第97話《スイートの悲鳴》
マコトは悲鳴を聞いた瞬間、プライベートビーチからスイートルームのガーデンへ駆け込んだ。
入口にはホテル警備兵が倒れている。
ルナ
『まずいわ!睡眠魔法の魔導反応よ!残滓吸収を連続使用して!』
「わかった!レジデューアブソープ!」
マコトの身体が大気中の残滓を吸収し、肉体が常に回復し続ける状態へ移行する。
ガーデン内にはさらに無数の兵士が倒れていた。
「残滓共鳴!」
周囲の残滓が色で識別され、空間の情報が脳内にマッピングされる。
その情報は“全能の指輪”のルナとリンクし、さらに詳細な索敵情報となってマコトへ返ってくる。
ルナ
『建物内入って右のリビング。女性と武装した男が5人いるわ』
「了解!残滓保管!」
マコトは空間に手を突っ込み、ストレージからドラグレアの双剣を取り出す。
2本の剣を繋げ、黒紅の双刀薙刀へ変形させた。
リビングへ踏み込むと、武装した男が5人。
その奥には王族のような若い女性が怯えていた。
マコトは跳躍し、男たちを飛び越えて女性の前に着地する。
「大丈夫ですか!」
「はい……突然この人たちが入ってきて……警備兵が次々に倒れて……」
先頭に立つ口髭の男がマコトを睨む。
「……何者だ小僧……」
「観光客……かな?」
「フッ……まぁいい……お前も眠れ」
男が手をかざし睡眠魔法を放つが、マコトには効かない。
「……なぜ効かない……魔力反応も無いのに……」
「なぜだろうな」
「ふざけやがってガキが!!」
残りの男たちが一斉に襲いかかる。
マコトは素早くしゃがみ、目の前の男を足払いで転ばせる。
薙刀の刃裏で男の大剣を粉砕し、そのまま気絶させた。
「1人目」
薙刀を回転させながら次の男へ接近。
相手が振りかぶる瞬間、腹へ蹴りを叩き込む。
「ぐふぅ!」
男から大剣を奪い、薙刀で粉砕。
「2人目」
女性は息を呑む。
「……すごい……」
「めんどくさい……もうまとめて来い」
マコトは薙刀を双剣に戻す。
残りの2人が同時に襲いかかるが、マコトは同時攻撃を簡単に受け止め、一瞬で2人の剣を砕いた。
「3,4人目と…残るはあんただけだな…」
外が騒がしくなる。
ホテルの警備兵が駆けつけたようだ。
口髭の男はニヤリと笑う。
「……ふははは……見事だな……またな、小僧……」
帰還石を投げると、男たちは光に包まれ、消えた。
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