、それ牛乳かなー?」


「はい、そうです。先生……今から起きることを秘密にできますか?」


「いいけど……な、何をするの? ダメよ、私と貴方は生徒なのに」


何やらセリーヌ先生がもじもじしているが、許可が出たので作業を始めることにした。

まずは鍋に牛乳と砂糖を入れて中火にかける。

それを木ベラで時々混ぜていく。


「……あれ? 何をしているのかな?」


「見てなかったのですか? なるほど、私は何も見ていませんという……流石はセリーヌ先生だ」


「よくわからないんだけど……褒められてるのかな?」


「ええ、もちろんですとも。では、安心して作業します」


どうやら秘密を守るというより、見なかったことにしてくれるようだ。

仕入れが確定していないので、この商品はまだ秘密にしておきたい。

湯気が出てきたら弱火にして、木ベラで混ぜながら十五分ほど煮詰めていく。

この時に沸騰させたり、煮詰めすぎると失敗だ。


「それで、これは何を作っているのかな?」


「アイスクリームというスイーツですね。まあ、その試作品というか」


「リオン君がしたいって言ってたやつですねー。あっ、甘くて良い香りがしてきた」


「ここからが見極めが難しいのですよ。牛乳が沸騰すると塩分が出てしまうので」


「そういう知識は何処から得たのかな? 私、知らないんだけどなー」


不味いな……セリーヌ先生は宮廷魔導師なこともあり博識な方。

セシリアやカレンのような誤魔化しは効かないか。

俺は覚悟を決め、セリーヌ先生に顔を近づける。


「ひゃっ!?」


「セリーヌ先生、これは俺の秘密に関わること。どうしても知りたいなら……」


「わ、わかりましたからー!」


セリーヌ先生は後ずさり、口をパクパクさせている。

ふむ、どうやらわかってくれたらしい。

俺としても強硬な手段は取りたくないので助かる。

そうこうしている間に、牛乳がいい感じになった。


「これをバットに移して、氷水を貼った容器につけると」


「これは何をしてるのかな?」


「粗熱を取っています。これ以上火が入ると、味が落ちてしまうので。あとは、これを氷で凍らせれば完成ですね」


本当は卵があったり、他にも行うべき工程があるが、今回はお試しなので良しとしよう。

すると、セリーヌ先生が頬を膨らませる。

年甲斐なくと思わなくないが、めちゃくちゃ似合ってはいた。

人によっては死人が出るだろう。


「へぇー、勉強もこれくらい熱心なら先生は嬉しいのだけれど」


「くっ……それについてはすみません」


「アーク君みたいに熱心なのも困りますけどねー」


「……何かしたので?」


「うんと……勉強以外の質問が多くてですねー。私の趣味とか聞いてきたり」


なるほど、しっかりと動いていたわけか。

しかし、上手くいってない感じか。

個人的には、まずは一人一人攻略すべきな気もするが。


「趣味ですか……」


「あれれ? 気になっちゃう感じですかねー?」


「いえ、特には」


「うぅー……こうなったら今から先生が特別授業をします!」


「なんでそうなるんです?」


「とにかくです!」


「……はぁ」


まあ、時間はあるし良いか。


今後のためにも、セリーヌ先生の機嫌は取っておかないと。


俺は大人しく先生の授業を受けるのだった。

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