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主人公に断罪される悪役に転生したけど、関わらずにのんびり過ごしたい  作者: おとら@9シリーズ商業化


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俺のいない間の話

翌日の朝、俺は寝不足の目を擦り起き上がる。


昨日は興奮してあまり寝れなくて、色々とメニューについて考えてしまった。


俺はベッドから降りて、自分の金庫室を開けて中を確認する。


そこには、氷の壁に包まれた牛乳ボトル達がいた。


「ふふふ……夢じゃなかった。これは全部、俺の物だ」


「何を朝から不気味な笑いをしてるんですか。それでは、裏金を数える大臣みたいですよ」


「これは、そんな汚いものではない」


「いや、そういうわけではなくて……まあ良いですか。とりあえず、今日の予定はどうするのですか?」


「決まっている。これを使って部活に」


「今日はお休みですよ」


そういえば、今日は部活が休みか。

セシリアはテニス部だし、カレンはバイトとか言っていたか。

活動日ではないが、すぐにでも作りたい。


「ふむ、とりあえず学校に行ってから考えるとしよう。ひとまず、牛乳は部室に運んでおいてくれ」


「御意。それでは、いってらっしゃいませ」


「……当たり前みたいに聞いたが、鍵もなくて良く入れるな?」


「当たり前じゃないですか。この部屋に忍び込んだ私ですよ?」


「……それもそうだ、愚問だな」


王城に忍び込むアンナなら学校の鍵くらいわけないか。

そうしてアンナに見送られ、学校へと到着する。

特に問題はなく、教室に入ると……視線が集まった。


「リオン殿下……」


「昨日は何処に行ってたのでしょう?」


「やっぱり、学校をサボるような方なのかな……」


ふむ、たった一日学校をサボったでこの言われよう。

やはり、何かしらの力が……元々のイメージの所為かもな。

そのまま席に向かうと、アークとお喋りしてるカレンが目に入る。


「あのさ、僕も一緒にバイトしても良い? 僕もお金が必要なんだよね」


「ふぇ? え、えっと、店長に聞いてみないと」


「それもそっか。それじゃ、今日の放課後とか……」


ほう、頑張っているな。

カレンが聖女だとわかった今、アークの邪魔をするつもりはない。

俺は邪魔をしないように、自分の席に着く。

視線を感じ振り向くと、そこには不機嫌そうなセシリアがいた。


「おはよう、リオン」


「うむ、おはよう。そんな顔をしてどうしたのだ?」


「それは自分の心に聞いたら?」


……もしや、昨日のゼノス殿とのいざこざのことか?

それとも、ゼノス殿が何かセシリアに伝えたのかもしれない。


「決闘の日にちが決まったのか?」


「何の話よ? そうじゃなくて、昨日のサボりよ。私とカレン、部活だと思ってたのに」


「それはすまなかったな。少し野暮用があってな……次の部活でお披露目するとしよう」


「ふーん、そう……楽しみにしてるわ」


そう言いながら、自分の髪の毛先を弄る。

不機嫌は何処へやら、ご機嫌な様子だ。

いやはや、これは良い傾向だな。


「ククク、どうやらスイーツにハマったようだな?」


「ちがっ、私はリオンがいなかった……ううん! 何でもない!」


「……相変わらず、よくわからないやつだ」


「それ、アンタにだけは言われたくないわ」


そしてセリーヌ先生が来て、ホームルームが始まる。

その後は普通に授業に出て、昼休みになった。

すると、カレンがたたっと俺の席にやってくる。

その後ろには俺を睨みつけるアークの姿が。


「どうしたのだ?」


「リオン様、昨日は大丈夫でしたか? どこか、体の具合でも……」


「ほら、真面目なカレンが心配してるじゃない」


「すまんな、カレン。見ての通り元気で、昨日は野暮用でな」


「あっ、それなら良かったです」


そう言い、天使のような微笑みを浮かべる。

やだっ、この子ってば良い子だわ!

……なんで、オネエ口調になったんだろう。


「コホン……それで、用事はそれだけか?」


「えっと、その……一緒にご飯とか」


後ろで、まるでハンカチを噛み締めているようなアークが見える。

いやいや、先に誘っておけよ。

邪魔はしないが、フォローするつもりもないぞ。

俺には、こんな良い子を傷つけられない。


「ああ、いいぞ」


「わぁ……はい!」


「それじゃ、私もいくわ」


こうして三人で食堂へと向かうことに……最後までアークの視線を感じながら。

あいつは、一体何をしているんだ?

昨日とか俺がいないなら、攻略を頑張ればいいのに。







……と思ったら、めちゃくちゃ行動はしていたらしい。

食べ終わって休憩していると、昨日の話になった。


「昨日、アーク君にお昼に誘われたんで一緒に食べたんです」


「そうそう。カレン一人じゃ心配だから、私も付いて行ったのよ」


「ほうほう」


いいではないか、その調子でどんどん攻略を頑張るがいい。

アークはおそらくハーレムルートを狙い、俺は俺でスイーツルートを行くのでな。

これで、平和的解決だ。


「別に悪い方ではないですけど……」


「なんだ? また自分の話ばかりか?」


「いえ、そうではなくて……全然、目が合わないというか」


「なんか、ずっとおどおどしてたわ。この間まで、逆に堂々としてたのに」


「なんだか、よくわからない方です。三人で話した途端、様子が変になっちゃって」


「……なるほどな」


推測でしかないが、アークは女の子慣れしてない。


という俺も慣れているわけではないが、生まれ故に幼い頃から綺麗処に囲まれてきた。


なので耐性があるが……イメチェンしたカレンと、とびきりの美少女であるセシリアに囲まれてキョドッてしまったのかもしれない。


そう思うと、なんだか可愛げがあると思ってしまう……んなこともないか。



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