第91話《国王激怒と第六階層の衝撃》
アルヴァリア王城――謁見広間。
白銀の柱が並ぶ荘厳な空間に、怒号が響いた。
「なんだこの醜態は……!」
アルヴァリア国王 レニオス は、
玉座の上で怒りに震えていた。
巨大魔導モニタには、
第六階層の中継映像が映っている。
床に転がる瀕死の蒼紋騎士団。
その横で――
黒薔薇の翼のマコトとカリナが、
デビルダークネスファントム親衛隊を圧倒していた。
魔法が使えないはずの領域で、
マコトは流れるような薙刀捌き。
カリナは豪快な両手大剣で親衛隊を吹き飛ばす。
国王は叫んだ。
「ガルド!!」
「はぃぃぃーー!!」
ガルドは土下座しながら震えている。
「この追放勇者……
ムチャクチャ強いではないか!!
マコトだったか!!
なぜ追放したのだ!!」
ガルドは泣きそうな声で答えた。
「そ、それは……あの……
国王様が……追放せよ……みたいな雰囲気を……」
「この馬鹿者が!!」
国王は右の靴を脱ぎ、
ガルドに投げつけた。
「痛い!!」
「何としても連れて来い!!
わかったか!!」
ガルドは泣きながら叫ぶ。
「……しかしながら……
本人に戻る気が無い様で……」
国王は再び左の靴を投げた。
「痛い!!」
「戻る気が無い?
そんなもの関係ない!!
連れてこい!!」
――第六階層ボス部屋
蒼紋騎士団は壁にもたれ、
黒薔薇の翼の戦いを呆然と見ていた。
アーサーは震える声で言った。
「……なんなのだ……あいつらは……」
マコトはクラリスとキキを相手に、
華麗な薙刀捌きで攻撃をいなし、
逆に二人を追い詰めている。
カリナはシータとメイを相手に、
まるで師範のように“稽古をつけている”かのような戦い方。
アーサーは呟いた。
「あんな剣技……見たことないぞ……」
メルセデスは震えながら答えた。
「……はい……
恐らく手練れのソードマスターでも勝てないかと……
姉も……以前の倍以上強くなっています……」
アーサーは拳を握った。
「……完敗だな……我々の……」
その時――
DDFのリーダーと親衛隊が突然消えた。
アーサーは叫ぶ。
「……そしてこれだ……
なんなのだこのストレージ能力は……」
メルセデスは青ざめて言った。
「……はい……
ダンジョンボスを消したり、
大量の土を消したり出したり……
とうとうチームリーダーまで……
もうムチャクチャです……」
アーサーは天を仰いだ。
「メルセデス……」
「はい……」
「この中継……
国王見てなきゃいいな……」
メルセデスは震えながら呟いた。
「……絶対見てますよ……」
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