表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主人公に断罪される悪役に転生したけど、関わらずにのんびり過ごしたい  作者: おとら@9シリーズ商業化


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/19

メイドの暗殺術

 その後、何とか誤解は解けた。


 ただし……俺の尊い肩を犠牲にして。


 真面目な話、俺でなかったら折れてたかもしれない。


 なるほど、セシリアが難易度が高いキャラと言われるわけだ。


 暴力系ヒロイン攻略をするのは命がけだろうから……ガクガク。


「ぐぬぬ……イテテ」


「ご、ごめんなさい……変な勘違いしちゃったわ」


「いや、今に始まったことじゃないから良い」


「わざとじゃないのよ……あぅ」


 そう言い、珍しくしおらしくなる。

 そんなのだと、こちらの調子が狂ってしまう。

セシリアだけが、俺に遠慮なくきてくれるのだから。


「あぁ〜……これは何かお詫びが欲しいな」


「お詫び? 何が良いのかしら?」


「何がいい……考えとく」


「うん、わかったわ。今回は私が悪いから、ちゃんと言ってよね。あと、こっちでも考えておくから」


「相変わらず律儀なことで」


 そこでセリーヌ先生が来て話は終わる。

 特に問題なく終わり、授業が始まった。

 今日の内容は初歩の計算問題で、前世の記憶が蘇ったので難しくない。

 これでも、成績だけは良かったからな。


「ふぁ……」


「ちょっと、しっかり受けなさいよ。テスト落ちたら、Aクラスに下がるのよ?」


「それならそれでいいさ。とりあえず、昼寝する」


 印象は悪くなるが、寝るくらいならそこまでじゃない。

 昨日考えて中々寝れなかったこともあり、俺はすぐに夢の中に。

 そして……結局、昼休みまで寝てしまったらしい。


「よく寝たな……」


「寝過ぎよ。イビキをかいてないから、静かだったからマシだけど」


「そいつは良かった。王子として恥をかかずに済んだか」


「寝ている時点でダメに決まってるでしょ。ちなみに、お父様にはきちんと言うわよ」


 寝ぼけた頭では、それを理解するのに数秒を要する。

 すると、あの厳格で容赦のない宰相の顔が浮かんだ。

 確かゲームの中では、救済措置の一環としてお助けキャラとして登場する。

 その強さは凄まじく、国王を殺したリオンを鬼の形相で殺しにくるのだ。


「やめろぉぉ! お前の親父さんはおっかないんだ! よし! ここでお礼を使おう!」


「そう? お父様は優しいわ」


「それはお前限定だ。 あの人は怒らせちゃいかん」


「ふーん……まあ、今回は許してあげるわ。あと、お礼は別で用意するから」


 そんな会話をしていると、アークがこちらを見てくるのが目に入る。

 俺はそれを見て、このまま食堂に向かうと不味いと思った。

 おそらく、セシリアが付いてきてしまう。

 幸い今日も短縮授業なので、午後は部活見学だ。

 既に部活に入ったし、もう学校を出ても良いだろう。


「まあ、それは好きにしろ。さて、俺は帰る」


「えっ? お昼ご飯は?」


「俺は部活決まったし、見学に来る生徒もいない。なので、先生に許可を取って帰るとするさ」


「そっか、活動日でもないからセーフかも」


「そういうことだ。それでは、また明日な」


 素早くその場を離脱すると、アークがうれしそうにしていた。

 それを尻目にし、俺は教室を出て行くのだった。


 ◇


 校舎を出て待っていると、すぐに馬車がやってくる。


 御者にはアンナがいたので、その隣に乗り込む。


 特に何もいうことなく、そのまま馬車は進んでいく。


「よく俺が来る時間がわかったな?」


「特に指定はされませんでしたが、多分こうなると予測しましたので」


「ふっ、流石は我がメイドだ」


「お褒めに預かり光栄です。ところで、お昼ご飯は?」


「この時間なので食べてない」


「そうだと思い、こちらをご用意しました」


 すると、すっとバスケットが出てきた。

 その中にはサンドウィッチがあり、どうやら用意してくれてたらしい。

 お腹も空いていたので、俺はそれを掴む。


「おっ、気がきくな。どれ、いただき——うがっ!?」


 この強烈な刺激は何だ!? 口が焼けるように痛い!

 しまった……兄上達からの刺客か? いや、兄上ならそんなことしないはず。

 となると、あちらの派閥が勝手に? それとも、粛清した貴族達の逆恨みか?


「どうしたんですか?」


「み、見てわかるだろ……毒を盛られたようだ……教会に」


「毒ですか? そんなの入ってるわけないじゃないですか。これは、私が作ったただの激辛サンドウィッチですよ」


「……何だと?」


「どうやら、甘いものばかり食べていたみたいなので。だから次は辛い物を食べてバランスを取らないといけませんから」


 その顔は真面目で俺をからかう意図や、わざとな感じはしない。

 まさか……こいつは料理壊滅系キャラだったのか。

 ゲーム内でも現実でも作ることはなかったからわからなかったが。

 俺が怪訝な顔をしていたからか、アンナが不安そうに覗き込んでくる。


「あの……不味かったでしょうか? 全然、残してくれていいですよ」


「……いや、食べる」


「えっ? で、でも……」


「我がメイドが俺のために作ってくれた……ならば、それを食べるのが主人たる俺の役目だ」


「御主人様……えへへ」


 すると、嬉しそうに微笑む。


 それを見て、俺は辛いのを我慢して食べ進めるが……ふと疑問が浮かんだ。


 こいつは普段、どうやって曲者を処理をしているのかと。


 ……まさかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ