第98話《姫の秘密と王位継承争い》
マコトは倒れた兵士たちの中から救い出した女性に声をかけた。
「大丈夫ですか」
若い女性は頬を赤らめ、胸元を押さえながら震えて答えた。
「はい…ありがとうございます」
ルナが静かに告げる。
『マコト、この女性は セレスティア・ウインザール。
ウインザール王国の第一王女よ』
「……え! 王女様……?」
セレスティアは驚き、目を丸くした。
「……よく…わかりましたね……お忍びの滞在…誰にも気づかれ無かったのに」
「いや……ははは……なんとなく…わかるんです、はい…しかし無事でなによりです」
その時、睡眠魔法から目覚めた褐色の美青年がふらつきながら駆け寄ってきた。
「うわ!姫! 無事ですか!」
セレスティアは安心したように微笑む。
「無事よ……ブラッド、この方が助けてくれたの」
マコトは軽く頭を下げる。
「あ…どうも…えっと、マコトっていいます」
ブラッドは涙を浮かべながらマコトに抱きついた。
「マコト殿! ありがとうございます!!」
「……はははは……」
夕焼けのテラス。
サンセットビーチを背景に、3人しかいない静かな空間で、
セレスティアはゆっくりと事情を語り始めた。
「私の国では……王位継承争いが起きています。
ライバルは第二王女、リリアーナ。
今回私を狙ったのは……彼女の差し金だと思います」
ルナが即座に補足する。
『間違いないわね。
さっきの口髭の男は ジャンコ。
最近リリアーナの私兵になった男よ』
マコトは頷く。
「先程の盗賊のリーダー格の男は……リリアーナ姫の私兵みたいですね」
ブラッドは驚愕する。
「知っているのですか、マコト殿!」
「…いや、はは…」
セレスティアは静かに言った。
「マコトさんは……私が王女であることをすぐに見破った方よ」
ブラッドは感動しすぎて震えた。
「……なんと……
マコト殿……腕も確かなら千里眼の持ち主……
是非、我が王女の護衛を引き受けて下さい!!」
涙ながらに訴えるブラッド。
マコトは困ったように笑った。
「……いや……はは……
ちょっと仲間と相談させて下さい」




