第92話《飽きた女は世界を変える》
ストレージ内はソファー、ベッド、酒がいっぱいのキャビネット、サンドバッグ…最早
黒薔薇の翼の秘密基地のような空間になっていた。
カリナはソファに寝転がり、
マコトとルシファーは軽いスパーリングをしていた。
ルシファーの爪が空気を裂き、
マコトの薙刀がしなやかに受け流す。
「はっ!」
「っと!」
マコトは魔力ゼロとは思えない速度で踏み込み、
ルシファーは軽やかに跳躍してかわす。
ルシファーの蹴りがマコトの肩をかすめ、
マコトは薙刀の柄でルシファーの足を止める。
「やっぱ強いですねマコト」
「いやいや、ルシファーさんの方が速いって」
軽口を叩きながらも、
二人の動きは完全にプロのそれだった。
カリナはソファでゴロゴロしながら言った。
「ダンジョンばっかりで飽きてきたな……
ルナ、ルシファーってどこまで転移できるんだ?」
ルナが答える。
『ルシファーの魔力なら、連続使用で何回も転移すればかなり行けるんじゃない?』
カリナは身を起こす。
「……さすがに他大陸は無理だよな?」
ルナは即答した。
『簡単でしょ。
魔力が切れたらストレージに入って、
マコトの能力か伝説竜の肉で無限に転移できるわ』
カリナの目がキラッと光った。
「南の小大陸ボルケーノアイランドに行けるか?」
ルナはため息をつく。
『楽勝よ……さては 赤竜 を討伐したいとか?』
カリナは満面の笑み。
「正解!
火ノ大剣が欲しい!」
ルナは肩をすくめる。
『前人未到よ……
まぁあんた達なら勝てるかもね……』
スパーリングを止めたマコトが言う。
「……なにやらカリナさんが妙な計画を立ててる様な……」
ルシファーも震えた声で言う。
「……ですな……
マコト……飽きたカリナさんはなにか怖い……」
カリナは大剣を肩に担ぎながら笑った。
「よし、次の目的地は決まりだな!」
マコトとルシファーは同時に顔を見合わせた。
「絶対ヤバいことになるやつだ……」
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